不妊治療
(写真=ESB Professional /Shutterstock.com)

不妊治療に関する最近の調査で、不妊治療を受けている人は、女性だけでも全国に約40万人いることが分かった。F Treatmentが運営する「不妊治療net」の調査では女性患者の3人に1人が首都圏在住だ。近畿を加えると全体の半数を超え、患者が都市部に集中する実態が明らかになっている。

調査では、不妊治療をまだ始めていない潜在層も含めると女性だけで全国で約109万人いると考えられるほか、男女合わせると顕在化している患者数と潜在層合わせて、約170万人いると考えられるという。

不妊治療を受けている女性は全国に約40万人

子どもが欲しいのにできないという悩みを持つ人は少なくない。現在ではさまざまな不妊治療の方法があり、不妊に悩む夫婦に希望の光を投げかけているが、不妊治療患者数と病院数の最近の調査では意外な事実が明らかになっている。

ここでいう「不妊治療」とは、病院など医療機関の診断・指示を受けた上で行なう治療のことを指しており、定期的に通院して排卵日を予測して医師から夫婦生活の最適なタイミングをアドバイスしてもらう「タイミング法」もそこには含まれる。

40万人という数字は多いのか少ないのか容易には判断しかねるが、参考までに2016年に発表された国内の透析患者数を挙げておくと、2014年末時点で約32万人となっている(日本透析医学会調べ)。単純に比較はできないが、不妊治療の患者数40万人というのは相当に多い数だといえそうだ。

不妊治療の「潜在層」は女性だけで約69万人もいる

さらに、同調査では、「不妊治療に対するニーズはあるけれど、不妊治療をまだ始めていない潜在層」として、女性だけで約69万人いると推測。つまり、実際に不妊治療を受けている患者数の約1.6倍もいることになる。

ここでいう「潜在層」には、不妊治療の検討者数のほか、不妊治療を検討する可能性のある人も含まれる。潜在層がこれほどいるにもかかわらず、実際に不妊治療を受けているのが40万にとどまっているのは、ニーズがある状態から実際にアクションを起こすまでの間に何らかのハードルが存在するということだろう。

それが、経済的なものなのか、心理的なものなのか、あるいは周囲の人間関係や生活環境の問題なのかは分からない。これについては今後のさらなる調査を待ちたいところだ。

なお、不妊治療を受けている人とその潜在層について、男女を合わせた調査では、総計170万人いると推測されており、これもかなりの数字となっている。

不妊治療を受けている女性は首都圏に集中

調査では、地域別の不妊治療患者数(女性)も調べている。それによると、全国の約32%(約13万人)が首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に集中していることが分かっている。一方、近畿は全国の23%を占めており、両者を合わせると実に55%にも達する。つまり、不妊治療を受けている女性の半分は都市部にいることになる。

比較として20歳以上の女性人口を見てみると、28%が首都圏に、17%が近畿在住となっており、合計で45%となっている。つまり不妊治療を受けている女性の割合より10%も低いわけで、これを考えると、首都圏には他の地域と比べて特に、不妊治療を受けている患者が集中しているといってよさそうだ。

都市部で問題となりそうな不妊治療の病院不足

そのように不妊治療のニーズの高い都市部で問題になっているのが病院不足だ。

同調査では、不妊治療を受けている人と病院・クリニックの数を照らし合わせて、1病院あたりの患者数を算出しているが、それによると、全国平均の436人に対し、近畿では552人、首都圏では525人と、100~120人前後の超過となっている。

ここから、首都圏や近畿などの都市部では、不妊治療のニーズに病院数が追い付いていない可能性がうかがえる。ほかに、九州も465人とやはり全国平均を超えており。相対的に病院数が不足しているといえそうだ。

同調査は、不妊治療潜在層が不妊治療に取り組んでいない理由について、その背景にさまざまな問題があると考え、今後そこのところも調査していくとしている。ただ、不妊治療を阻むハードルがクリアされたとして、病院が足りないというのでは仕方がない。

逆に言えば、病院・クリニック側にとって不妊治療はおおいに“伸びしろ”のある分野ということになり、有望な医療市場がそこに広がっているといえよう。その点でも、同調査の続報に期待したいところだ。(ZUU online 編集部)

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