どこの会社がどれほどの給与を社員に支払っているのだろうか。気になるランキングが東洋経済新報社の調査で分かった。調査対象は全上場企業3644社だ。平均年収は各企業の掲載ページデータから算出されている。日本で一番「稼げる」企業とはいったいどの企業なのだろうか。

10位 三菱商事 1445万円――国内最大の総合商社

国内および海外約90か国に200カ所を超える拠点を持つ、国内最大級の総合商社。地球環境・インフラ事業、新産業金融事業、エネルギー事業、金属、機械、化学品、生活産業の7グループがあり、幅広い産業に携わっている。単独従業社員数は6290人、平均年齢は42.6歳。

9位 ゼビオHD  1450万円――スポーツ用品販売大手

「スーパースポーツ ゼビオ」や「ヴィクトリア」を運営するスポーツ用品販売大手。ゴルフの買い取り・販売を行う「ゴフルパートナー」や「ネクサス」もゼビオHDが運営している。グループ店舗数は677店、売上高は2106億7200万円である(2015年開示情報より)。単独従業員数は11人、平均年齢は50.5歳。

8位TBSHD 1490万円――放送と不動産で収益を上げる

民放キー局であるTBSHDが8位にランクイン。放送事業を中核として、番組と連動した映像、文化、不動産などさまざまなメディア展開を手掛けている。雑貨店として人気のある「プラザ」も参加企業のひとつだ。また、「赤坂サカス」にある赤坂Bizタワーなどの家賃収入も大きな収益源となっている。単独従業社員数は82人、平均年齢は51.6歳。

7位朝日放送 1498万円――西日本最大手の民放

西日本最大手の民間放送局である朝日放送がキー局を抑えて7位に。テレビ朝日の系列局でもある。「探偵ナイトスクープ」をはじめとする人気番組を制作している。ゴルフ場を運営する「ABCゴルフ倶楽部」や住宅展示場を運営する「エー・ビー・シー開発:などのグループ会社のひとつだ。単独従業員者数は653人、平均年齢は42.9歳。

6位ファナック 1571万円――工作機械用NC装置で世界1位

1956年に日本国内で民間初の工作機械用NC(数値制御)装置とサーボ機構を開発した会社がファナックだ。高性能、高信頼性、高生産性を実現できるロボットの研究開発を行っており、自動車・電気・食品などさまざまな分野の工場自動化に貢献している。世界46カ国、452カ所の拠点があるグローバル企業。単独従業員者数は3042人、平均年齢は42.9歳。

5位ストライク 1616万円――公認会計士・税理士主体のM&A仲介会社

公認会計士・税理士が主体となって設立したM&Aの仲介を行う企業。M&Aの仲介の他、企業価値の評価、企業価値向上や財務に関するコンサルティングも行う。インターネットを使ったM&Aサービス「SMART」を運営している。単独従業社員数は37人、平均年齢は34.9歳。

4位日商業開発 1741万円――JINUSHIビジネスでリスクを減らす

定期借地契約を利用した不動産投資商品「JINUSHIビジネス」を主な事業として行っている不動産投資会社。JINUSHIビジネスとは、首都圏や大都市近郊の住宅近隣地を購入し、事業用定期借地権を利用してテナントを誘致、建物の着工もしくはオープン後に売却して利益を得るというもの。単独従業員者数は35人、平均年齢は44.7歳。

3位キーエンス 1756万円――自動制御機械や計測機器の開発および製造販売

自動制御機器、計測機器、情報機器、ビジネス情報機器などの製造・販売を行う。1974年の会社設立以降、FA(ファクトリー・オートメーション)用センサをはじめとするさまざまな製品を開発しており、製造業のあらゆる分野と取引している。海外進出もしており、現在は44カ所200拠点で事業を展開している。単独従業員者数は2160人、平均年齢は35.3歳。

2位M&Aキャピタルパートナーズ(平均年収1905万円)――調剤薬局に強いM&A仲介会社

中堅・中小企業に特化したM&A仲介会社。銀行や証券会社などの系列に属さない独立系の会社のため、成約が少なく料金体系も抑えられている。特に調剤薬局に強い顧客基盤を持っており、多数の実績がある。単独従業員数は53人、平均年齢は31.1歳で今回のランキングで最も平均年齢が若い。

1位GCA  2139万円――日本、アメリカ、ヨーロッパで活動するM&A助言会社

日本、アメリカ、ヨーロッパで活動するM&Aアドバイザリー会社。グローバルなM&Aアドバイザリーに主軸を置いている。母体であるGCA株式会社は阪急ホールディングスと阪神電気鉄道の経営統合などにも関与している。2008年にアメリカのサヴィアンLLC、2016年にイスラエルとヨーロッパに拠点のあるAltiumと経営統合した。現在は10カ国14カ所に拠点を置いている。単独従業員者数は126人、平均年齢は37.2歳。

ランキング1位、2位は昨年と順位が逆になり、GCAが1位、M&Aキャピタルパートナーズが2位となった。しかし、昨年の平均年収が両社とも2000万円を超えていたのに対し、M&Aキャピタルパートナーズは1000万円台に下がっている。GCAは2016年8月に行ったAltiumとの経営統合により、さらに活動の場を広げている。

昨年のランキングと比較すると、放送局の凋落が目につく。昨年ランキング内に入っていた日本テレビホールディングス、フジ・メディア・ホールディングス、テレビ朝日ホールディングスは10位圏内に入らず、朝日放送、TBSホールディングスはともに順位を落としている。

それに対し、急上昇をみせたのが日本商業開発だ。昨年の54位から今年は一気に4位と、50位もランクを上げている。設立は2000年、東証一部に上場したのは2014年12月と新しい会社だが、今後の成長に期待ができそうだ。また、キーエンス、ファナックといった製造業は堅調な経営状況を維持していることがうかがえるのではないだろうか。

順位/社名/平均年収(万円)/平均年齢(歳)/単独従業員者数(人)
10位 三菱商事 1,445 42.6 6,290
9位 ゼビオHD 1,450 50.5 11
8位 TBSHD 1,490 51.6 82
7位 朝日放送 1,498 42.9 653
6位 ファナック 1,571 42.9 3,042
5位 ストライク 1,616 34.9 37
4位 日商業開発 1,741 44.7 35
3位 キーエンス 1,756 35.3 2,160
2位 M&ACP 1,905 31.1 53
1位 GCA 2,139 37.2 126
(ZUU online 編集部)