NYダウの連日の最高値更新が好感され、日本株市場も強含んでいる。8日の日経平均株価は終値で268円高の1万8765円となり、1日に付けた年初来高値1万8513円を大幅に更新。市場関係者からも先高観を指摘する声が増えている。一方、主力株の株価上昇で割安感が軒並み解消され、より高いリターンを目指す投資家の間では、新たな割安株探しが始まりつつある。
ここではPBR(株価純資産倍率)1倍割れの割安銘柄の中から、52週移動平均線のマイナスカイ離で出遅れ株を抽出。自動車部品のヨロズ(7294)、文具関連のナカバヤシ(7987)に注目してみた。
ヨロズは円安進行追い風、利回りは2%超
自動車部品株の中で出遅れが目立つのがヨロズだ。同社は円高影響や米国工場における生産性低下などが懸念材料となり株価が低迷。8月の底打ち後はやや盛り返しているものの、輸出株の見直し買いからは完全に乗り遅れている。
同社は今3月期上期業績発表時に通期業績予想を引き下げ、連結営業利益予想は60億円から50億円(前期比50.1%減)に減額。また、年間配当予想を46円から36円(前期は53円)に引き下げたことも嫌気された。
ただし、足元の為替の円安進行や、米国での収益改善の取り組みなどが寄与すれば、今後の増額修正が見込まれる。主要取引先である日産自動車(7201)の中国販売好調も好材料となっており、株価反攻が期待される。
年間配当利回りは修正後でも2%を超えており、PBR(株価純資産倍率)が0.5倍前後である点も注目だ。
ナカバヤシは軽量化ノート好調、バイオマスも注目
アルバム、ノートなどの紙製品を主力とするナカバヤシは、従来品より20%軽量化された「ロジカル・エアーノート」が好調だ。一方、株価指標面ではPBRは0.6倍台にとどまり、今後は見直しが進む可能性が高い。
今3月期上期の連結営業利益は6.9億円(前年同期比22.9%増)と2ケタ増益で着地した。シュレッダーなどのオフィス用品やスマホ向け製品が堅調。また、前期にM&A(企業の合併・買収)で取得した子会社の寄与も大きい。文具関連で大人向けノートの新製品を投入したほか、非主力事業としてはバイオマス発電も注目される。今期の営業利益は25.0億円(前期比6.5%増)を見込む。(12月9日株式新聞掲載記事)
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