不動産投資,アパート経営
(写真=PIXTA)

目次

  1. アパート経営を始めてみたものの……
  2. サブリースには気を付けて 家賃は次第に下がるもの
  3. 銀行は建築業者の味方?
  4. 経営が行き詰まったら、頼みは自分の力だけ
  5. 注意すべき3つのポイント
    1. (1)そのアパート建設は本当に必要か
    2. (2)サブリースのデメリットを認識しているか
    3. (3)アパート建設に適した場所か

アパート経営を始めてみたものの……

相続税対策や土地の有効活用でアパート経営が注目されている。テレビのCMで建築業者がアパート経営を盛んに宣伝しているのを見たことがある人も多いだろう。 しかし、いい話ばかりを鵜呑みにしてはいけない。「こんなはずでは……」と頭を抱えるオーナー(アパート経営者)もいるのだ。

筆者の元銀行員としての実体験を元にアパート経営の落とし穴を紹介する。

サブリースには気を付けて 家賃は次第に下がるもの

建築業者がアパート経営を勧める際の営業トークの1つに「弊社ではサブリース(一括借り上げ)も行っています」がある。一定期間建築業者がアパートを借り上げて、入居者の募集や家賃の徴収など経営上の面倒なことを代行してくれるサービスだ。毎月家賃から手数料を差し引いた額が委託業者からオーナーの口座に振り込まれる。

この仕組みをオーナーが聞くと、「なんだ、何もしなくても決まった金額が毎月口座に振り込まれるのか。安心だな」と思うかもしれない。しかし、これこそがサブリースの落とし穴である。

通常、サブリースを行う場合はオーナーと建築業者側で契約を交わす。契約の中には、当然家賃の設定についての条項があるが、多くの場合、家賃は「〇年ごとの更新」となっている。これが曲者で、更新ごとに家賃が下がっていく可能性があるという意味になる。

つまり、更新のたびにアパートは古くなっていくから、その分、家賃が次第に下がっていく。言われてみれば、おかしなことではないのだが、契約当初の家賃が保証されると勘違いしていたオーナーは、ここで「こんなはずでは……」と頭を抱える羽目になる。ここから、建築業者とオーナーのトラブルに発展しやすいので、気をつけてほしい。

銀行は建築業者の味方?