医療の発展に大きく貢献しているサイエンス・テクノロジー(科学技術)だが、一般的には「関連性が低い」と受けとめられていることが、米ピュー研究所の調査から判明した。
性別、年齢、性質が分断性を左右するとの結果もでているが、「総体的な科学への知識や興味のばらつきが、科学の発展を妨げる要因になっている」との指摘があがっている。

科学技術に最も興味がある層は、若年・男性・オープンな性質

この調査はピュー研究所が2014年、3308人の成人を対象に、科学技術と医療に対する意識を探ったものだ。その結果、「医療に大いに関心がある」成人が37%であるのに対し、「科学技術に大いに関心がある」成人は32%。「医療と科学技術の両方に非常に興味がある」のはわずか11%であることがわかった。

年齢層では若年層(18歳から29歳)が医療よりも科学技術に強い関心を示しており、高齢層(50歳から64歳)ほど関心が医療に傾く。「最も関心のある3つのトピック」として医療を選んだ女性の割合は52%だが、男性は22%。対照的に、科学技術を選んだ男性は43%だが女性は22%。

またこの実験では心理学の「ビックファイブ理論(調和性、外向性などを基盤とした5因子モデルの性格検査)」も用い、性質的な傾向も分析された。「経験への開放性」が高いと判断された回答者の66%が科学技術への関心を強く示しており、逆に変化を厭う性質の回答者の52%が「科学技術には興味がない」と答えた。

こうした一貫性の欠落に対し、科学教育を支援する米国科学振興協会(AAAS)は様々な懸念を示している。医療分野だけではなく、人類の生活向上や経済発展という点でも科学技術の重要性に焦点があたっている近年、「科学技術離れ」がポジティブな結果をもたらさないことは明らかだ。

AAASメンバーによるサーベイでは、84%が「科学の発展という点で、関心、知識の低さが足かせとなる」と回答しており、66%が「義務教育期間におけるSTEM(科学・テクノロジー・エンジニアリング・数学)のカリキュラムが原因」と見ている。(ZUU online 編集部)

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