mynumber
(写真=bestfoto77/Shutterstock.com)

いつの間にか導入されていたマイナンバー制度。通知カードが送られてきて、12ケタの番号は受け取ったものの、一体どう使われるものなのか、今でもあまりわからないという人も多いのではないでしょうか。

実際、マイナンバーの導入にあたっては、これで行政手続きが効率化される、国民の利便性も上がるなどのメリットがあげられる一方で、さまざまな不安や懸念があったことも確かです。今回は、マイナンバーが副業をしている人にとってどのようなものなのか、考えていきましょう。

申告時にはマイナンバーの記載が必要

マイナンバーは、2016年1月から利用が開始されました。2016年分の税金に関しても、確定申告をはじめ、税務署に提出する申告書や申請書などの税務関係書類にはマイナンバーを記載する必要があります。

サラリーマンの場合は、会社が従業員に代わって行う税金・社会保険関係の書類作成にマイナンバーが必要になるため、会社への提出が求められます。また、年末調整に関して各種控除の申告書を提出する時にも、マイナンバーの記載が必要なもの、不要なものがあるので、その都度対応することになります。

このような手続きはさておき、その結果「何が変わるのか」が気になるところです。特に、「マイナンバー制度によって、こっそりやっていた副業も会社に伝わってしまう可能性がある」というのは、マイナンバー制度開始前からいわれている懸念の一つです。

もちろん、会社勤めをしていて、就業規則で禁止されているにもかかわらず副業をしているというのは、社会人としてルール違反ではあります。それでも、自分の行いが簡単にあちこちに筒抜けになるかもしれないというのは気になります。

マイナンバーで副業はバレる? バレない?

そもそも、マイナンバーが原因で、副業が会社に明らかになってしまうということは起こり得るのでしょうか。

結論からいうと、マイナンバーが理由で会社に副業がわかってしまうことはあり得ません。

マイナンバーは、内閣官房の制度解説ページに、「社会保障、税、災害対策の中でも、法律や自治体の条例で定められた行政手続きでしか使用することはできません」と書かれています。民間企業も従業員に関して各種届出書類に記載するために従業員のマイナンバーを扱いますが、マイナンバーに紐づけられた情報が役所から企業に流れることはありません。もし、そのようなことがあれば重大な情報漏洩事件です。

もっとも、副業の収入に関し、本来行うべき確定申告をせずにごまかしていた場合には、マイナンバーをきっかけに副業がばれてしまうというケースはあり得るようです。

例えば副業で20万円を超える収入がある、給与を2ヵ所以上からもらっているという場合は、サラリーマンでも確定申告が必要になります。このとき、副業もアルバイトなどによる給与所得の場合、住民税は給与から天引きされます。結果、会社はその住民税額から個人のおおよその収入を推測することができるため、その額に明確な差があれば「何か副業をしているのでは」と疑う大きな理由になります。ただし、副業が給与収入以外の場合には、確定申告時に給与から天引きされる特別徴収でなく、自分で納める普通徴収を選択できるため、会社に知られないようにすることは可能なようです。

マイナンバーと副業について簡単に説明しました。たとえ副業をしていても、マイナンバーがあるからといって特別な対応が必要なわけではありません。するべき対応をしっかりと確認し、自分の資産の動きを把握していきましょう。(提供: IFAオンライン

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