土地活用の中でも手軽で安易にはじめることができるため、駐車場経営をはじめるオーナーは多い。所有地に建物を建設して賃貸収益を得たり、空き家で土地を保有するよりも、固定資産税や都市計画税の軽減したりすることができる。駐車場経営も土地活用だが、建物の建設とは異なる注意点が存在するため契約前にしっかりと確認をしたい。

1. 土地活用で駐車場経営のメリット

所有地に建物を建築すると、建設地や建築費にもよるが数千万円から1億円余りの費用が発生する。駐車場経営の場合、どのような形態の駐車場にするかによって建設費は大きく異なる。建設費は敷地の広さやコンクリート、アスファルトの質、地域差によって変動するが、以下の表を目安にしていただきたい。コインパーキングの設置の場合、費用は別途掛かる。

【初期費用】
未舗装ロープ区画:約30万円-約40万円
アスファルト舗装:約100万円-約150万円
コンクリート舗装:約150万円-約200万円

オーナーの土地を請け負って駐車場を建設する会社は、この初期費用を会社負担とするところも多く、会社のなかには利用終了後、解体費を負担するところもある。

建設費を負担しない場合、賃料はそのまま事業収入となるため、利回りはその分高くなる。駐車場業者によってはランニングコストを負担する会社もあり、駐車場建設を決めた場合は、複数の業者から相見積もりをとりたいところだ。

2. 駐車場建設の場合、税金面はどう変わる?

一方で税金面での注意点はある。駐車場経営の場合は土地評価が自用地となるため、賃貸アパートと同じように固定資産税と都市計画税の軽減措置が受けられない点に注意が必要だ。

高い家賃を設定することができなくなった築年数の古いアパートを解体せずに所有している場合は、この税金メリットを重視しているケースも多い。

収益に対して所得税(法人で事業をしている場合は法人税)が課税される点は、賃貸アパートも駐車場経営も同じ。加えて、駐車場経営の動機のひとつになる「相続税の軽減」に対しては負債がある場合は収益を圧縮できる一方で、駐車場の形態によっては相続評価額が減少する小規模宅地の特例を適用することもできる。

3. 「とりあえず駐車場に」の注意点

将来的に建物を建てることを視野に入れつつ、それまで駐車場にするという選択肢はひとつお勧めだ。

前述の固定資産税は、毎年1月1日の所有者に対して課税される。たとえば街に大きな道路が開発されるなど、短期間で都市化が進む場合は固定資産税の課税額が数年の間に大きく上昇し、オーナーの会計を圧迫するケースがある。

そこに不動産会社や建築会社の営業が訪れると、「そうか建物を建てればいいのか」という判断のもと多額の借入金を起こすオーナーも目立つ。その場所が賃貸用地に適しているかどうかは、本来「客観的な」専門家の眼を入れながら長い時間をかけて判断していきたいところ。その時に駐車場にして、定点観測を続けるという流れだ。

このような有限的な駐車場経営をするときにも注意点はある。それは「駐車場会社との契約」だ。駐車場会社のなかには、駐車場事業を開始する段階で「駐車場を解約するときは両者(駐車場会社と土地オーナー)の合意を必要とする」と明記している場合がある。また、建設費は業者が負担しても、「◯年以内に事業を停止した場合にはオーナーが一部負担」という特約条項が記載されている場合もある。

数年後には駐車場以外に活用したい……という長期的なビジョンを有していても、それを駐車場業者に伝えるのはなかなか難しい。もちろん「土地をこの先どうしていくか?」は土地オーナーの専売特許ではあるが、契約書の内容によって意のままにいかない場合もある。

契約時は弁護士に確認して貰うのがベストだが、費用負担を避けたい場合は「将来、駐車場の経営を中止したときに、どのような手続きになるか」をあらかじめ確認するようにしておきたい。

工藤 崇(くどう たかし)
FP-MYS代表取締役社長兼CEO。ファイナンシャルプランニング(FP)を通じ、Fintech領域のリテラシーを向上させたい個人や、FP領域を活用してFintechビジネスを検討する法人のアドバイザーやプロダクト支援に携わる。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居。執筆実績多数。

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