会社が安定し順調に成長してきたら、経営者としての次の目標は、一緒に頑張ってきた従業員らの福利厚生の充実や、退職金制度の整備と考える人は多い。一口に退職金といっても、その積立方法は様々である。どの積立方法にも共通しているのが時間と資金が必要だということであるが、会社の規模や資金状態などを考慮しつつ、適切な方法を選択することが求められる。 そこで今回は退職金の積立方法について解説し、さらにフリーランスなど会社に所属していない人にとっての退職金の積立方法についても説明してきたい。

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(写真=PIXTA)

目次

  1. 退職金の積立とは
  2. 退職金準備に最適な保険とは
  3. 退職金積立金が不足した場合の対処
  4. 個人事業主やフリーランスの積立方法
  5. 退職金積立制度は様々な種類がある

退職金の積立とは

退職金の積立を考えるにあたり、経営者が最初に知らなければならないことは、「何も制度を利用せずに、退職金の積立を貯蓄だけで行うのは不可能」ということである。 その理由は「退職金の積立には法人税がかかってしまう」ことを始め、「退職金の資金を取り崩さなければならないリスク」や「退職金を支払ったら多額の損金が発生して経営が赤字になるリスク」があることなどが挙げられる。 そのため、退職金の積立には保険などの制度を利用するのが一般的である。

その制度には、主に「小規模企業共済」や「長期平準定期保険」、「終身がん保険(福利厚生プラン)」などがあるが、それぞれの制度にはメリットとデメリットがあり、会社に適したものを選ぶ必要がある。例えば「終身がん保険(福利厚生プラン)」の場合、メリットとしては、退職金の支給方法に解約返戻金を用いる方法や、保険そのものを払済保険にして退職する従業員に名義を変更するなど、様々な支給方法があることが挙げられる。 逆に解約返戻金は、最大で90%程度しか戻ってこないというデメリットもある。

退職金準備に最適な保険とは

企業の経営状況によっても異なるが、「小規模企業共済」は退職金の準備を行うために適切な保険の1つに挙げられる。 これは個人事業主を始め、会社の経営者個人が加入できる保険なため、会社の資金から積み立てることはなく、経営者自身の収入から退職金の積立を行うという特徴がある。 また、月々の掛金は、1000円~70000円の範囲内で、500円単位で設定が可能である。

この小規模企業共済のメリットとしては「会社が掛金を従業員の給与として支給すると、損金として会計上の処理ができる」ことや、「経営者個人の掛金に対しては所得税を必要としない」こと、「契約者貸付制度を利用できる」ことなどが挙げられる。反対にデメリットもあり、「加入してすぐにお金を得ることはできず、20年以上経過しないと、掛金の全額が戻ってこない」ことや「掛金を途中で減額すると、減額した分は運用されなかったと見なされてしまう」ということがある。

退職金積立金が不足した場合の対処

退職金の積立を開始したはいいが、途中でそのためのお金が不足することがある。その場合の救済策としては以下の制度を利用すると良い。 1つ目は「確定給付企業年金」である。これは適格年金制度と似た制度であり、退職後の給付額を保証してもらえるという利点がある。ただし、受給権を保護するために様々な規制がなされたため、積立金の不足が発生した場合に掛金の引き上げや追加拠出といった予想外の出費が発生する恐れもある。

2つ目は「確定拠出年金」である。会社が従業員一人ひとりに対して負担する金額を先に決めておき、従業員は運営会社が用意した複数の投資信託から投資先を決めて各自で運用する制度で、アメリカでブームを巻き起こした401Kという制度を模倣して生まれた。「退職への給付債務が発生しない」ことや「従業員に退職金の存在を実感させやすい」というメリットがある一方で、「途中で規則が変更になったら従業員へ通知する義務がある」というデメリットがある。

個人事業主やフリーランスの積立方法

個人事業主やフリーランスは会社に所属していないため退職金は不要とも思われるが、節税や万が一の保険として積み立てをする場合もあるだろう。個人事業主やフリーランスは「中小企業倒産防止共済」を利用するとよい。これは「小規模企業共済制度」と同じように、国が管理している共済制度の1つである。「中小企業」という名前がついているが、企業だけでなく個人事業主やフリーランスでも加入できる。毎月の積立金を5000円~20万円の間で任意に設定することができるが、掛金を減額する際には、そのための正当な理由が必要となる。また、積立金額は全て経費として扱うことができる。

この「中小企業倒産防止共済」は退職金のための制度というより、経営が傾いた際のセーフティ共済という面が強いが、退職金の制度としても用いることができる。 ただし注意点としては、小規模企業共済制度と同様、積立期間が12か月未満であったときは掛け捨てになることや、事業の継続期間が1年以上ないと加入できないことが挙げられる。

退職金積立制度は様々な種類がある

会社として退職金の積立を開始しようと思い立ったときは、営業活動で生まれた利益から貯蓄を行うことはせずに、退職金の積立を行うために利用できる制度を調べることから始めよう。 そうした制度は複数あり、それぞれにメリットとデメリットがあるため、その内容を詳しく知り、会社の経営状況と照らし合わせながら最も適した制度を見つけることが重要である。 また、個人事業主やフリーランスのための退職金積立制度もある。こちらは積立以外にも節税として利用できるので、ぜひ活用することをおすすめする。(ZUU online編集部)

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