お金持ちの情報収集は、広く浅い。
女性誌を読む男性を笑っていては、
お金持ちになれない。

私は、食事に招待した女性には、必ずプレゼントを用意しています。10人いたら10人、20人いたら20人全員に用意します。お菓子などはよくあるプレゼントですが、化粧品を贈ったりもします。(本記事は、菅下清廣氏の著書『今こそ「お金の教養」を身につけなさい 稼ぎ、貯め、殖やす人の"37のルール"』(PHPビジネス新書)の中から一部を抜粋・編集しています)

(写真=BONNINSTUDIO/Shutterstock.com)
(写真=BONNINSTUDIO/Shutterstock.com)

実は私、新聞だけでなく、『ELLE』『25ans(ヴァンサンカン)』『GLAMOROUS』なども読んでいるのです。男性のみなさん、これらが何かわかりますか? そう、女性誌です。暇なときにめくるレベルですが、化粧品や洋服、ブランド等のトレンドがわかる、貴重な情報源です。

もちろん、女性にプレゼントを贈る際は、売場の方にもアドバイスを求めます。なにせ私は化粧をしないので、利用者に意見を聞かねばなりませんから。

女性誌を読むことの意外なメリット

よく行くのは、丸の内のセレクトショップ「OPAQUE」。1個、2個じゃなくて、5個、10個単位で買いますから、売場の方も歓迎し、親切に色々教えてくれます。先日も、ポール&ジョーのリップを買ったら、後から限定商品の案内が来ました(笑)。

女性誌は、トレンドチェック以外にも利用しています。有難いのは、人気のレストランやホテルが紹介されていること。私はお客さまのおもてなしも仕事のうちなので、女性誌を読むことには意外なメリットがあるのです。

さて、前述の通り、お金と付き合うにはリテラシーが必要です。最低限、新聞は読まねばなりません。でも、あまり深く読みすぎる必要もないと思っています。

私のような仕事をしていると、さぞかし経済や金融の専門情報ばかり追いかけているように思われます。実際、雑誌では『東洋経済』『エコノミスト』『ダイヤモンド』を読んでいますが、それだけでは不完全です。情報収集の入口は、「広く浅く」がポイントなのです。ですから、合わせて『週刊文春』『週刊新潮』『週刊現代』『週刊ポスト』にも目を通します。もちろん女性誌も、です。

情報収集を怠っていた方は、まず部屋が資料で埋まるくらい、集めてみてはどうでしょう。新聞は全紙、雑誌も月曜から金曜までは毎日発売されますから、1日1誌買ってみてもいいでしょう。情報収集のコストは惜しんではいけません。

一般人向けの雑誌は「レベルが低い」という態度で、目もくれない専門家も多くいます。でも私から言わせると、一般社会について理解していない人が、どうやって専門情報を活かすことができるのかと思います。

以前、女性誌で「トリーバーチ」の靴が売れていると書かれていました。そのブランドを私は知らなかったので、実際にお店に見に行くことにしました。確かにスタイリッシュ。で、店員さんに輸入会社を聞いたら「ルック」という会社だと教えてくれました。注目していると、半年で株価が3倍に上昇しました。女性誌から得た情報も、しっかり仕事に活きるのです。

情報収集で心掛けることは「広く浅く」

情報を広く集めすぎたら、絞ればいい。「たくさん集めたら情報に埋もれる」と最初から絞り込もうとする人もいますが、たくさん集めないと絞り方はわかりません。情報に埋もれてみて、必要な情報がどこにあるかを探る練習をするのです。

ちなみに私は、たくさんの情報に埋もれた結果「重要な情報は小さなところにある」という結論にいたりました。

たとえば、TPP(環太平洋経済連携協定)が紙面を賑わしているとき、私はTPPの情報を積極的に仕入れたりしません。新聞の1面や、ニュースの冒頭で紹介されるネタは、もはや「誰でも知っている情報」だからです。

もちろん最低限の理解はしておきますが、「私」にとって重要な情報と、「みんな」にとって重要な情報は違います。TPPが賑わっているとき、夕刊で小さく、ECB(欧州中央銀行)の理事辞任という記事が取り上げられていました。

こちらのほうが、私にとっては重要です。それと同じで、テレビも、民報の毎朝のニュース番組よりBSを見ます。さらにCNNやBBCも見ることで、日本のニュース番組とは違う角度から世界を見ることができます。まず、「広く浅い」情報収集を心がけてみてください。

お金持ちの投資 「衣・食・住」の優先順位は?

