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Written by 山中 伸枝 10記事

ど素人が始めるiDeCo(2)

自分年金「iDeCo(イデコ)」は良いコトずくめで怪しい?

iDeCo,年金
(写真=PIXTA)

iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の節税メリットは分かったが、あまりにも良い事ばかりで怪しい。ひょっとして日本の年金制度が崩壊するから、自分で何とかしろという国からのメッセージなのではないか?そのように心配されている方も多いのではないだろうか。iDeCoの目的を理解するところから始めよう。

持続可能な年金制度のための3つのポイント

昨年も国会で「カット法案けしからん」とずいぶん議論になっていたが、結論から言えば、日本の年金制度を持続可能とするために決めたことをしっかり守ろうと、再認識したうえで頑張っているというのが本当の姿だ。

1つ目のポイントは、日本の年金制度は、賦課方式という助け合いの仕組みをとっており、現役世代の保険料が高齢者の生活保障に使われる。保険料を納める人達がいなくならない限り、年金財源は無くならず、高齢者は安心して老後の生活を送ることができる。

2つ目のポイントは、納められる保険料と支給される年金が同じ時間軸で実施されるので、貨幣価値が同じという点も見逃せない。これにより、年金は「物価スライド」が可能となる。物価スライドとは、物価が1%上昇すれば、支払う年金も1%上昇させ、お年寄りが安心して生活を営めるようにするルールのこと。

3つめのポイントは、支え手も受け手もどちらも努力をしているという点。支え手である私たち現役世代は、給与の約10%もの保険料を負担している。また、受け手である高齢者も前述の「物価スライド」から「マクロ経済スライド率」を調整した年金額を受け取っている。

物価スライドのルールは、物価が1%上がったら、年金も1%上げようというもの。しかしこれでは年金財源の維持が難しいので、実際の物価上昇率からマクロ経済スライド率(現在0.9%が適用)を差し引いて年金を支給するようとルールが変更されている。従って、物価上昇により生活の維持に必要なお金が増えたとしても、以前のようにそれに相当するだけ年金が上がるわけではなくなったのだ。

さらに、2016年にこのルールを強化することが決まっている」。すなわち賃金の上昇率が物価上昇率に追い付かないような場合は、賃金上昇率からマクロ経済スライドしよう、となった。そもそも年金の財源は現役世代の給与から出されるため、その実態により合わせた仕組みが取り入れられた。

何より、国の年金は高齢者の生活保障であるとともに、家族を失った方たちの生活保障、障害者の方の生活保障でもあるので、みんなが制度を維持するために努力をしている。

そもそも自分の年金額は自分の働き方次第

年金制度を維持するための国の取り組みについてはご理解いただけただろう。自分の年金はいったいいくらなのか? については、もっとシンプルな公式が成り立る。

例えば会社員であれば、国民年金と厚生年金の二つの年金制度に加入しているので、高齢期の年金も老齢基礎年金(国民年金から支払われる年金)と老齢厚生年金(厚生年金から支払われる年金)の2種類の年金を受け取ることになる。

この2つの年金の受給額を概算で算出する公式は次の通り。

老齢基礎年金:2万円×年金加入年数

例えば、20歳から国民年金に加入し、その後就職し60歳まで会社員となれば、2万円×40年で80万円が老齢基礎年金の概算となる。

「老齢厚生年金:平均年収 × 厚生年金加入年数 × 0.55%」
※厚生労働省が定めている給付乗率(0.5481%)を含む年金計算式を簡略化

例えば、25歳から60歳まで会社員として働き、その間の平均年収が600万円だとすると、「600万×35年×0.55%=115万5000円」となる。

つまり上記のケースであれば、65歳から受け取れる老齢年金は、基礎年金80万円、厚生年金115万5000円、合計195万5000円と試算できる。

お気づきの方もいると思うが、年金額を左右する要因は「平均年収」と「厚生年金加入年数」のみだ。なぜならば、国民年金は全ての人に加入義務があるため、きちんと年金に加入していれば大きな差は生じない。

しかし、老齢厚生年金は「報酬比例」とも呼ばれており、ズバリ現役時代の年収が高ければ年金も多くなり、年収が低ければ年金が少なくなるという極めて単純なルールで成り立っている。

老齢基礎年金の算式で用いた2万円というのは、国民年金に40年間加入した方が受け取る年金額が現在約80万円であることから、80万円を40年で割って求めた。

上記はあくまでも概算だが、もっと詳しく自身の年金額を知りたい場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」に登録することをお勧めする。自身の基礎年金番号(年金手帳またはねんきん定期便に記載)を入力すると、今後の働き方により自分の年金がどう変化するかシミュレーションすることも可能だ。

ねんきんネット

具体的に自分の年金額がどの程度なのかが分かると、余計に年金制度が崩壊したらマズイということがお分かりいただけるだろう。確かに200万円に満たない年金で老後の暮らしが安泰かと言われるとそれは難しいが、それでも一生涯受け取れるお金が確保できる安心感は大きいだろう。

iDeCoの最大の目的は「資産運用」

年金制度には問題点もあるが、大切な制度を維持するために、私たちはみんなが努力しているので、制度がなくなることはない。一方、自分の年金受給額は若い頃の働き方次第で変動するので、むしろしっかりとキャリアプランを持つことも大切。さらにお金に働いてもらう資産運用のスキルもこれからは必要である。これがiDeCoの目的だ。

日本の経済がこれから大きく成長することは難しいだろう。なぜかというと、経済の成長は「人口×消費」で求めることができるため、人口増加がかつてほど望めなくなったということは、成長にも限界があると解釈すべきだろう。

もしそうであれば、これまでの日本人のお金の常識を変えていかなければお金も成長しない。高度成長期は、国そのものが成長していたため、預金をしているだけで資産が勝手に増えたが、国の成長が望めない今、お金は経済成長がより期待できるところに預けなければならない。それが世界の経済成長にお金を投じることであり、すなわち資産運用となる。

さらに言うと、資産運用の成功のポイントは「長期・積立・分散」にあり、iDeCoそのものが成功する資産運用の仕組みを備えているプラットホームであると言えるだろう。やはり、iDeCoは良い事ばかりで怪しいと疑うより、多くの人にチャンスがもたらされる仕組みだと考えてよいだろう。

山中伸枝(やまなかのぶえ)
確定拠出年金相談ねっと代表 ファイナンシャルプランナー(CFP®)1993年、米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業後メーカーに勤務。これからは自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、FPを目指す。著書:「なんとかなる」ではどうにもならない 定年後のお金の教科書(インプレス)ど素人が始めるiDeCo(個人型確定拠出年金)の本(翔泳社)他

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