ほぼ日,IPO,新規上場
(画像=Webサイトより)

ここ数年でIPO市場は盛り上がりを見せているが、その流れは2017年も続いている。そんな中で、ほぼ日刊イトイ新聞という人気Webメディアで知られる株式会社ほぼ日が上場する予定となっている。

ほぼ日はWebメディアの他、手帳をはじめとする文房具などを販売する企業として若者を中心に人気が高い。また芸能人が多く登場するコンテンツを運営していることから話題性も抜群だ。

成長性に関わらず、需給がよく話題性のある企業のIPOでは株価が上場後に大幅に上昇することがある。

本記事ではほぼ日の事業内容のご紹介と同時に上場に伴う需給分析などをしてみよう。

事業内容はメディア、物販、店舗運営……

代表取締役の糸井重里氏の運営するブログ「ほぼ日刊イトイ新聞」には、本人の記事ほか様々な人たちとのインタビューや対談記事などを掲載している。ブログ開始以降、1日も休まず運営しているようだ。同時にWebメディア以外にも、ロフトなどで手帳部門の売り上げが12年連続ナンバー1を誇る「ほぼ日手帳」をはじめとした文房具を販売している。付箋やテープ、ノートやペンなどのデスク周りの役立つ文具も同時に展開している。

2016年から開始した犬、猫、人が仲良くなるためのアプリである「ドコノコ」が話題。アプリをダウンロードしてもらい、動物ブックをユーザーに作ってもらう形となっている。ユーザーがコンテンツを広場に投稿することも可能だ。

店舗・ギャラリー・イベントスペース「TOBICHI」企画・運営業も展開。ページ内に食品、バッグ、洋服などの常設ショップも展開している。

ユーザー、様々なお店、ほぼ日の3者をウェブメディアを通して繋ぎ、相互に関わり合いを持たせることで相乗効果を持たせてマーケティングへとつなげているようにみえる。

なお糸井氏自身は、企業を経営するコピーライターとしての顔も持つ。ジブリ作品をはじめとしてさまざまなコピーなどを手掛けている。もののけ姫の「生きろ。」、千と千尋の神隠しの「トンネルのむこうは不思議の町でした。」なども有名。

ほぼ日の業績推移は?

業績は堅調に推移。小売業ということもあり、爆発的な利益の伸びはないものの堅調に右肩上がりの印象だ。

2017年度は一株利益も前年度を上回る見込みである。一株利益を見てみると2016年の実績値が152.71円となっている。

気になるのが売上高構成が手帳に寄っている点だ。同社の目論見書によると、昨年8月期の売上高37億6700万円のうち、手帳が26億400万円と実に約7割を占めているのだ。書籍やその他商品の売り上げが8億2800万円で22%、その他が3億3400万円で9%弱だ。

地域別売上高では、日本が83.3%だが、中国で10.1%、米国で3.1%など海外でも売り上げがあるようだ。

上場時の想定株価2300円で計算すると、割安指標のPERは2016年実績値ベースで15倍程度だ。ただし株価が上場時の初値で2倍程度にまで上昇するような場合には、PERは30倍と小売業としてはPERが高くなることも予想される。

小売りセクターは業績や話題性からいうとIPO市場では不人気業種にあたる場合が多い。しかし、ほぼ日の場合にはメディアの側面が強いため話題性で株価が大幅に上がることが予想される。

話題性を中心として株価が異常値をつける場合には、業績面からの初値の割高・割安を判定することも忘れずに行っておきたい。

ほぼ日のIPOに関する情報

上場市場は、東証ジャスダック市場が予定されている。該当する業種は小売業で、上場予定日は3月16日だ。

公募株式の総数は40万株と決して多くはない。IPOにおいては小売業は注目度がそれほど高くない業種であるが、ほぼ日の場合、メディア事業の影響度が強く単純な小売でないことや企業の話題性の強さから注目度は非常に高いと言える。

通常であれば、このような株式の上場初日の値段は高くなる傾向がある。IPOの公募段階でほぼ日の株式を取得できれば、利益も大きなものとなるだろう。

また初値がついた後であるが、ベンチャーキャピタルの保有比率がゼロである点もポイントだ。大株主に企業内の株主や個人投資家が多くベンチャーキャピタルがない場合には、上場後にも株価が堅調に推移することも多い。短期的な株価の下落圧力要因がない点はほぼ日の上場後の株価推移にとってはプラスに働きそうだ。

ただし、初値が一気に倍化するような場合には、公募組の売り注文が初値形成時に殺到することも考えられるため、新規の買いは慎重に行いたいところだ。

話題のIPOとして注目しておこう

ほぼ日はウェブサイトを確認しても興味深いメディアであることは間違いない。ただ、他のメディアにありがちな広告収入頼みでなく、文具を中心とした小売り面での売上が絶好調なことはこれまでのメデイア系IPOにはない持ち味があるとして、投資家から大きく評価されるだろう。いずれにせよほぼ日は2017年前半のIPO市場では注目度の高い銘柄といえそうだ。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学を卒業後、証券会社において証券ディーリング業務を経験。2級ファイナンシャルプランナー。Yahoo!ファイナンスの「投資の達人」においてコラムニストとしても活動。2015年には年間で「ベストパフォーマー賞」「勝率賞」において同時受賞。ネットマネーや日経マネーと言った経済雑誌での執筆活動も行う。個人ブログ「インカムライフ.com」を運営。

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