20代からiDeCoを始めると、加入期間が長くなることで有利に運用できるだけでなく、積立元本が増えるため節税効果が大きくなります。ただしiDeCoは途中解約ができないため、これから結婚や出産、それに伴う転職などの可能性がある女性は、加入前によく検討しておきたいところ。ここでは、具体的に将来受け取れる額をシミュレーションしながら、20代でiDeCoを始めることのメリット・デメリットについて解説します。

20代が始め時?時間のある20代のうちにiDeCoを始めるメリット

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(画像=PIXTA)

月5,000円から始められる

iDeCoは、毎月5,000円から始めることができます。「投資にはまとまったお金が必要」と思っている人は多いですが、iDeCoは老後資金の形成を目的としているため、少額からコツコツ始められるのが魅力です。

長期で運用するほど節税効果が高い

iDeCoを20代で始めることで、長期で運用できることも大きなメリットです。

例えば企業年金に加入していない年収400万円の25歳の会社員が、2.0%の運用利回りで60歳まで毎月2万円積み立てた場合、積立元本に加えて約370万円の運用益が生まれます。

iDeCoでは、この運用益に対して税金がかかりません。また、掛金が全額所得控除の対象になります。上記の条件では、年間3万6,200円×35年=126万3,600円もの節税効果を得られます。

投資期間が長期になればなるほど積立元本が増えるため、節税効果が高まるのです。

始める前に確認しておこう!20代でiDeCoを始めるデメリット

早いうちから始めるとメリットが多いiDeCoですが、デメリットもあります。特に若い女性は、これから結婚やそれに伴う転居・転職、子育てなどのライフイベントが控えています。今後のライフプランが不明確な人は、iDeCoへの加入について慎重に考えるべきです。その理由を説明します。

60歳まで引き出せない

iDeCoは、原則60歳になるまで解約できません。つまりiDeCoで積み立てたお金は、60歳まで引き出すことができないのです。

20代で加入すると、積み立てたお金を受け取れるのは30年以上も先です。よって将来のライフプランが見えないうちは、iDeCoへの加入を見送るという判断もアリです。

iDeCoの代わりに、運用益が非課税になる「つみたてNISA」を活用する手もあります。詳しくは後述しますが、iDeCoよりも安い金額で始められて、いつでも解約できるため、例えば結婚資金や留学費用の準備など、幅広い目的に使えます。iDeCoとつみたてNISAは、併用することもできます。

積立を止めても口座管理手数料は発生し続ける

iDeCoでは結婚や出産などによって収入が減ったとき、一時的に拠出を休止して積立を止めることはできますが、それまで拠出したお金の運用は続くため、口座管理手数料は発生し続けます。

つまりどんな状況でも、一度始めたら手数料だけは毎月必ず支払うことになるのです。

ちなみに掛金は、毎年1~12月の間に1回だけ変更できます。まずは少額から始めてみて、ライフスタイルの変化や仕事の状態、結婚・出産などの節目で見直すと、無理なく資産運用を続けられるでしょう。

パート主婦は節税の恩恵がない?

女性の場合、結婚や出産を機に雇用形態がパート・アルバイトなどに変わることも珍しくありません。収入が103万円以下になると所得税がかからないため、iDeCoの節税効果がなくなります。

このように、特に20代の女性がiDeCoを始めるにあたっては、いくつか検討すべき点があり、一概に「早く始めなければ損」ということはありません。早く始めるメリットはもちろんありますが、焦らず、自分のライフプランを見据えて計画的に始めることが大切です。

60歳で受け取る金額はいくら?20代でiDeCoを始めた場合のシミュレーション

ここからは、20代でiDeCoを始めた場合、60歳でいくら受け取れるのか具体的に見ていきましょう。

例えば25歳の会社員が毎月2万円を積み立てて年3%で運用できた場合、積立元本840万円に約643万円の運用益がプラスされるので、約1,483万円になります。

これはあくまで試算であり、当然利回りによって運用益は変わりますが、早く始めれば始めるほど積立元本は増えるので、その分節税効果は大きくなります。

例えば就職と同時にiDeCoを始めて、年収300万円のまま22歳から60歳まで38年間iDeCoで積み立てたとすると、概算で年間3万6000円が節税できるため、38年間で節税額が136万8,000円にもなります。

