2017年1月から公務員もiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)に加入できるようになったのだが、それから2年もたたないうちに約20万人が加入したことをご存知だろうか。年々公務員の退職金が減少しており、毎日のようにニュースで流れる「老後資金を自助努力で準備せよ」とのメッセージに敏感に反応しているからにほかならない。

ここでは公務員からみたiDeCoのメリットとデメリット、老後資金の準備にiDeCoが選ばれる理由を解説しよう。

iDcCoの3つの節税メリットとは?

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(画像=PIXTA)

iDeCoが老後資金を準備するのに最適な方法といわれる理由は何だろうか。それは次の3つの節税メリットがあるからである。

・掛金が全額所得控除
・運用益も非課税
・受取時にも一部or全額控除

この3つメリットを、それぞれ解説していこう。

iDeCoの節税メリット①掛金が全額所得控除

iDeCoの節税メリットの1つめは、加入者が毎月拠出する金額を、全額所得から控除することが可能なことだ。例えば、掛金が毎月1.2万円の場合、その全額が税額軽減の対象となり、所得税を20%、住民税を10%とすると、年間3.6万円の税金が軽減される。

iDeCoの節税メリット②運用益も非課税

2つめは運用益や分配金が非課税であることだ。通常の金融商品で資金を運用する場合は、2019年7月現在なら所得税と住民税合計で20.315%の源泉分離課税がかかる。非課税の運用益を再投資することで、他金融商品に比べ有利に運用することが可能だ。

iDeCoの節税メリット③受取時にも一部or全額控除

3つめは、受取時にも所得控除されることだ。一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金控除」となる。退職所得控除は勤続年数によって控除される金額が増減する。勤続年数20年以下は「勤続年数×40万円」、勤続20年超であれば「800万円+70×(勤続年数-20年)」となる。

公的年金控除は国税庁よると次のとおりである。例えば、65歳未満の方が公的年金等の収入金額が300万円だった場合、300万円×75%ででてきた数値から37.5万円を引いた額、187.5万円が公的年金等の収入額における雑所得だ。

公的年金等に係る雑所得の速算表

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(画像=国税庁HPより)

iDeCoを扱うネット証券会社を比較

主なネット証券の手数料・取り扱う投資信託数(2019年6月4日現在)
口座管理料(月額) 加入・移換時の手数料 運営機関変更時の手数料 投資信託
164円 2,777円 4,320円 83本
164円 2,777円 4,320円 31本
164円 2,777円 4,320円 24本
164円 2,777円 4,320円 11本

公務員がiDeCoを利用する際の注意点やデメリット

掛金の上限額が少ない

公務員のiDeCo掛金上限額は年額14.4万円で、自営業者の81.6万円に比べると圧倒的に低い。これは公務員が自営業者に比べて共済年金の制度があるなど有利な立場にあるため、iDeCoの上限額に差をつけることで、公平性を担保しようというものである。

しかし、年額14.4万円といっても4年制大学卒業後に加入し、60歳受取を想定した38年の運用とすれば、掛金の合計は547.2万円ということになる。この金額を多いとみるか少ないとみるかはその人次第ではあるが、少ないと思う場合は、他の手段も並行して準備する方がよいです。

60歳まで資産を引き出せない

iDeCoは60歳にならないと原則として資産を引き出すことができない。そして加入期間が短いと、年金受給の開始時期がさらに遅くなる。

60歳から年金資産を受け取るには加入期間(通算加入者等期間)が10年以上必要だ。通算加入者等期間が10年に満たない場合は、受給可能な年齢が上がる。受給開始年齢については、下図を参考にしてほしい。

加入期間等に応じた受給開始年齢
10年以上→60歳 8年以上10年未満→61歳
6年以上8年未満→62歳 4年以上6年未満→63歳
2年以上4年未満→64歳 1年以上2年未満→65歳

(iDeco公式HPより)

税制のメリットという点では似たような制度だが、このような期間の縛りがないものに「つみたてNISA」がある。iDeCoで掛金上限額を拠出しても足りないと思う方は、こちらも確認してみてほしい。

参考記事:iDeCoとつみたてNISAの違いを徹底比較 2つを併用できるの?

iDeCoの「60歳までお金の引き出しができない」という点はデメリットであるが、自由に引き出しができると使ってしまう人にとっては、逆にメリットに感じるのではないだろうか。

受け取るときに課税される場合がある

iDeCoで積み立てたお金を受け取るときの所得軽減は、メリット③にて説明したとおり上限がある。退職所得控除であれば、勤続20年以下なら「40万円×勤続年数」の計算式より大きい金額を受け取る場合、超過分が課税対象となる。勤続20年超であれば「800万円+70×(勤続年数-20年)」の計算式より大きい金額を受け取る場合に超過分が課税対象となる。

また、公的年金控除も、先の説明に掲載した国税庁による「公的年金等に係る雑所得の速算表」の控除額を超えた収入がある場合は課税される。公務員の場合は共済年金制度もあるため、一時金で退職所得とするか、年金で雑所得とするかは、事前に検討しておいた方がいいだろう。

元本割れ

iDeCoは将来受け取ることができる金額が確定しているわけではない。給付金額は運用成績により変動するからだ。自身で運用先を決定し、受け取る額はその運用成績により変動する仕組みとなっている。

