iDeCo,確定拠出年金
(写真=PIXTA)

目次

  1. iDeCoの運用 どうしたらいい?
  2. 元本確保型商品「定期預金、保険」の注意点
  3. 元本変動型の運用商品とは
  4. iDeCoの目的は節税ではない
  5. 転職時の資格喪失には注意を

iDeCoの運用 どうしたらいい?

いざ、iDeCoを開設したものの、運用に自信がなく、「まず何を買えばいいのか」と悩む人もいるだろう。運用といっても、ハイリスク・ハイリターンの商品ばかりではない。おなじみの定期預金という選択肢もある。最初にiDeCoでの運用について基礎的なことから学んでいこう。

iDeCoは老後資金専用の積立口座だが、ここに毎月決まった金額を積立して終わりではない。運営管理機関が設定している複数の運用商品の中から加入者が自分で商品を選んで運用していく。運用商品は運営管理機関によって異なり、3種類程度が用意されている金融機関から60種類以上の商品が用意されているところもある。

運用するうえでよく目にする「資産配分、配分変更、スイッチング」の3つの用語は、iDeCo独特のため、詳しく解説していこう。

【資産配分】
毎月の掛金で買い付けできる商品は、1種類でも良いし、複数選んでも良い。iDeCoの特徴として、運用商品を選ぶことを「資産配分」と呼び、商品は「割合(%)」で指定する。iDeCoの手続きは原則WEBで行うが、操作方法などがわからない場合はコールセンターでも対応してもらえる。

例えば口座開設した運営管理機関に、運用商品A、B、C、D、Eの5種類があったとしよう。そのうちAだけを買い付けする場合は、Aを100%と指定する。これは毎月の掛金1万円でAを購入するという意味だ。1万円の掛金のうち、4000円でAを購入し、6000円でBを購入したいという場合は、Aを40%、Bを60%と指定する。一回配分を指定すると、毎月その配分の通りに買い付けが実行される。配分は割合で指定されるので、掛金を変更しても同じ割合で買い付けされる。掛金が2万円に増額されると、Aは8000円、Bは1万2000円となる。

【配分変更】
毎月の買い付けにおける配分の変更はいつでも可能だ。例えば増額の際に、Bを50%、Cを20%、Dを30%と指定すると、その月以降毎月Bが10000円、Cが4000円、Dが6000円ずつ買い付けされる。これを「配分変更」と呼ぶ。Aはその後買い増しされることなく、それまでの残高だけが残る。

【スイッチング】
Aの残高を一部あるいは全部売却して、Eを購入することもできる。この手続きは「スイッチング」と呼び、Aを売却、Eを買い付けという指示をWEBで設定する。

元本確保型商品「定期預金、保険」の注意点

iDeCoの運用商品には、定期預金や保険商品などの「元本確保型商品」という選択肢がある。元本確保型商品は文字通り元本割れすることがない。例えば定期預金は、誰もがよく知っている銀行の定期預金をイメージしていただければ良い。

ただしiDeCoの場合、毎月新しい定期預金を始めることになる。例えば毎月の積立1万円を定期預金で運用すると決めれば、毎月1万円で新しい定期預金を始めることになる。4月からの1年定期が1万円、5月からの1年定期で1万円という具合だ。始まりが毎月ずれるので、満期も毎月ずれていく。

ここで気をつけてほしいのは、満期が月ごとに異なるということは、一括で定期預金を解約して別の商品に「スイッチング」したいなどと思ったとき、満期解約ができるものと満期日前解約となるものが出てくるということだ。その結果、満期日前解約の分は、中途解約利率が適用され当初の約束された金利より低くなってしまう。

それでも定期預金であれば、中途解約利率が適用になろうが元本が割れることは決してない。しかし保険商品の場合は、中途解約のタイミングによっては、いわゆる解約ペナルティがかかり、元本を下回ることもあるので注意したい。

元本変動型の運用商品とは