所得税率は年収が上がるにつれて高くなるため、収入が上がればさらなる節税効果を期待できます。

ただしiDeCoの運用では口座管理手数料などがかかり、利用する金融機関によって手数料の金額や運用できる金融商品が異なります。長期運用においては、毎月の小さな差額も将来の受取額に大きな影響を及ぼすため、運用商品を選ぶときには、投資信託の運用管理費用や保険商品の解約控除なども必ず確認しましょう。

あらためてチェック!iDeCo(個人型確定拠出年金)とはどんな制度?

iDeCoを20代で始めることのメリット・デメリットを解説しましたが、「iDeCoを始めてみようと思うけど、そもそもiDeCoってどんな制度だっけ?」という人も少なくないでしょう。あらためて、iDeCoとはどんな制度なのか確認しておきましょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」は、老後に受け取る年金を個人で積み立てる制度です。加入者が毎月一定額を積み立て、利用する金融機関が取り扱う定期預金・保険・投資信託などの金融商品を自ら運用し、60歳以降に年金または一時金という形で受け取ることができます。

「毎月積み立てる」ことを「掛金を拠出する」といいます。給与天引きによって拠出する以外に、iDeCo用に開設する専用口座(本人名義)からの引落によって納付することもできます。

節税するなら「つみたてNISA」よりiDeCo(個人型確定拠出年金)?

iDeCoには、運用益が非課税になるだけでなく、掛金が全額「所得控除」の対象になるというメリットもあります。ちなみに、受け取るときには「公的年金等控除」または「退職所得控除」の対象になります。

同じく節税メリットのある制度に「つみたてNISA」がありますが、つみたてNISAでは掛金は全額所得控除の対象ではなく、非課税投資枠が年間40万円で非課税期間は最長20年と定められているため、節税効果においてはiDeCoのほうが有利かもしれません。

とはいえ、つみたてNISAは最低100円からスタートでき、さらに引き出すタイミングも自由です。例えば、子どもの教育資金などはつみたてNISAで用意し、老後資金はiDeCoで準備するなど、両方をうまく使い分ける方法もあります。

フリーターでもiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用するべき?自営業の場合は?加入資格ごとの拠出限度額

iDeCoは、日本在住の20歳以上60歳未満の人であれば、原則誰でも月額5,000円から始めることができます。それ以上積み立てたい場合は1,000円単位で上乗せすることができますが、加入者の職業などによって以下のように上限金額が定められています。

職業 上限金額
公務員 月額1万2,000円
会社員(企業年金あり) 月額1万2,000円または2万円
(※企業年金の種類によって異なる)
会社員(企業年金なし) 月額2万3,000円
専業主婦(夫) 月額2万3,000円
自営業 月額6万8,000円
(※国民年金基金や付加保険料と合わせて
6万8,000円が限度)

注目したいのは、自営業やフリーターなど第1号被保険者の上限額が「6万8,000円」と大きいことです。自営業やフリーターといった収入が不安定な職業の場合、この上限額を60歳になるまで毎月支払い続けるのは難しいかもしれません。しかし退職金がない人は、その代わりにiDeCoを活用して、将来一括で大きな金額を受け取れるように準備しておくことが大切です。

ただしiDeCoでは金融商品に投資するため元本割れのリスクが伴うので、あくまでも無理のない範囲で掛金を拠出するようにしましょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)で節税しながら将来に備えよう

iDeCoは早く始めれば始めるほど、節税効果を長く得られます。また長期で運用することで、複利効果によって資産が増えやくなることもメリットです。

20代の時間を有効に使って少しずつ投資の経験を積むことで、その後の運用をより有益なものにできるでしょう。少額でもコツコツ備えておくことが、将来の自分を助けてくれるはずです。

文・木村茉衣(ファイナンシャル・プランナー)
地銀勤務を経て、IT企業にて新規事業設計・メディア事業などに従事。現在は地方創生を主軸に、中小企業・自治体の経営・PRサポートに尽力している。関心分野は行動経済学、環境経営など。暮らしに役立つ生活経営のtipsなども発信中。

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