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(写真=Thinkstock/Getty Images)

近年、不動産投資に注目が集まっている。マンションの一室を賃貸に出すのならば、土地を持っていなくても不動産投資を始めることが可能だ。若い会社員風の人が投資を始めるというCMもあり、簡単にできるのなら私もやってみたいと考える方もいるだろう。
しかし、マンション投資やアパート経営にはリスクがつきもので、安易に投資を始めると失敗をしかねない。まずはリスクを把握し、その上で不動産投資をするかどうかを考えることが必要だ。


待ってるだけでお金が入ってこないことの方が多い

アパート経営を始めたり、マンションを賃貸に出したりしている場合でも、入居者がいなければ収入にはならない。そんな状況では待っているだけでなく、部屋を借りてもらうための工夫が必要だ。

空室が埋まらないようならば、近隣のアパートやマンションの相場と比較して、敷金・礼金を下げたり、場合によっては家賃を下げたりすることが必要かもしれない。また差別化を図るために、ペットを受け入れたり、外国人の入居を可能にしたり、1カ月分の家賃を無料にしたりするなどといったことも対策のひとつだ。

家具や家電などを設置した部屋として貸し出す方法もある。さらに賃貸業務や管理を委託している業者を見直し、変えることも考えなければならない。

実質利回りで考えていなかった

投資金額に対する1年間の収入の割合を「利回り」といい、表面利回りと実質利回りの2種類がある。表面利回りの値のみを参考にして、不動産投資を考えてはいけない。

表面利回りは、年間の家賃収入を不動産価格で割った値だ。これに対して実質利回りは、年間の家賃収入から不動産を所有するためにかかる税金などの諸経費を引いた値を、不動産価格に購入時の諸経費を加えて割った値だ。そのため実質利回りでは、諸経費も加えて計算しており、表面利回りより値が低くなっている。

節税対策という理由で経営はNG

大切なのは、長期的に安定した収入を得ることができるアパートやマンションへ投資をすることだ。節税はあくまでも、手元に残せる収入が少し増える程度だと考えることが必要だ。節税対策のみを考えて不動産を探すと、賃貸という面で優良な不動産とは違ったものを選んでしまうリスクがある。

サラリーマンの場合は、不動産の所得とサラリーマンとして働く所得を合算して税金を計算する。そのため、確定申告時の帳簿上の費用で減価償却費を計上し、節税することもできるだろう。しかし、減価償却費も永続的に計上できるものではない。

家賃収入がない、下がるリスク

アパート経営やマンションを賃貸に出した場合でも、空室となっていれば収入を得ることはできない。また周辺に新しいアパートやマンションが増えて、需要と供給のバランスに変化が起きれば、家賃を下げる必要が出てくるかもしれない。部屋で自殺や殺人といった事件が起きた場合にも、家賃は下がる。

意外とかかるメンテナンス費

賃貸している部屋について、通常住む場合に生じる汚れや損耗の補修は、貸主が行わなければならない。年数がたてば、室内のエアコン、キッチン、給湯器も傷んでくるため、交換が必要になってくる。

さらに、建物自体の修繕や、場合によっては建て替えも必要となってくる。築25~35年頃がひとつの目安だ。外壁の補修、塗り替えはもっと早い時期から必要で、マンションの1室を賃貸に出す場合は、修繕積立金を納めなければならない。

避けられない災害のリスク

大規模な災害によって建物が損傷、倒壊するリスクはゼロではない。地震や火災はもちろん、台風の時には土砂災害や冠水の恐れもある。その場合には建物はなくなってしまったが、ローンはまだ残っているという事態も考えられる。

災害のリスクは必ずあるため、それらをできるだけ避けられるように対応していくことが必要だ。アパートやマンションがある地盤の強さを調べ、地震に強い工法の建物を選ぶことも対策のひとつだ。火災に強い建物もあるので、選ぶ際に考慮するとよい。

売却時のリスク

アパートやマンションといった不動産は価値が変化するもので、売却する時期によっては良い価格で売れないリスクもある。年数がたてば資産価値も下がりやすい。

また売ろうと思った時に、短期間で売却先が見つかるとも限らない。すぐに売却して現金を得たい時などは、良い条件で売却するのは難しいだろう。さらに売却時にも仲介手数料がかかり、売却によって利益が出た場合には、所得税や住民税といった税金も納める必要がある。

アパート経営、マンションへの投資は多くのリスクがある。しかしリスクを知り、それらを踏まえた上で情報を集め、安定的に長期間収入を得られる良い不動産を探すことが大切だ。それによって回避できるリスクは多く、投資によって利益を得ることができるだろう。

不動産を選ぶだけでなく、賃貸や管理業務を行う委託先を選んだり、売却の時期を考えたりするのは本人だ。これらは不動産投資を行う上で大変な点だが、本人の裁量によってさまざまなことが決められるのは不動産投資の魅力だ。