セルフメディケーション関連銘柄
(写真=PIXTA)

今年1月から新たに医療費控除の特例制度「セルフメディケーション」が開始した。特定の医薬品の購入費用に対して所得控除を受けることができる。市販薬の利用増につながる可能性があり、医薬品やドラッグストアなどの関連銘柄の動向が注目される。

セルフメディケーションは、国の医療費抑制のために、患者が自分で医薬品を購入して治療することを促す制度。医療用から転用された特定成分を含む医薬品 <スイッチOTC医薬品> を年間1.2万円を超えて購入した際に、超過分の金額(上限金額8.8万円)について所得控除を受けられる(従来の医療費控除との併用は不可)。2017年度の確定申告から適用される。

制度を利用するには定期健康診断を受けているなどの条件があるものの、対象となる医薬品は1555品 <12月16日時点> と幅広く、武田薬品工業 <4502> の風邪薬「ベンザブロック」や第一三共 <4568> の胃腸薬「ガスター10」など定番薬も含まれるため、多くの人が活用できる。

大正薬Hなど追い風

医薬品メーカーでは特に、市販薬大手で風邪薬「パブロン」シリーズや、水虫治療薬「ダマリン」が控除の対象の大正製薬ホールディングス <4581> に魅力がある。また、「サロンパスEX」が対象となる久光製薬 <4530> や、ゼリア新薬工業 <4559> などにも恩恵がありそうだ。

花粉症シーズンが近いことを踏まえると、目薬が対象となるロート製薬 <4527> や参天製薬 <4536> も狙い目だ。2月上旬にも一部地域でスギ花粉の飛散開始が予想される。昨年12月には厚生労働省が花粉症などのアレルギー疾患に関する初の基本指針案をまとめるなど、対策機運も高まっている。

ドラッグストアや卸といった、流通業にも「追い風になる」( ココカラファイン <3098> のコーポレートリレーション部)。医薬品卸で制度の対象となる自社医薬品も持つアルフレッサホールディングス <2784> や、積極出店を続けるクスリのアオキホールディングス <3549> 、ツルハホールディングス <3391> など、高齢者の多い地方ドラッグストアに注目したい。

家計簿アプリも関心

さらには、いわゆる「家計簿アプリ」の関連銘柄も見逃せない。確定申告をするためには薬品を購入したレシートを管理する必要があり、レシートを電子化して保管するツールが便利だ。

ブレインパッド(3655)は、レシートを撮影して管理することができる無料家計簿アプリ「レコレコ」を手掛ける。

TKC <9746> は、銀行口座の明細や電子マネーなどを一元管理できる「Moneytree」のサービスで知られるマネーツリー社(東京・渋谷)と業務提携している。(1月13日株式新聞掲載記事)

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