アルマーニ
(写真=andersphoto/Shutterstock.com)

米経済誌『フォーブス』が毎年発表する世界大富豪ランキングで、2016年の総合ランキングはビル・ゲイツ氏が1位だった。今回はファッション業界の億万長者トップ10を見てみよう。日本人におなじみのあの人もランクインしている(文中敬称略)。

10位 フィリップ&クリスティーナ・グリーン夫妻 59億ドル トップショップなど保有

フィリップは1952年イギリス生まれ。トップショップやミスセルフリッジなどを傘下にもつイギリス最大のファッションチェーングループ、アルカディアのオーナー。2000年に赤字だった英量販チェーンBHSを買収したが、業績が悪化。混乱をひろげたとして2006年授与されたナイト爵位の剥奪が決定的となっている。

9位 ジョルジオ・アルマーニ61億ドル ファッションデザイナー

1934年イタリア生まれ。イタリアを代表するファッションデザイナーの1人。フェッレ・ヴェルサーチとともにミラノの3Gとして世界にその名を轟かせる。Giorgio Armaniの創立者。ミラノ医学部在籍中に兵役に召集され、中退。百貨店のバイヤーなどを経て自身のブランドを創設。

8位 サンドラ・オルテガ・メラ 64億ドル ZARA創業者の娘

1968年スペイン生まれ。ZARA創業者で衣料小売り再大手インディテックスの創業者アマンシオ・オルテガの娘。母親の死後、母の保有していたインディテックス株の90%を相続したことで、世界の富豪ランキング182位となった。

7位 アラン&ジェラール・ヴェルテメール 110億ドル シャネルオーナー

アランは1948年生まれ、ジェラールは1951年フランス生まれ。シャネル創業者の孫。兄弟でシャネルのオーナーをつとめる。フランスの馬主・競走馬生産者としてヴェルトハイマー兄弟とも呼ばれる。

6位 フランソワ・ピノー 115億ドル ケリング名誉会長

1936年フランス生まれ。グッチ、バレンシアガ、ボッテガ・ヴェネタ、プーマ、サンローランをはじめとしたファッションブランドの複合企業であるケリングの名誉会長。1963年材木業を皮切りに事業を拡大・多角化。1998年には美術品競売会社クリスティーズを傘下に。フランスの美術品、家具や現代美術などの収集家としても知られ、パリ、ベネチアに美術館を建てている。

5位 柳井正 146億ドル ファーストリテイリング会長

1949年山口県生まれ。カジュアル衣料品製造販売のユニクロを運営するファーストリテイリング代表取締役会長兼社長。早稲田大学卒業後ジャスコ(現在のイオン)に入社したがわずか9か月で退職。実家の経営する紳士服小売小郡商事に入社しカジュアル衣料品の販売をはじめた。1984年に社長に就任し、店舗を拡大した。

4位 ステファン・パーション 208億ドル H&M会長

スウェーデン出身。へネス・アンド・マウリッツ(H&M)の会長。父アーリンが創業した事業を受け継ぎ、世界的アパレルブランドに育てた。2009年に息子のカール‐ヨハン・パーションにCEOを譲り、現在は会長。同じく息子のトム・パーションも資産家でスウェーデン最大の資産家とされている。

3位 フィル・ナイト 244億ドル ナイキ創業者

1938年アメリカ合衆生まれ。ナイキの創業者で取締役会長。子会社として、コール・ハーン、コンバース、ハーレーインターナショナル、アンブロを所有する。2015年にナイキ会長からの退任を発表したが、影響力は依然として大きい。1990年代はアジアの工場での児童就労、低賃金などの批判を浴びる。2000年以降は労働環境の改善に取り組むとともに、数々のスポーツ用品をヒットさせファッションブランドとしての地位を確立した。

2位 ベルナルド・アルノー 340億ドル LVMH会長

1949年フランス生まれ。LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の取締役会長兼CEO。ルイ・ヴィトン、ロエベ、セリーヌ、クリスチャン・ディオール、ジバンシィ、ブルガリ、フェンディなど多くの高級ファッションブランドを所有。1978年に社長に就任。フランスのブランドが大きなビジネスにつながると踏み、実家の企業を担保に入れ、1984年にクリスチャン・ディオールを傘下にもつ国営繊維企業を買収し、デザイン、経営戦略の改革に乗り出した。

1位 アマンシオ・オルテガ 670億ドル ZARA親会社の創業者

1936年生まれ、スペイン出身。ZARAの親会社であるインディテックス社の創業者。現在は社長を退いている。実家は貧しく12歳から衣料品店で働いていた。そこでアパレル業界の内情に触れる。1963年に家族とともに当時流行していたガウンなどの生産をはじめ、従業員500人を抱える会社に成長させた。生産だけでは在庫問題など多くの問題があるとし、生産と販売を一貫させたシステムを考案。これがファストファッションの基礎となる。(ZUU online編集部)