3月6~10日の東京株式市場は堅調に推移した。日経平均株価は週前半こそ上値の重さが目立ったが、ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が今後の追加緩和に消極的な姿勢を示したと受け止められたことで円安が進み、10日には約1年3カ月ぶりの高値水準まで上昇した。

今週14~15日に開かれるFOMC(米連邦公開市場委員会)では利上げがほぼ確実視されている。日米金利差の拡大で円安(ドル高)が進むとの期待もあるようだ。

配当利回り、デクセリアルズの4.45%がトップ

それでは今回は、東証1部の配当利回り上位10社の顔ぶれを見ていきたい。

(1)デクセリアルズ <4980> 2017/03 4.45%
(2)あおぞら銀行 <8304> 2017/03 4.38%
(3)ビーピー・カストロール <5015> 2017/12 4.37%
(4)双葉電子工業 <6986> 2017/03 4.21%
(5)京都きもの友禅 <7615> 2017/03 4.17%
(6)日産自動車 <7201> 2017/03 4.15%
(7)日本ハウスホールディングス <1873> 2017/10 4.04%
(8)神鋼商事 <8075> 2017/03 4.03%
(9)積水ハウス <1928> 2018/01 3.98%
(10)盟和産業 <7284> 2017/03 3.97%
※銘柄名、証券コード、決算期、配当利回り(%)の順。順位はヤフーファイナンスに基づく。

3月に決算期を迎える多くの企業が、3月下旬の株主に対して配当を実施するが、日本株が全般的に上昇したこともあり、配当利回りは低下傾向にある。トップのデクセリアルズは4.45%であるが、ランキングには4%を割り込んだ銘柄もある。

なお、この配当利回りランキングは年間配当をベースに算出しており、新たに株を買う投資家が受け取る期末配当による比較ではないことに注意して欲しい。また、未定としていた配当額が決まり、期末ぎりぎりにベスト10入りする銘柄がある点にも留意しておきたい。

日産自動車、配当が年々上昇

今回は配当利回りランキングから、3月に決算期を迎える日産自動車、神鋼商事、盟和産業を取りあげる。

日産自動車は自動車大手。同社の顔であるカルロス・ゴーン氏は4月1日付で社長兼CEO(最高経営責任者)を退任し、代表権のある会長に就任すると発表した。西川広人共同CEOが後任の社長兼CEOとなる。

日産自動車は、日本の自動車大手の中で配当利回りが高いことで知られる。過去の年間配当実績は2014年3月期が30円、2015年3月期が33円、2016年3月期が42円。そして、2017年3月期の配当予想は48円で、年々増加している。ゴーン社長が配当に積極的であるとされ、先進国や新興国で利益を着実に積み上げ、配当原資を拡大していることで長期保有の投資家に恩恵をもたらしている。

神鋼商事、記念配当などで増配

神鋼商事は鉄鋼大手である神戸製鋼所 <5406> 傘下の商社。鉄鋼の鋼材や原料、非鉄金属など、神戸製鋼グループ製品の扱いが大半を占める。

2017年3月期の連結業績予想は減収減益。期中は鋼材の市況低迷、円高による収入源などが影響している。業績は好調ではないが、株式併合と記念配当の実施により、期末配当は60円と中間配当(4円)から大きく上昇する。

株式併合は2016年10月に実施し、10株が1株となった。期末の普通配当は40円。あわせて創立70周年の記念配当20円も実施する。

盟和産業、「桁違いの原価低減」を標榜

盟和産業は神奈川県厚木市に本社を置く自動車部品や住宅用品のメーカー。

自動車部品としてはトランク、フロア、シートなどを販売しており、販売額のうちトヨタグループ向けが6割を占める。海外事業は中国、米国、メキシコなどで展開している。同社は「従来の発想にとらわれない桁違いの原価低減と固定費圧縮で利益を確保する」意向を示している。通期予想は売上高が前期比0.8%増ながら、営業利益は前期から約2倍の200億円を見込んでいる。

盟和産業は前期(2016年3月期)本決算を発表した昨年5月の時点で年間配当予想を50円と公表した。前期は記念配当も含め年32円を配当しているが、期中に10株を1株に併合しており、今期の年50円は実質的に同額となる。

配当方針について同社は「企業基盤強化のために必要な内部留保を確保しながら、安定的な配当の継続を基本に、業績および配当性向等を総合的に勘案して配当を決定している」(※2016年3月期の決算短信より)としている。(ZUU online 編集部)