節税効果に優れるiDeCo(イデコ)には、実は様々な落とし穴がある。元本保証型のはずが元本割れ、住宅資金として利用したいが引き出せない、人によっては節税効果が薄い。このような事態を避けるためにも、ぜひiDeCoの注意点について知っていただきたい。

落とし穴1 NISAと違い60歳まで引き出せない

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(画像=Kelly Marken/Shutterstock.com)

iDeCoは、税制優遇がある制度としてNISAと間違えられやすい。しかしNISAとは違い原則として60歳まで積み立てた資産を引き出すことはできない。ただし加入者が死亡した場合や高度障害状態になった場合、脱退の要件を満たした場合は60歳未満であっても引き出すことが可能だ。

加入者のほとんどは60歳以降での受取りとなるので、住宅購入資金や子供の養育費など60歳までに必要な資金をiDeCoで運用することは避けなければならない。あくまでiDeCoは老後資金を貯めるための制度である。余裕資金かどうかを十分検討して拠出していただきたい。

落とし穴2 毎月の積み立て停止中にも手数料がかかる

iDeCoは一切手数料がないと誤解している方もいるが、実はある程度の手数料は必要だ。基本的な手数料として、まず加入時に国民年金基金連合会に2,777円の口座開設手数料を支払う必要がある。口座開設後は事務手数料として国民年金基金連合会に月々103円、資産管理手数料として信託銀行に月々64円、さらに運用管理手数料として利用金融機関ごとに異なるが手数料が必要な場合もある。なお信託銀行に支払う月々64円の手数料は、掛金の支払いを停止した場合でも毎月発生する。

60歳以降に給付金を受け取る際にも、1回につき信託銀行へ432円の手数料を支払う必要がある。金融商品の購入手数料などが無料と宣伝する金融業者も多いが、それ以外の手数料が上記の通り必要になる。月の掛金の金額が少ない場合は、手数料負けしてしまう可能性もあるので要注意だ。

落とし穴3 元本保証ではない

確定拠出年金という名称から、iDeCoは元本保証の年金制度というイメージを持つ方も多い。しかしiDeCoは公的年金と違い元本保証ではない。iDeCoでは運用の指図を加入者自らが行うので、金融商品の選択によって運用中に元本割れを起こす可能性もある。金融商品の選択次第で60歳以降に受け取れる金額は変化するため、最終的に受け取れる金額は人によってまったく異なる。

金融商品の中には元本保証型の金融商品もあるが、預貯金などと違いiDeCoでは手数料が1回の掛金ごとに発生する。そのため元本保証型の金融商品であっても、手数料を考慮すると実質的に元本割れとなってしまう可能性もある。

落とし穴4 金融機関によって選べる金融商品が違う

iDeCoに加入する際には、金融機関を利用することが必須だ。どの金融機関を選ぶかによって、iDeCoで運用可能な金融商品のラインナップは大きく変わる。たとえばA証券では35本の投資信託の中から選択できるが、B銀行では20本からしか選択できないといった具合だ。

積極的な運用をするために外国債券や外国株式などに投資したいと考えている場合でも、金融機関によっては取り扱いがない場合がある。iDeCoに加入する際は、その金融機関のiDeCo取扱い金融商品をしっかりと確認して頂きたい。

落とし穴5 節税効果が人によっては薄い場合も

節税効果が高いことが魅力のiDeCoだが、人によっては効果が薄い場合もある。例えば夫がサラリーマン、妻が専業主婦の場合だ。夫がiDeCoに加入する分には節税効果が期待できるが、専業主婦である妻にはそもそも所得がない。妻は住民税や所得税を支払っていないため、iDeCoでの節税ができない。

また住宅ローン控除やふるさと納税を利用し、所得税・住民税がすでに安くなっている方も、iDeCoの節税効果が薄くなる場合もあるので注意が必要だ。

落とし穴6 掛金は人によって上限が違う

毎月の拠出金額が全て所得控除の対象となるiDeCoでは、なるべく多くの掛金を毎月支払って所得控除額を多くしたいと考えている方も多い。しかし毎月の掛け金の上限は人によって違い、月額上限が6万8,000円の方もいれば、1万2,000円の方もいる。

具体的には自営業者・学生などが月額6万8,000円、専業主婦などが月額2万3,000円、サラリーマンの方は他の年金制度への加入状況によって多少異なるが、上限は月額1万2,000円から2万3,000円だ。公務員は月額1万2,000円だ。

落とし穴7 実はiDeCoに加入できないかもしれない

iDeCo は20歳以上60歳未満であれば会社員、派遣社員、パート・アルバイト、専業主婦、学生など、どんな方でも原則加入が可能だ。ただし、海外に住んでいる方や国民年金を支払っていない方は残念ながら対象外だ。

会社員でも対象外の場合もある。会社が企業型の年金に加入していて、規約でiDeCoへの加入が認められていない場合は残念ながら加入することができない。気になる方は会社の担当者に問い合わせていただきたい。

様々なメリットがあるiDeCoだが、実は意外な落とし穴も存在している。iDeCoを利用し老後の資金を効率良く貯めたい方は、ぜひ今回の注意点にも留意していただきたい。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)/MONEY TIMES

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