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(写真=The 21 online)

電子たばこ市場が急成長している裏で、キューバ産の葉巻市場も拡大中であることが判明した。2016年の売上は観光客の増加などが追い風となり、5%増の4億4500万ドル(約507億8340万円)。高級品市場の低迷に加え、世界最大の葉巻市場である米国への進出を果たしていないにも関わらず、異例の快進撃といえる。

世界最大の葉巻イベント「プロシガー」

カリブ諸島で毎年開催されている世界最大の葉巻イベント「プロシガー」。第10回目となった今年はドミニカ共和国で2月17日から24日まで開催された。ダビドフなど一般的なたばこ喫煙者にもお馴染みのメーカーから、ジェネラル・シガー、ケサーダ・シガーといった国際葉巻メーカーが集結。葉巻に関するディスカッションや試喫・販売が、イベントの目玉となっている。

このイベントでロイターの取材に応じたキューバ葉巻メーカー、ハバノスの開発部のヴァイス・プレジデント、ハビアー・テロス氏は、総体的に高級品の売上低下が目立っているにも関わらず、キューバ葉巻が順調に売上を伸ばしている点に満足感を示した。

1箱3422万円の超高級葉巻も

高級嗜好品としてのイメージが強い葉巻だが、数ある葉巻の中でも最高級品といわれるキューバ葉巻は実際にどれほどお高いものなのだろう。

オンライン葉巻サイト「Cigars-of-Cuba.com」では、25本で85ドルから307ドル(約9699円から3万5031円)で販売されている。一般的なたばこと比較するとかなり割高になるが、ちょっとした贅沢と考えれば手を出せない範囲ではない。

しかし例えばコヒバ(Cohiba)というブランドの葉巻では15本3500ドル(約39万9245円)、あるいは50本30万ドル(約3422万円)という、庶民にはどう転んでも手の届かない最高級品もある。

いずれにせよ葉巻に「気軽にちょっと一服」が適用されない雰囲気が漂っていることは、疑う余地がなさそうだ。

キューバ葉巻に立ちはだかる米市場進出の壁

欧州やアジア太平洋地域市場には広く出回っているキューバ葉巻には、米国市場進出という大きな壁が立ちはだかっている。米国による輸出入禁止措置が原因だ。1960年の砂糖輸入停止を皮切りに、1962年以降、米国へのキューバからの輸入がほぼ完全に廃止された。

1990年代に入り、W.ブッシュ政権、クリントン政権下では制裁がさらに強化される。当時はキューバ系米国人によるキューバへの渡航や送金までもが制限されていた。

2009年にオバマ政権が経済制裁を緩和し、昨年10月からは個人消費目的という条件つきで葉巻やラム酒を含むキューバの名産物の無制限持ちこみを認めた。これによりキューバを訪れる米観光客の葉巻購入量も増えているという。

新政権がこの緩和を見直す可能性が報じられていることから、キューバ葉巻の米市場進出の希望はおろか、米観光客による需要にも不透明感が漂い始めている。しかし他国の葉巻ファンから絶大な支持を得ていることはすでに証明済みだ。キューバへの観光客は昨年200万人を突破した。

女性も葉巻を吸ってみたい?アジア圏のCAGRは10%を突破

意外なことに女性の葉巻愛好家も増えているため、今後は女性をターゲットにした市場戦略も視野にいれていくそうだ。

テロス氏は「マイルドな味わいの小さ目サイズの葉巻の販売などではなく、本物の葉巻を求める女性が多い」とコメントしている。

国際市場リサーチ会社、グローバル・インダストリー・アナリスツは、世界の葉巻市場が2020年までに199億ドル(約2兆2726億円)に達すると予想。葉巻に魅せられた根強い喫煙家からの支持は勿論、たばこよりも税制面などで規制が緩いという点が有利に働く可能性は高い。

2015年のデータではアジア圏の葉巻市場が10.2%と最も高いCAGR(年平均成長率)を記録しており、今後も急成長が継続すると期待されている。欧米の葉巻市場は今後も堅調な伸びを示しそうだ。(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)

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