現金払い,マイホーム,還付金
(写真=PIXTA)

年末調整、確定申告そんな時期は、住宅を現金で購入した人には何の恩恵もないと不公平感を持っている方もいるのではないだろうか。

しかし、現金で購入した場合も税金が還付されることもある制度があるのだ。「現金で購入する人なんているのだろうか?」と思う人もいるだろうが現に、確定申告の中高年の一部にはそのような方が実在しているのだ。また住宅のリフォーム工事であれば現金払いという人もいそうだ。

購入した家が認定住宅だった場合

すでに奥にしまっているかもしれない住宅購入時の資料をまずはみてみよう。東京都知事から「認定通知書」が発行されていれば、認定住宅の新築等をした場合(認定住宅新築等特別税額控除)という制度が受けられる。

認定住宅新築等特別税額控除の適用要件は、認定住宅の新築又は建築後使用されたことのない認定住宅の取得であること、そして新築または取得の日から6カ月以内に居住の用に供していることが前提となる。

そのほかの要件として、この税額控除を受ける年分の合計所得金額が、3000万円以下であること。新築又は取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が自己の居住の専用であることが、すべてそろっていて初めて控除が受けられる。

ローン控除と違い、何年も控除が受けれる制度では残念ながらない。控除期間は、基本的に居住年のみだけである(控除しきれない場合のみ翌年に繰り越せる)。いわゆる投資型減税と言われている。

認定住宅の控除額の計算

2014年4月1日から2019年6月30日までに居住した場合、控除額は、認定住宅の認定基準に適合するために必要となる標準的なかかり増し費用の10%である。認定住宅の標準的なかかり増し費用とは、2014年4月1日から2019年6月30日までの間に居住の用に供した場合(対象は認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅)、認定住宅の構造の区分にかかわらず、1平方メートル当たり定められた金額(43800円)に、その認定住宅の床面積を乗じて計算した金額となり650万円が限度となる。

「知らなかった」今からでは遅いのか?

この仕組みを知らなかったから申し込んでいないという人もいるだろう。しかし過去5年分の確定申告をやり直せる「更生の請求」という制度がある。法定申告期限5年以内の確定申告をやり直し税金の還付を受けることができる制度であるのだ。必要書類をきちんとそろえておけば期限が過ぎても控除を受け還付を受けることができる。

必要書類は、長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し、その年(居住した年の)給与所得者の場合は、給与所得の源泉徴収票、事業者の場合は確定申告書の写し、住宅用家屋証明書若しくはその写し又は認定長期優良住宅建築証明書家屋の登記事項証明書、工事請負契約書の写し、売買契約書の写しなどを用意する必要がある。

他にも住宅のリフォーム工事や耐震工事等でローンを組まなくても控除(税金が還付される)を受けれる制度がある。何か、住宅に関連する大きな工事をした場合、該当するか、必要書類はあるか等同時に不動産会社にたずねてみるといいだろう。

眞喜屋朱里(税理士、眞喜屋朱里税理士事務所代表) この筆者の 記事一覧