育児関連銘柄,中国
(写真=PIXTA ※画像はイメージです)

育児関連銘柄に中国発の好材料が台頭している。夫婦がもうける子供の数を原則1人とする「一人っ子政策」を転換したことにより、中国の昨年の新生児は前年比7.9%増の1786万人に増加。2000年以降で最高を記録した。2人目の子供を産んだ世帯に補助金を導入するとの観測もあり、ピジョン <7956> や三洋化成工業 <4471> などに商機が広がる可能性がある。

中国政府は昨年一人っ子政策を撤廃し、すべての夫婦に2人目の子供を持つことを認める「二人っ子政策」を導入した。急激な人口増加を防ぐために1970年代から続け、少子高齢化の進行につながっていた規制の緩和に踏み切った格好。今回の政策転換によって、労働力人口は2050年までに3000万人増加するとの予測もある。

ピジョンは、ほ乳瓶などを販売する中国事業の売上高が全体の3割を占め、20年1月期を最終年度とした中期計画で中国売上高390億円(前期比27.9%増)を見込む。ほ乳器や乳首などの主力商品のシェアアップを図るほか、足元で販売が加速する紙おむつは35億円(同3.9倍)まで伸ばす。

同社は事業計画を保守的に打ち出す傾向があるため、新中計には上ブレ期待が伴う。補助金などの出生促進策については大きく織り込んでいない可能性が高く、具体化した場合は業績にポジティブに影響する可能性が強い。

紙おむつでは、ユニ・チャーム <8113> や、「メリーズ」ブランドの花王 <4452> にも恩恵が見込まれる。また、おむつ材料のSAP(高吸収性樹脂)を手掛ける三洋化は、中国やアジアでの売上高比率が2割を超える有力企業の一角だ。

同社は今3月期の連結営業利益を138億円(前期比10.5%増)と予想するが、第3四半期累計の進ちょく率は8割に達し増額含み。1月末の高値5200円から調整した株価は、PBR(株価純資産倍率)0.8倍台にとどまり、見直し買いの妙味がある。

穴株としては、幼児玩具のピープル <7865> に注目する。日本市場でのインバウンド(訪日外国人観光客)特需によって中国人の間で知名度を上げただけに、同国の出生増が好影響をもたらす可能性がある。

このほか、紙おむつ関連は日本触媒 <4114> 、住友精化 <4008> 、瑞光 <6279> など。また、出産した母親の身の回りの世話や育児を支援する「産後ケアサービス」を手掛けるニチイ学館 <9792> は、中国24都市に進出している。(3月9日株式新聞掲載記事)

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