2013年にNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が運営するgooリサーチ(現在、「NTTコム リサーチ」)が実施した学資保険に対するアンケートによると、10歳未満の子どもがいる成人男女(有効回答数1076名)のうち約6割が学資保険に加入していた。

また、加入していない人に、その理由を尋ねたところ、最も多い回答が「学費のために預貯金をしているから」(未加入者の35.6%)であり、「学費のために投資を行っているから」(未加入者の7.6%)と答えた人も少なからずいた。これらの結果から、ほとんどの親たちは子どもの学費に対して何らかの対策を講じていると言えるだろう。

だが、子どもを育てるために必要な資金は学費だけではない。子育てには学費以外にも色々とお金がかかるものだ。ここでは、どのようにして、子育てに必要なお金を貯金していけばよいのかを、具体的に紹介していく。

目次

  1. 子育て貯金とは
  2. 子育て費用の目安
  3. 子育て貯金の目標時期を設定
  4. 目的に合った方法で貯める
  5. 半強制的に貯金するのがポイント

子育て貯金とは

子どもを育てるには、教育費や医療費、衣服関係費、雑費など、さまざまな費用がかかる。日々の食費や普段の衣料費などは別として、私立学校や大学の入学金・授業料、塾、習い事などの教育費は相当な額に上るうえ、もしもの時の医療費など予想外の出費がかさむことも少なくない。

いざその時に慌てることのないよう、きちんと計画して備えておきたいものだ。もちろんすでに潤沢な資産がある場合は、子育てにかかる費用を別途蓄える必要はないだろう。

しかし、住宅ローンなど定期的な出費がある人や、漠然と余剰金を貯金に回している人は、子育てにかかる費用は、「子育て貯金」として別立てにして蓄え、他の預貯金とは目的が異なることを明らかにしておく方が良いだろう。

子育て費用の目安

子どもにかかる医療費は居住する自治体によって大きく異なる。子ども医療に対する保障があまり手厚くない自治体に居住している場合は、万が一の場合に備えておくことがおすすめだ。学資保険の中には医療保険がセットになっているものや特約として付加することができるものもあるので、ぜひ検討してみよう。

医療費以外に最もお金がかかるものとして学費が挙げられる。文部科学省が実施した「平成26年度子供の学習費調査」では、幼稚園から高校まで、すべて公立に通った場合は523万円、全て私立に通った場合は1770万円もの学習費がかかることが報告されている。

さらに、大学の費用を加えると、国公立でも1000万円、私立の場合では学部や学校にもよるが2500万~6500万円ほどかかると計算でき、折々の入学タイミングまでにはある程度まとまった資金を準備しておく必要があると言える。

子育て貯金の目標時期を設定

子どもがどのような進路を進むか、どのような習い事に興味を持つかは、ある程度大きくならないと分からないが、私立幼稚園や私立小学校・中学校に通うかどうかは親の意向でほぼ決まると言っても良い。

子どもを私学の道に進ませる場合は、幼稚園や小学校の時期にもお金がかかるので、子育て貯金として別途貯金するのは難しいかもしれない。

中学校から、もしくは高校から私学を予定している場合は、中学校入学・高校入学のタイミングで、ある程度まとまったお金が必要になる。私立か国公立かをまだ決めていない場合でも、大学入学のタイミングを目安としてお金を貯めていくことが得策だろう。

いずれも早すぎるということはなく、貯めすぎて困るということもないので、できるだけ早く子育て貯金に着手することが望ましいと言える。

目的に合った方法で貯める

まずは、目標額と目標時期(中学校入学・高校入学・大学入学)を設定し、月々の額を決めて貯金することが大切だ。中学・高校・大学の入学タイミングにまとまった資金が必要と考える場合は、各入学時に祝い金が支給されるタイプの学資保険に加入するという方法もある。

また、大学入学時だけ、もしくは17歳・18歳になったタイミングでのみ、まとまった資金を受け取りたい場合は、満期まで祝い金支給がないタイプの学資保険を選ぶこともできる。一括で受け取るタイプの学資保険は、途中で一部の受け取りがない分、返戻率(支払う保険料総額に対する受け取り額の総額)が高いことが多い。

もちろん、学費は学校だけにかかるのではない。例えば受験するためには、必要に応じて学習塾や個人教師、模擬試験の費用、さらに受験料も必要となってくるだろう。これらに対する知識を備え、必要経費をきちんと捉えたうえで学費を算定し、十分なお金を貯めていけるように準備したい。

半強制的に貯金するのがポイント

余裕がある時に貯金しようと思っていては、思ったほどの額を貯めることはできないものだ。貯金をすると決めたら、口座引落型の積立定期預金や、会社や銀行の財形貯蓄制度など給料からの天引き貯金を活用するなど、半強制的に貯金するよう設定することも、目標額を貯めるには有効な手段であろう。