21日の東京為替市場は、連休中に海外市場で円高が進行していたため円は反騰、東京時間午後5時のドル円のインターレートは112円84銭と前週末比60銭の円高だった。

前週のFOMCで予想通り25bpsの利上げが行われたが、利上げのペースが年3回に据え置かれたことで、日米金利差の拡大の思惑で進んでいた円安トレンドは反転した。

前週末のG20で米国の保護主義への警戒感が高まったこともあり、日本の連休中に海外為替市場では円高が112円半ばまで進んだ。連休明けの東京市場での商いも112円58銭で始まり、一時112円26銭まで円高が進行した。ただ日本株の下げ幅が縮小したことで、円をさらに買い上げる動きは限定的となり、112円80銭台まで切り返す動きとなった。

22日の東京為替市場は、海外市場でのリスクオフを受け円は続伸。東京時間午後5時のインターレートは111円51銭と前日比1円33銭の大幅円高となった。

前日のNY市場では、オバマケア代替案の採決を週内に控え、共和党内部でも反対派の動きが強まっていることが伝わった。オバマケアの廃止はトランプ政権の1丁目1番地。ここで共和党内部の意見を統一できないようだとトランプ政権の不信感は高まることは必至だ。

リスクオフで、NYダウは237ドル安とトランプラリー後最大の下げとなり、ドル円は一時111円55銭まで円高が進んだ。16年11月28日以来ほぼ4ヶ月ぶりの水準。海外市場でのリスクオフを受け、日経平均株価も前日比414円安と大きく下げ、東京為替市場でも円買いは継続一時111円32銭の高値を付けた。

23日の東京為替市場は、日米の政治の不透明感から円が3日続伸、東京時間午後5時のインターレートは111円25銭と前日比26銭の円高だった。

森友学園の籠池理事長の証人喚問が行われた。森友学園の疑惑は、証人喚問で線引きとはならずさらに継続しそうな展開となってきた。米国でオバマケア代替案の採決を当日に控えていることもあってドル円はリスク回避から終日111円台での取引となった。

朝方は、円高が一時111円07銭まで進み日経平均は一時1万9000円を下回る場面があった。もっとも、日経平均の1万9000円割れは買い意欲も強く、次第に下げ幅を縮小し引けでは43円高と4営業日ぶりに反発した。日経平均の落ち着きを好感して、ドル円も111円20銭台まで戻した。

24日の東京為替市場は、小幅ながら反発、東京時間午後5時のインターレートは111円35銭と前日比9銭の円安となった。

オバマケア代替法案の23日の採決が翌日に見送りとなったことでNYダウは6日続落。NY為替市場でドル円は一時110円62銭と16年11月22日以来約4ヶ月ぶりの円高をつけた。

そのため東京為替市場もドル円が110円99銭で商いがスタートした。ただ、日経平均の押し目買い意欲は強く、切り返して一時200円を超す上げとなり、引け値は177円高と続伸した。ドル円も一時111円48銭まで戻した。

為替展望
(写真=PIXTA)

「3/27~3/31」の為替展望

前週、週間のドル円は、2円9銭の円高だった。2週連続の円高。円は、16年11月25日の週以来17週ぶりの110円台高値をつけた。

オバマケア代替案は、結局24日の採決も見送られ、法案を撤回することになった。24日のNYダウは一時120ドル安と売られていたが、実際に採決が見送られると、引け前30分でNYダウは59ドル安まで下げ幅を縮小して引けた。

トランプ大統領が、代替案を成立させなければ税制改革を優先させると述べたとことで、医療保険以外のインフラ投資や減税が優先されるとの思惑から株式先物にショートカバーがはいったようだ。7日連続安ではあるが下ひげのながい切り返しで短期底打ち感もでてきている。ドル円は110円63銭まで売られた後、111円33銭まで株価と同様に戻して引けている。

今週の為替市場のメインシナリオは、110円と113円のレンジ内での商い。日米の政治懸念は継続しており、朝鮮半島での地政学リスクも高まってきているため、リスクオンの円高の懸念は残る。

ただ、NYダウには短期底打ち感もでてきた。インフラ投資や減税案の具体策がでてくるのなら、先週金曜日におきたように、株の買い戻し、ドルの買い戻しに向かう可能性が高くポジションを傾けにくい状態が続きそうだ。

28日にイエレン議長の講演会があり、28日から29日には他のFRBの主要メンバーの講演会も各地で開催される。メンバーの発言で、再び利上げに前向きの発言でもでてくるのなら円安トレンドに戻る可能性もあるだろう。

今週のイベントとしては、欧州が26日からサマータイムに入る。28日にはイエレン議長の講演会、29日に英EU離脱通告が予定されている。経済指標では、日本では31日の2月のCPI、2月の鉱工業生産、海外では30日の米10-12月期GDP確定値、31日の中国3月PMIが注目されよう。(ZUU online 編集部)

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