前週(3/27-31)のドル円は、前週比46銭(0.5%)ドル高・円安の111円81銭で終えた。3週ぶりの円安。レンジは110円12銭から112円21銭だった。
27日の東京為替市場は、NY市場の混乱から円が大幅反騰。東京時間午後5時のドル円のインターレートは110円19銭と先週末比1円16銭の円高となった。
前週末のオバマケア代替案の採決見送りで、トランプ政権に対する不信感からNY市場は波乱の展開となった。NYダウは59ドル安で7日連続安となり、ドル円も一時110円63銭まで円高が進んだ。東京為替市場でもドルはジリ安となり、一時110円12銭まで円高が進行した。16年11月18日以来4ヶ月ぶりの円高。円高による企業業績悪化懸念から、日経平均が276円安で1万9000円を割ったことも円高に拍車をかけた。
28日の東京為替市場は、NY為替市場でドル円が110円手前で反転したことを好感し反落。東京時間午後5時のドル円のインターレートは110円69銭と前日比50円の円安となった。
前日のNY市場ではリスクオフが進み、NYダウは5年ぶりの8日連続安となり、円高はNY為替市場で一時110円11銭と16年11月18日以来の水準まで進んだ。ただ、ドル円は心理的抵抗ラインである110円手前で反転し、東京時間には一時円は110円80銭まで売られた。株価が昨日の下げを大きく戻す217円高となったことも円安をサポートしたようだ。
29日の東京為替市場は、NYダウが下げ止まり海外市場で円安に振れたため円は続落した。東京時間午後5時は111円11銭と前日比42銭の円安となった。
前日のNY市場でダウは9営業日ぶりのプラスで150ドル高となり、ドル円も111円台まで回復した。海外の流れを引き継いで東京市場も111円20銭台で始まった。受け渡しベースで実質新年度入りした日本株が堅調な展開だったこともあって、ドル円も終日111円台前半での落ち着いた動きだった。
30日の東京為替市場は、手懸かり材料難で方向感が出ない中、円は小反発。東京時間午後5時のインターレートは111円08銭と前日比3銭の円高だった。
前々日のNYダウが150ドルと反発したが前日は再び42ドルとなったことで、方向感のない展開となった。東京為替市場ではユーロ円が下落、上海株式市場が不動産市場悪化の懸念から一時1%以上の下落で今年最大の下げとなる中、円高が進み一時110円94銭まで買われる場面があった。
31日の東京為替市場は、NY株高、原油50ドル回復などでリスクオンとなり円は反落。東京時間午後5時のインターレートは111円81銭と前日比73銭の円安となった。
米16年10ー12月期のGDP確定値は前期比年率で2.1%増と改定値から上方修正され、市場予想を上回ったため海外でドル高傾向が復活した。ドル円は一時112円21銭となり3月21日以来の112円台をつけたが、決算期末の午後から株価が急落し1万9000円を割るのをみて円は111円台まで戻した。
「4/3~4/7」の為替展望
31日のNY為替市場ではドル売りの動きが強まり111円39銭で引けている。ダドリーNY連銀総裁が利上げに関して、年内2回の利上げが妥当、緊急性は低く急がない姿勢を強調したことに反応した。
今週の東京市場のメインシナリオは、引き続き110円から113円のレンジ内での取引を想定する。ドル円は新規材料難で方向感がなく、日替わりの展開になっている。
今週も大きなイベントは少ないため、ボックス内の動きになる可能性が高そうだ。5日移動平均の111円33銭を中心にとした動きで、レジスタンスは25日移動平均の112円87銭。サポートは3月27日の110円12銭。110円12銭を抜けた場合は16年6月安値から12月高値の半値押しである108円84銭が次のサポートになりそうだ。
今週のイベントでは、欧州中央銀行が4月1日からテーパリングを開始。資産買い入れ額を月800億ユーロから600億ユーロへ減少する。今後の欧州の金融政策を見る上でも7日のユーロ圏財務相会合には注目。米FOMC議事録(3月15日開催分)が6日に公表される。6日からは米中首脳会談。為替に対するコメントに注意。なお、4月には米FOMCの開催はなく次回は5月2日から3日。次回の日銀決定会合は4月26日から27日。
経済指標では、日本の日銀短観(3月調査)が最大の注目材料。大企業製造業業況判断指数の市場コンセンサスは14。海外では、3日の米3月のISM製造業景気指数、中国の製造業PMI(マークイット)、4日の米2月の貿易収支、5日の米3月ADP雇用統計、3月ISM非製造業景気指数、7日の米3月雇用統計が注目される。雇用統計の非農業部門雇用者数のコンセンサスは17万2000人。(ZUU online 編集部)
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