もちろん運用なので商品の中には元本が確保されていないものもある。その結果に元本割れという可能性は否定できない。運用益より安全性を選ぶか安全性より運用益を選ぶか、商品の特徴をよく理解したうえで運用商品を選ぶ必要がある。

公務員がiDeCoを始めた場合のシミュレーション

公務員がiDeCoを始めた場合のシミュレーションを10秒でできるサイトを紹介しよう。それは楽天証券のHPである。そこでは自分が何歳からいくらずつ積み立てたいかを入力すると、トータルの節税額が詳細に算出される。

仮に年収500万円の35歳公務員の方が毎月上限額である1.2万円を25年間拠出した場合、積立時の節税(所得税・住民税)金額は72万円となる。運用益(年間3%運用)に対する節税金額が約35万円となり合計節税効果は100万円超にも及ぶ。

この数字を無視できないと思う方は、シミュレーションにて長期の積立効果と節税効果を確認してみよう。

公務員にも人気のiDeCo

公務員のiDeCo加入率は4.5%で、全公務員445万人のうち約20万人が加入している(2018年8月末)。要するに公務員の約20人に1人がiDeCoに加入しているのだ。加入率は自営業者で0.8%、企業年金のないサラリーマンは2.4%、企業年金のあるサラリーマンだと0.7%なので、公務員の加入率の高さが際立っている。

iDeCoは解説してきたとおり長期にわたっての資産形成が可能で、税制の優遇を受けることができる制度だ。それだけでも十分人気となる理由といえるが、加入対象者の中でも特に公務員の人気を集めているのはなぜか。

公務員の退職金は2011年以降に15%減少

まず考えられるのは、公務員の退職金が大幅に減少しているため、その穴埋めをしようとiDeCoを利用するパターン。退職金の減少については内閣官房にて公表している数値を確認してほしい。

公務員と民間企業の退職金と差額
民間企業(万円) 公務員(万円) 差額
2001年 2790.8 2948.0 157.2万円(5.6%)公務員が上回る
2006年 2980.2 2960.1 20.1万円(0.68%)民間企業が上回る
2011年 2547.7 2950.3 402.6万円(15.8%)公務員が上回る
2016年 2459.6 2537.7 78.1万円(3.08%)公務員が上回る

(人事院の「民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果)を参考に作成

公務員の退職金は2011年まで2950万円前後だったが、2016年には2530万円と15%程度減少している。民間企業の下落が激しく、それにあわせるように減っているのがおわかりになるだろうか。

公務員の退職手当の支給水準については、概ね5~6年ごとに実施する民間企業の退職金実態調査によって官民比較を行っている。その結果、民間の退職金との均衡を基本に見直しを行ってきている。民間企業の退職金が減少すれば、後を追うように公務員の退職金も減少するということだ。

特に確認しておきたいのは、2011年の調査で民間企業との大きな差が確認された後の格差是正策だ。まず公務員の共済年金が2015年10月に厚生年金と統合した。そして共済年金の3階部分であった職域加算部分は廃止され、新たな3階部分として「年金払い退職給付」制度が創設されたが、それまでより少ない給付額となった。

共済年金の3階部分の改正
職域加算(廃止) 年金払い退職給付(創設)
・支給形態は終身年金
・保険料負担はなし
・現役世代の保険料が退職者に支給される(賦課方式)
・原則65歳から支給が開始される(60~70歳の間で繰り上げ下げが可)
・支給形態は半分が有期年金(10~20年)、残りが終身年金
・新たに保険料負担が発生する
・保険料を自分で積み立て、退職後に受け取る(積立方式)

今後の退職金も減少傾向

公務員の退職金は5~6年ごとの見直しなので、次は2021~22年ということになる。2016年の調査では大きい格差が確認されなかったため、次の見直しまでは緩やかに推移していくことが想定される。

前述のとおり公務員の退職金が民間企業の退職金の後追いをする関係にあるのであれば、気にしなければいけないのは民間企業の退職金が今後どうなるのかということになる。

厚生労働省の就労条件総合調査では、現状の民間企業における退職金給付率は約2割。1989年には給付率が約9割を超えていたことから給付率の減少は著しい。このまま人口減少による経済不況もあわせて考えると、給付率回復の見込みは薄いと考えるのが自然だろう。

iDeCo活用のすすめ

iDeCoは、自身の老後資金準備のために国が用意した制度といえることがおわかりになっただろうか。つまり「自助努力をせよ」というメッセージに他ならない。そのため民間企業が用意している金融商品とは比べ物にならない税制メリットがある。それは、拠出額全額所得控除、運用益非課税、受取時は一時金であれば退職所得控除、年金であれば公的年金控除を受けることが可能だ。

そして民間企業の退職金に比例する公務員の退職金は、民間企業の上昇が見込めない以上減少傾向にあり、それを埋めるためには自助努力で老後資金を準備しなければならない。しかし公務員は民間企業より安定した収入があり失業の懸念も少ないため、安心して給与の一部を投資に充当することが可能だ。資産運用の方法は数あれど、大きな税制メリットを享受しながらも運用が可能な金融商品は少ない。この機会にiDeCoの利用を検討してみてはいかがだろうか。(ZUU online 編集部)

iDeCoを扱うネット証券会社比較

主なネット証券の手数料・取り扱う投資信託数(2019年6月4日現在)
口座管理料(月額) 加入・移換時の手数料 運営機関変更時の手数料 投資信託
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