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(写真=Thinkstock/Getty Images)

どの株式に投資をするか考える際、その株が割安なのか割高なのかを見極めることが重要になる。あるべき株価よりも安価に放出されているなら株価上昇が期待でき、タイミングを見計らって売却することで利益を得ることも可能になるだろう。

その株が割安かどうかを判断する指標の1つに「PER(株価収益率)」がある。PERとは何なのか、どのように求めるのか、株式の購入において具体的にどのようにPERを用いることができるのかといったことを見ていこう。


PER(株価収益率)とは

PER(ピーイーアール、Price Earnings Ratio)は株価収益率とも呼ばれ、株価と企業の収益力の関係から求めることができる。

市場平均PERと対象株式当たりのPERを比較することでその株式が割安なのか割高なのかを判断したり、同一株式において過去のPERと現在のPERを比較することで株式の価値の変化を理解したりするために用いられる。

PERの計算方法

PERは、「株価」を「1株当たりの利益」で割ることで算出できる。1株当たりの利益はEPS(イーピーエス、Earnings Per Share)と呼ばれ、当期純利益を発行済み株式数で割ったものである。

したがって、PERは株価 ÷ 当期純利益 ÷ 発行済み株式数で計算することもできる。

例えば、株価が1000円で当期純利益が1億円、発行済み株式数が200万枚であるなら、

PER = 株価 ÷ 1株当たりの利益

= 株価 ÷ 当期純利益 ÷ 発行済み株式数

= 1000円 ÷ 1億円 ÷ 200万枚

= 20倍

PERは20倍と計算することができる。

割安さとはどのようにわかる?

PERの数値だけを見ても、割安か割高かを判断することはできない。市場平均PERと比較したり、その株式の過去のPERと比較したり、競合会社のPERと比較したりすることで、割安なのか割高なのかを判断することができる。

ただし、PERを比較・考慮する際には、次の点にも注意する必要がある。

期間中に特別収益があったとき

当期内に、通常の利益だけではなく、不動産の売却や新規上場などの特別な利益があった場合は、一時的に純利益が増加することになる。そのため、PERの値が小さくなり、割安であるかのように見えることがある。

このような特別な利益があった場合は、その分を差し引いて通常の利益だけを用いて計算するか、当期だけでなく前後の決算期のPERを求めてその推移も含めて確認することで、一時的な要因によらない判断をすることができる。

銀行が不良債権の償却を実施したとき

各銀行が不良債権の償却を実施して莫大な額の赤字を計上すると、対象株価だけでなくすべての銘柄の利益総額が低下し、その結果PER値が上昇、対象株価が割高であると見られることにつながる。

だが、実際はすべての株式においてPERが上昇しているため、対象株価が割高になったと判断することはできない。市場全体の平均PERと比べてどのように変化しているかを観察し、対象銘柄が割安か割高かを考察する必要がある。

株式分割を行って間もないとき

株価が上場するとき、もしくは上場前でも株式の発行枚数を増やしたあとには、1株当たりの価格が急激に下がるため、PER値も急激な動きを示すことがある。このときも、当期のPERのみを見て判断するのではなく、前後の決算期の推移から株が割安かどうかを判断する必要があるといえるだろう。

M&Aを行って間もないとき

M&Aを行うと株価と発行済み株式数のバランスがすぐには取れず、落ち着くまでは、本来の価値を大幅に逸脱するようなPER値が算出されることがある。M&Aの規模が大きいほど数値が落ち着くまでに時間を要する傾向があるので、前後の決算期のPER値などを参考に、株式の価値を判断するようにしたい。

海外の株式と比較するとき

PERを用いて外国株の割安度合いを判断するときは、金利水準だけでなくその国の税制や企業会計がどのように実施されているか、どのような慣例があるのかといったことを考慮しなくてはならない。そのため、同業種であっても単純に比較することはできない。

外国銘柄の割安度合いを判断するときは、国内銘柄のPERと直接比較するのではなく、同一国の他の同業種のPERと比較したり、同一国の市場における平均PERと比較することで、PERの相場感を把握することができるのだ。

株を購入するときのPERの活用方法

では、株を購入するときに、どのようにPERを活用できるのかを見ていこう。

今後、株価が高くなるかどうかを判断する

来期の1株当たりの利益を予想してPERを利用することで、今後株価が上昇するのか下落するのかを試算することができる。例えば、当期の1株当たりの利益が15円、現在の株価が450円なら、

PER = 現在の株価  ÷ 現在の1株当たりの利益

= 450 ÷ 15 = 30倍

と求めることができる。来期もPERに急激な変化がなく、来期の1株当たりの利益が20円と予想されるとき、来期の株価は、

来期の株価 = PER × 来期の1株当たりの利益

= 30 × 20 = 600円

と予想することができる。したがって、この株は今後値上がりを期待できるということになる。すでにこの株を保有している場合は保有し続けることが勧められ、まだ購入していない場合は株価が十分に上昇する前に購入することを勧められるだろう。

現在割安な株価といえるかどうかを判断する

同業種・同程度の企業規模の会社とPER値を比較して、割安度合いを判断することができる。例えば、A社の現在の株価が1000円、当期純利益が1億円、発行済み株式数が200万枚のとき、A社のPERは、

A社のPER = 株価 ÷ 当期純利益 ÷ 発行済み株式数

= 1000円 ÷ 1億円 ÷ 200万枚

= 20倍

と計算できる。

一方、A社と同業種で同程度の企業規模であるB社の現在の株価が800円、当期純利益が1億円、発行済み株式数が500万枚のとき、B社のPERは、

B社のPER = 800円 ÷ 1億円 ÷ 500万枚

= 40倍

と計算できる。このことから、B社の株式に比べるとA社の株式は割安と考えることができ、今後A社の株価は上昇することが期待できるのだ。

実際には、PERだけでなく複数の要素から多面的に判断する必要があるものの、PERだけで判断するなら、A社の株式のほうが買いだということができる。

成長性に期待できるかどうかを判断する

PERが高いと割高であると判断するのは早計である。現時点では会社の規模や売り上げに対してPER値が高すぎるように感じられても、投資家からの評価などによって株価が押し上げられているという可能性も考えられる。

もしそのような期待値のためにPERが高くなっているなら、PERが会社の規模や純利益に対して高すぎるのではなく、成長性が期待されるためにPERが他の同業種・同規模企業より高くなっていると判断できるだろう。このような場合は、たとえ価値に見合わないと思えるPER値であっても買いだといえる。

一般的に、成長性が高いと見られる業種(IT系企業や通信関係業など)のPERは、急激な成長が期待できない業種(飲食業などのニーズが限られた業種など)よりも高くなっていることが多い。とはいえ、成長性が高い業種に属する企業であっても、ビジネスモデルや実際の事業展開によっては期待株価がそこまで高くならず、結果としてPERも同業種・同企業規模の値よりも低くなっていることもある。

総合的に判断することが大切

PERは上手に活用すれば、株価変動や割安度合いを推測・判断する際に大いに利用できる。だが、株価や株の価値は、今後展開していく事業内容や不動産などの資産売却・取得、経営陣の交代、景気動向など多くの要素が複雑に絡み合っているため、PERだけを絶対基準としてしまうことは大きな危険をはらんでいるのも事実である。あくまでも判断基準の1つとして用い、株式投資に役立てていこう。(ZUU online編集部)

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