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(写真=PIXTA)

奨学金というと学資をもらうことと理解している人もいるが、実際にはほとんどの奨学金が返済しなくてはならないタイプ(貸与型)であって、もらうタイプ(給付型)の奨学金はごくわずかしかない。

つまり、奨学金を利用した人のほとんどが、卒業と同時に何十万円~何百万円の借金を背負うことになるということができるのだ。このような状態で結婚することは可能なのだろうか。奨学金と結婚を取り巻く問題や不安について考えてみよう。


結婚する際、奨学金への不安

もちろん、奨学金の返済を抱えていると結婚ができないということはない。だが、貸与型の奨学金はあくまでも「貸与」、つまり貸してもらっているものであるので、返済期日までに返済しないと督促状が来たり、延滞金が科せられたりすることになってしまう。

また、結婚式や披露宴を行おうと考えている場合には、さらに数百万円の出費が予想されるし、子どもが生まれるとなったら子育てにもお金がかかるだけでなく、出産・育児に臨んで収入が減ってしまうことも想定されるだろう。そのような状態でさらに奨学金という莫大な負債を抱えることは、不安以外のなにものでもないと感じる人が多くても不思議はないのだ。

自分に奨学金がある場合

例えば文部科学省所管の独立行政法人である日本学生支援機構に入学金として50万円、月々5万4000円(私立4年制大学・自宅から通う)を借りた場合、月々の学資は無利子だとしても入学金は有利子(年利3.2%、日本学生支援機構の奨学金は年利3%が上限だが、入学金等の特別増額は+0.2%が採用される)となる。ホームページで公開されている返済シミュレーションによると、4年後の卒業時には総額259万2000円の借金を背負うことになると計算できるのだ。

15年かけて返済する場合

  • 最初の10年間:月々1万9339円の返済
  • 11年目~15年目:月々1万4000円の返済

もちろん繰り上げ返済をして返済期間や利息を短縮・軽減することはできるが、大きな借金を抱えて結婚することは間違いがない。これから新生活を送るにあたって、障壁ともなり得ると言えるだろう。

結婚相手に奨学金がある場合

結婚相手が奨学金の返済を抱えている場合もあるだろう。特に専業主婦となって、配偶者の扶養家族になる場合は、奨学金の返済義務は誰にあるのだろうか。婚姻期間中の利益は夫婦2人の財産となるのと同じく婚姻期間中の損失も夫婦二人に責任が生じる。だが、婚姻前の借金(奨学金)については、たとえ配偶者の扶養家族となったとしても奨学金を受けた人だけが返済義務を背負うことになる。

仮に婚姻前であっても、奨学金の連帯保証人に配偶者がなっていた場合は、奨学金を受けた本人が返済しない場合には返済義務を有することになるが、連帯保証人になっていない場合には、配偶者だから扶養者だからと言って無条件に返済しなくてはならないということにはならないのだ。

とはいうものの夫婦が困っているときに見捨ててしまうのは、なかなかできないことである。奨学金を背負ったまま結婚する場合は、結婚前にどのように返済していく予定なのかしっかりと話し合っておくことが大切だといえるだろう。

結婚するにあたって、奨学金の受け止め方

もちろん、結婚する前に全ての奨学金を返済しなくてはならないということではない。また、奨学金の返済を抱えたまま結婚することもとりたてて問題になるわけでもない。だが、結婚するということは2人で協力し合って生活していくことなので、夫婦の片方が金銭的に余裕のある暮らしをしているにも関わらず、もう片方が借金返済に苦労をするというのもあってはならないことだろう。

奨学金を抱えたまま結婚する人は、最低でも総額と返済額、どのように返済していく予定なのかを結婚相手に正直に話し、今後かかると想定されるマイホーム資金や子どもの教育費などに大きな影響を与えないようにプランニングする必要がある。

奨学金の存在が気になる場合は

どうしても自分の奨学金が気になって結婚に向き合うことができないという人や、結婚相手の奨学金が気になって結婚自体の必要性を考え直したいという人は、二人の良好な関係を長続きさせるためにも、一旦、結婚を保留にするという案も考慮してみてはどうだろうか。

個人的な債務をなくすために切り詰めた生活を行うことで、結婚したいという気持ちが因り一層強くなるだけでなく、個人的な債務をなくしてから結婚生活をスタートすることで、二人でこれから頑張っていくのだという気持ちを新たに持つこともできる。まずは二人でしっかりと話し合うことが何よりも大切なことといえるだろう。