インターン,就活,内定
(写真=PIXTA)

学生のインターンシップ人気は高まっており、今や就職活動への導入として欠かせないものになりつつある。一方、制度を導入する企業ではインターンシップをどのようにとらえ、どのように取り組んでいるのだろうか。

参加する学生は年々増えている

企業のインターンシップに参加する学生が増えている。インターンシップといえば業界体験、職場体験のための制度であるのはもちろんだが、最近の学生にとっては就職活動の始まりであるという認識が強くなっているようだ。

具体的な調査結果を挙げてみよう。新卒就職支援サイト「キャリタス就活」を運営するディスコの調査によると、2018年卒業予定の学生モニターのうち「インターンシップのプログラムに参加したことがある」と答えた学生は全体の81.3%(「キャリタス就活2018 学生モニター調査結果」2017年1月調査)で、実に8割以上がインターンシップに参加したことがあるという結果となった。

また同社の「インターンシップに関する調査」(2016年4月発行)では、2013年卒~2017年卒予定の学生モニターにインターンシップ参加経験の有無を調査している(各年とも3年生11月)。それによると、2013年卒予定のインターンシップ参加経験者は44.2%だったが、2014年卒では52.5%、2015年卒が56.9%、2016年卒が68.6%、2017年卒が74.6%となり、年々増えていることが分かる。

インターンシップは就職活動の場?

インターンシップに参加する学生が増えた理由の1つとして、「就職活動に直接結びつく(と考えている)から」という点が挙げられる。実際にどれくらいの学生が、インターンシップを就職活動へとつなげているのだろうか。

先に挙げた「キャリタス就活2018 学生モニター調査結果」では、インターンシップ参加後の企業からのアプローチについても調査している。アプローチの有無については、76.9%が「アプローチを受けた」と答えている。アプローチの内容として多かった回答は「限定セミナーの案内」60.0%、「限定インターンシップの案内」44.8%などだった。少数回答では「リクルーターからの接触」5.9%、「内定」2.8%なども見られる。

インターンシップに参加することで、半数以上の学生が企業から何らかのアプローチを受けている。さらに、企業から個別の接触があったり、内定を得たりする学生もいるのだから、インターンシップが採用活動の場になっているケースは多々あると言っていいだろう。その事実を知った学生たちが積極的にインターンシップに参加するというのは、いたって自然な流れだ。

多様化するインターンシップ

インターンシップに参加する学生が増えている理由としては、導入する企業が増えたことも挙げられる。政府もインターンシップの普及推進を進めており、大手を中心に制度の充実が図られている。また普及にしたがって制度の多様化も見られるようになった。

インターンシップはその期間によって分類できる。1日のみの「ワンデーインターン」、3日~1週間程度の「短期インターン」、2週間から1カ月程度の「中期インターン」、1カ月~1年程度の「長期インターン」だ。

ワンデーインターンや短期インターンでは、セミナーや見学、ワークショップなどが行われる。短期なので気軽に参加できるが、採用選考には直結しにくい。インターンシップと言うよりは、企業説明会的な位置づけだ。一方、中期・長期インターンの場合は、企業側もコストや時間を費やして準備する。学生の資質をじっくり判断する時間があるので、採用選考、内定につながる可能性が大きくなる。

導入する企業が増えたワケ

ここ数年でインターンシップを導入する企業が増えたことは、採用活動解禁日の変更にも大きく関係している。

2015年卒の採用活動スケジュールは、3年生12月に広報活動解禁、4年生4月から選考活動解禁だった。ところが「学生が学業に専念する時間を増やすため」などの理由から、2016年卒は3年生3月に広報活動解禁、4年生8月に選考活動解禁という日程に変更された。広報活動解禁が3カ月、選考活動解禁が4カ月も後ろ倒しとなったため、企業も学生も大きく困惑した。

経団連の指針では4年生の8月以降に選考活動を解禁するよう定めていたが、実際はあまり守られることはなかった。8月の解禁を待たずに内定を出す企業が続出し、指針の形骸化が問題視された。これを受けて2017年卒では、選考活動解禁が8月から6月へと前倒しになった。企業にとっては広報活動の時間が2カ月短縮された形になる。

度重なる解禁日の変更は多くの企業に動揺を与え、採用選考に直接つながるようなインターンシップを導入する企業が増えることにつながった。さらに、新卒採用の売り手市場も影響し、採用活動は早期化・長期化の様相を見せている。

インターンシップ人気から見えてくること

採用活動解禁前でも堂々と学生に接触し、じっくりと選考する機会がもてるのだから、インターンシップを導入する企業が増えることもうなずける。経団連の指針などのルールには必ず抜け道が見つかるものだし、そもそも経団連に加盟していない外資系企業やベンチャー企業は就職協定を守る必要はない。早い時期から内定を出す企業が多いことは周知の事実だ。

ルール違反は悪かもしれないが、ルール変更は悪ではない。今の非常識が未来の常識になることもある。年功序列や終身雇用が崩壊しつつある日本においては、新卒一括採用のシステムも見直され、企業は採用選考の仕組みを一から作り直すことになるだろう。(渡邊祐子、フリーライター)

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