お金持ちは、自分の衣・食・住に「投資」する。
狭く暗い家でカップラーメンを食べていたら、
貧乏神がやってくる。
恒産を蓄えるために「我慢」は厳禁。なかでも「衣食住」をケチって、生活水準を落とすのは最悪の行為です。

「衣」は、前述のとおり、仕事のための「装備」です。仕事で対価を得るために、それなりの装備をしましょう。

かといって、ファッション性に優れてビジネスに向かないスーツは買ってはダメです。かつて、私は「ヴェルサーチ」を愛用していましたが、芸能人が着るような派手なものは買わず、スタンダードなものを選んでいました。いまは「パル・ジレリ(Pal Zileri)」という北イタリアのブランドを愛用中ですが、やはりコンサバティブなものばかりです。

「衣」は、クオリティの高いものを選んで購入して、大切に着ましょう。「住」をケチると、貧乏神に好かれます。心地よい空間にいる人とそうでない人は、気持ちの前向き度が決定的に変わります。
高級マンションに住む必要はないですが、環境の良さにはこだわるべきです。日当り、湿気、風通しなどがいい環境は、人を良い気分にします。都心である必要もありません。少なくとも私はスモッグが気になるので、横浜に住んでいます。空気はいいですし、水もきれいで十分な貯水量があります。

どこに住むかは自由ですが、自分が心地いいと思う場所に生活拠点を置くことが重要です。くれぐれも華やかな駅名に惹かれてぼろアパートに住むようなことはやめましょう。

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そして、何よりも大切なのは「食」です。「恒産をつくる」という話になると、なぜか「食」を削ろうとする人が多い。

確かに、1000円の定食を500円のコンビニ弁当や150円のカップラーメンにしたら、一気にお金が浮きます。

毎日のことですから、削りやすいのかもしれません。でもそれは大変なリスクです。「食」は「人間を形成するもの」ですから、絶対にケチってはいけません。

私は普段、一人でランチをするときにもコンビニは使いません。かといって高級レストランに出かけているのでもありません。なるべく自然な食品を使ったパン屋などの、野菜が多めのサンドイッチなんかを食べています。

高価であればどれだけ食べてもいいということではないのです。お客さんとの会食で高級レストランへ行っても、出た料理を全部は食べません。カロリー過多だからです。

料亭では次々と料理が出てきますが、2つに1つパスすることもあります。知らない店では「お口に合いませんか」なんて聞かれてしまうこともあり、申し訳ないのですが、食べません。仕事のための会食で食べ過ぎて、体を壊しては話にならないからです。

最近は、セミベジタリアンです。自宅では和食を中心に、できるだけあっさりした、素材のいいものを食べています。自分の体調とよく相談して、食べるものをコントロールするのも仕事のうちです。そして何より、それが人生を健康で豊かにする秘訣です。

個人的には、嫌いなものは食べず、好きなものをたくさん食べたらいいと思っています。でも好きだからといって、毎日ファーストフードを食べ続けたら、いつか健康に悪影響を及ぼすでしょう。

夜遅くまで水割りを飲み続けてもダメ。飲み食いするものは選ばねばなりません。証券会社時代に周囲にいた人は、たばこを吸い、水割りをガーッと飲んで、朝3時まで六本木にいました。40代や50代で早死にした人も多いです。食は、あなたの人生を短くも長くもします。

「口は災いのもと」といいますが、悪い食事は「口から入る災い」と私は思っています。衣・食・住、いずれも大事ですが、あえて順番をつけるなら「食・住・衣」です。体をつくる「食」、自らの生活を支える「住」、そして仕事のツールである「衣」にはケチらず、奮発してください。

菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社代表取締役。国際金融コンサルタント、投資家。立命館アジア太平洋大学学長特別顧問。