テレビのCMなどでたくさん紹介されて、貸金業者に借金をしていた人たちへの希望にもなり、そして大きな流行となった過払い金の請求。 いったいなぜ、貸金業者に借金をした人たちの多くがこの過払い状態になっていたのか?

そして、なぜ長い間放置されていたにも関わらず、ある時を境に一挙に返済される流れとなったのか? 今回はその過払い金請求の正体、それが流行した理由、過払い金請求をするメリットとデメリットについて紹介する。

目次

  1. 過払い金とは
  2. 過払い金請求はなぜ流行したのか
  3. 過払い金請求期限
  4. 過払い金請求のメリット
  5. 過払い金請求のデメリット
  6. 弁護士事務所に相談

過払い金とは

「過払い金」とは,利息制限法の金利を超えて支払ってしまったお金のことである。その支払い過ぎた金額を計算して裁判所などを通じて返還請求すると、支払いすぎていたお金を取り戻すことができる。 大雑把だが、借入期間が5年以上で金利が18%以上の場合、過払い金が発生している事が多い。

「過払い金」が発生する原因は、「利息制限法」と「出資法」の2つの法律が関わっている。 利息制限法では金利の上限は15~20%と定めてられており、その上限を超えた金利を定めると、法律によって無効となる一方、出資法は刑事罰となる金利の上限を決めている。こちらの上限は29.2%である。 この2つの法律の金利には開きがあり、その部分で「過払い金」が発生する。

過払い金請求はなぜ流行したのか

貸金業者では金利を利息制限法ではなく出資法の金利を採用して取り立てをしていた。 ところが2006年1月に最高裁が利息制限法の上限を超える金利は原則的に無効である旨の判決を出したことにより、多くの貸金業者が違法となり、そこから過払い金請求の流行が始まった。

また、弁護士にとっては過払い金請求はおいしい仕事という事情も含まれている。請求するための手続きは、依頼人に関わらず、ほぼ同じであることが多く、そのためルーチンワークで処理できるという特徴がある。

さらに請求をしてお金が戻ってきた場合、多くの依頼人は借金に苦しんでいたこともあって、弁護士に感謝をして依頼料の支払いを渋る人はほとんどいなかった。そのため、弁護士にとっては確実に報酬が得られる仕事として見なされていた。

過払い金請求期限

過払い金の請求の期限は10年である。そのため、すでに貸金業者からの借金を完済された人でも、通常は最後に支払いを行った日付から10年以内であれば、過払い金請求をするとお金が戻ってくる場合がある。 最後の支払いをした日付から10年以上が経過してしまうと、その借金への過払い金の請求が難しくなるが、その後に同じ貸金業者から再度借金をした場合は話が変わる。

例えば、11年前に借金を一旦完済して、その1年後に同じ業者から再度借金をした場合は、完済した借金への過払い金請求が行える。借金の返済途中で同じ業者から再度借金をした場合、最後の返済の支払いから10年以上過ぎていなければ、全ての謝金に対する過払い金返還請求することが可能となる。

ただし、途中で借金の完済をした日から、次の借金の申し入れまでの期間が長い場合は、連続した支払いとは見なされずに請求できないことがあり、この期間については裁判所での判決次第になる。

過払い金請求のメリット

何よりもまず「お金が戻ってくる」というメリットがある。過払い金は文字通り「支払い過ぎたお金」なためそれを取り戻すことは自身の正当な権利である。 また、貸金業者と対立したからブラックリストに載るという心配をする人がいるが、そうしたことは一切ない。

ブラックリストは返済が滞ったり、不能に陥ったりした人の情報が記載されるリストである。そのため、借金を返済していれば載ることはない。仮に貸金業者からお金を取り戻しても、その腹いせとしてブラックリストに名前が載る、ということもない。

コレもメリットの1つである。 複数の貸金業者から借金をしている場合、取り戻した過払い金は何に使っても自由なので他の借金の返済に使用する事ができる。そのため、自身が抱えている他の借金の軽減ができるというメリットもある。

過払い金請求のデメリット

デメリットとして、申し込んだ借金の金利が15%~20%を超えていなければ過払い金は発生しない。そのため、直近の貸金業からの借金や銀行の住宅ローンなどでは発生しないことがある。 過払い金請求した貸金業者から借金ができなくなる事がある。

ただし、借りられないのはその業者だけなので、他の貸金業者からは借金をすることはできる。 貸金業者が倒産した場合、破産など倒産をした方法によっては、返還額が大幅に減ることがある。

一度、過払い金請求をすると、その結果にかかわらず、二度と同じ貸金業者へは過払い金請求をすることはできない。そのため過払い金請求をするときは弁護士など専門家に相談して十分に考えてから行ったほうがよい。

弁護士事務所に相談

過払い金とは「利息制限法」と「出資法」の2つの法律の金利によってできた隙間であり、それが裁判所で違法と認められたこと、さらに弁護士にとってはルーチンワークで対応できて、報酬も確実に得られるためにおいしい仕事出会ったこともあり、過払い金請求が大きな流行となった。

過払い金がある場合はそれを請求するのは当然の権利であり、請求してもブラックリストには載らないというメリットがあるが、同時に請求した貸金業からは借金できなくなるデメリットも有る。 もし今、過払い金がある場合は、近くの弁護士事務所に行って相談してみたはいかがだろうか?