住宅金融支援機構(東京都文京区)が今年10月から開始した住宅ローン「フラット35リノベ」の利用が立ち遅れている。10、11月の2カ月で申込件数は11件。うち、審査を通過し利用されたのは1件にとどまる。
フラット35は、長期固定金利の住宅ローン。新築住宅の建設・購入や中古住宅の購入時に利用することができる。フラット35リノベは性能向上リフォームを行った中古住宅を取得する際、フラット35から、5年または10年間、0.6%金利を下げられるというもの。「省エネルギー性」「耐震性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」のうち、いずれか1つの性能向上リフォームを実施。定められた基準をクリアすることが条件となる。
同事業の担当者は「まだスタートしたばかりで、事業者、ユーザーの方への認知が進んでいないのが現状。来年以降、プロモーションを強化していく」と話す。
しかし利用が進まない理由には、性能向上リフォームのハードルの高さもありそうだ。ある建築事業者は、「いくら金利が安くなると言っても、基準をクリアするために追加工事をすれば、金利で安くなった分より、追加工事費用のほうが高くついてしまうことも珍しくない」と話す。
また基準を満たしているか検査する際も料金が発生するため、コストはさらに増してしまうという問題もある。
フラット35リノベが他のリフォームローンと比べ、金利が安いのは事実。性能向上リフォームをする際には、活用したい。(提供: リフォーム産業新聞 2016年12月20日掲載)
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