corporate tax


安倍内閣の成長戦略の第2弾に関わる問題点

経済協力開発機構(OECD)の公表データによると、2014年時点の日本の法人実効税率は36.99%という値が出ていて、アメリカの39.13%に次いで世界第2位の税率なっています。今回の税率見直しは永らく続けられていた議論によるもので、日本の企業の国際競争力にマイナス効果を与えている諸外国に比べて高い法人税負担をなんとか引き下げようというものです。

安倍内閣が提言する第2弾成長戦略の目玉策として、法人実効税率を諸外国並みに引き下げるという項目がいよいよ現実味を帯びてきています。しかし法人実効税率を引き下げるにあたり、その影響があらゆるところであらわれてくるという問題点もあります。中でも外形標準課税範囲の拡大案によって中小企業が負う負担は増えるのかが問題としてあげられます。


現在の法人税納付割合

最近法人税絡みで話題となったことといえば自動車年間販売台数世界一を誇るトヨタ自動車が5年間も日本に法人税を納めていないことがあげられます。国内企業の約7割は赤字決算や節税対策効果を理由として法人税の納付をしておらず、日本で法人税を支払っている企業は全体の約3割しかないということです。したがって所得税に次ぎ、法人税が日本の税収の柱となっていることから法人税をしっかりと納付している企業に負担が偏ってしまっているのが現状なのです。

以上のことから法人税率を下げるならまずは課税対象の拡大から検討をするべきではないかという声があがるのも無理はありません。