宅急便,運送業,ヤマトHD
(写真=Tupungato/Shutterstock.com)

人手不足に苦しむ運送業界に一石が投じられる。23日、最大手のヤマトホールディングス <9064> が宅配便の総量抑制に乗り出す可能性が浮上した。株式市場では、人件費などのコスト負担軽減への期待から同社や同業他社の株価が上昇。これをきっかけに、物流拠点の自動化や配車管理システムの関連銘柄にも物色の勢いが波及しそうだ。

今年の春闘の労使交渉に入っているヤマトHD傘下のヤマト運輸では、労働組合側が宅配便の荷受け量の制限を求めたもよう。ドライバー不足の深刻化による長時間労働の常態化に歯止めを掛けたい考え。ヤマトHDの広報室は、「決定した事実はない」としている。

ネット通販の拡大を背景に、宅配便の取扱量は増加傾向。それに伴い膨らむ残業代などの人件費が運送会社の収益を圧迫している。ただ、最大手のヤマト運輸が選別受注に踏み切れば、業界の流れは「量から質」へと変化し得る。値上げにもつながるとみられ、業績改善が予想される。

この日はヤマトHDが一時前日比8.3%高の2464円まで買われたほか、日本通運 <9062> やセイノーホールディングス <9076> も上げ幅を広げる場面があった。また、ヤマトHD傘下のエキスプレスネットワーク社と共同事業を展開する岡山県貨物運送 <9063> も、思惑買いで急騰した。

効率化支援のダイフク、日シス技術などに関心

一方、ヤマト運輸労組の動きは、運送業界の悲鳴とも言える。荷受け抑制に限らず、業務の効率化が喫緊の課題だ。搬送システム最大手のダイフク <6383> は、高速自動仕分け装置などの庫内業務の自動化設備に注力する。

運送業者向けの配車システムでは日本システム技術 <4323> 、日本通信 <9424> 、東計電算 <4746> あたりが有力。このほか、宅配ボックスでアルファCo <3434> 、ドローン <小型無人飛行機> で石井工作研究所 <6314> 、ドーン <2303> 、イメージワン <2667> などが関連銘柄として注目される。(2月24日株式新聞掲載記事)

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