英ボーンマス大学が世界25カ国で過去10年間にわたり実施した調査から、「子どもは教室で靴を履いていない時の方が素行もよく、学力もあがる」という意外な結果が報告された。

この調査結果をうけ、英国では徐々に素足教育(正確にはスリッパ)を導入する小中学校が増えており、目を見張る効果をあげているという。

「素足でリラックス」がポイント 実践校は絶賛

ボーンマス大学の研究者はこれまで英国、オーストラリア、ニュージーランドなどで何千人という児童をモニタリングし、教室から靴を排除することがリラックスした環境創りに貢献する事実を発見した。

この発見から「リラックスした環境で授業をうけている生徒は素行もよく、集中力があり、その結果学力テストにも反映される」という理論が生まれた。ボーンマス大学はこの理論を立証するために、早期段階に素足教育を導入したロンドン西部の学校の生徒の学力を大学時代まで長期間にわたって分析。その結果、素足教育の効果が証明された。

国際学力ランキングなどでは近年順位の降下が気になるところだが、長年にわたり高水準な教育が評価されているスカンジナビア諸国の学校では、素足教育が定着しているという。

素足教育を実践している英国では完全に素足ではなく、登校後はスリッパに履き替えるというシステムが一般的のようだ。素足教育ならぬスリッパ教育といったところだろう。

英ガーディアン紙の取材に応じたダービー州のフィンダーン小学校のミッシェル・ホール副校長は、スリッパ教育導入以降、素晴らしい効果をあげていると大絶賛。同校の生徒はもともと素行がよかったそうだが、「よりドタバタ騒ぎが減り生徒が温厚になったのが実感できる」とコメントしている。

また英教育関連リクルート会社、CAPITAの情報によると、スペインの一部の学校でも、同様の実験から効果が報告されている。研究報告書を作成したボーンマス大学新メディア環境部のステファン・ヘッペル教授は、「床掃除の回数を減らし備品を痛めにくという点でコスト削減にもつながると」と、素足教育の経済的効果も挙げている。(ZUU online 編集部)