17年3月卒業の大学生・大学院生は卒業式を無事に終え、社会人としての新しい旅立ちを前に期待と不安を胸に最後の春休みを楽しんでいることだろう。

18年3月卒の就活も3月1日から始まっており、今年の就活戦線は期間変更で短期決戦だと言われている。今年も売り手市場といえるだろう。

株価は求人倍率に約2年先行する

リクルートワークスが毎年4月中旬に発表している「ワークス大卒求人倍率調査」によれば、17年3月卒業予定の大卒(院卒)求人倍率は1.74%とリーマンショック以来の売り手市場とのことだ。過去の求人倍率と株価の動きを検証してみよう。

調査は33回、データは1987年からある。求人倍率の過去最高は91年3月卒の2.86%。次が08年と09年3月卒のともに2.14倍だ。

2倍を超えたのは87年から92年3月卒までのバブル期の6年連続と08年から09年3月卒のリーマンショック前の景気拡大時の2年連続のこの期間だけ。リーマンショック前は、あまりこの言い方は浸透していないが「いざなみ景気」という02年から08年まで続く長期の景気拡大期だった。

日経平均が過去最高値で3万8957円を付けたのが1989年。その後バブル崩壊から、失われた20年と言われるデフレ時代を経て、日経平均は03年には7603円まで下げた。その後、いざなみ景気による世界景気拡大で07年には1万8300円の戻り高値を付けている。

ピーク時の株価を見る限り、日経平均は大卒求人倍率に2年ほど先行しているようだ。株価は企業業績の先行指数と言われており、業績の変化を株価は先取りする。一方、企業の求人は業績に遅行する。通常は、前年に利益がでた部門が翌年の予算作成時に人事部に人員増を要求するため、企業業績が良かった年の翌年に求人増となることが多いからだ。

今年も求人倍率拡大か? 株価が上抜ければ東京五輪まで

07年には1万8300円まで回復した日経平均だったが、リーマンショック後の08年には6994円まで急落する。12年には安倍第2次内閣によりアベノミクスが始まり、株価は15年6月には2万952円と07年2月のリーマショック前の水準まで回復した。

その後、アベノミクスの反動と円高、原油高などで日経平均は16年には一時1万5000円を割り込んだ。もし15年6月の2万952円が当面の高値だったとしても、求人倍率は約2年遅行するため今年も買い手市場になる可能性が高いだろう。

17年3月に日経平均は1万9668円と年初来高値を更新した。さらに15年以来の2万円を狙う勢いだ。日経平均が2万円を抜いてくるようだと、求人倍率は19年の東京オリンピック前まで拡大する可能性もありそうだ。4月にリクルートワークス研究所が発表する18年3月卒の求人倍率に注目したい。

平田和生(ひらた かずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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