老後資産形成のための手段としてiDeCo(個人型確定拠出年金)を始める投資家が増えている。iDeCoを始めるには、運用を行う金融機関で口座を開設し、手続きを行う必要がある。今回は数ある金融機関の中から松井証券をピックアップ。手続きの方法や、必要な手順、注意点などを解説していく。
松井証券でiDeCoを始める方法は?
iDeCoを始める方法は、現在の加入状況などによって手続きが異なる。年齢や条件によって加入できない場合もあるため、それぞれの場合について解説していこう。
iDeCoに新規加入する場合
まずはiDeCoに新規加入する場合の手続きについて紹介する。
① 松井証券のWEBサイトから申し込み書を請求
松井証券の公式WebサイトにアクセスしiDeCoの申込・資料請求ページより手続きを行って申込書を請求する。申し込み画面で「初めてiDeCoを利用する」を選択すること。送付される申込書類は以下のようなものだ。
・個人型年金加入申出書
・預金口座振替依頼書 兼 自動払込利用申込書
・掛金配分指定書
・事業所登録申請書 兼 第2号加入者に係る事業主の証明書 など
被保険者区分ごとに提出書類は少し異なるため、送付された資料をきちんと確認すること。すでに松井証券に口座を持っている場合は、会員サイト「ネットストック」にログインし、画面の左下にあるiDeCo申込ボタンまたは、口座管理画面の各種口座開設状況から申し込みができる。
② 申込書類の記入・返送
加入申込書類が届いたら、必要事項を記入し同封された返信用封筒で返送する。書類が松井証券に届いたら、国民年金基金連合会で審査が行われ、手続き完了までは1~2カ月必要だ。
③ 手続き完了・通知書類の到着 加入審査が完了したら、以下の書類が届く。
・個人型確定拠出年金確認通知書
・口座開設のお知らせ
・コールセンター/インターネットパスワード設定のお知らせ
個人型確定拠出年金確認通知書は国民年金基金連合会、残り2つはJIS&T社から封書で送付されるので大切に保管すること。
企業型確定拠出年金からiDeCoに変更する場合
① 松井証券のWEBサイトから申し込み書を請求する
企業型からの移換の場合も、松井証券の公式Webサイトにアクセスし、iDeCoの申込・資料請求ページから手続きを行う。申し込み画面では「転職や退職で企業型確定拠出年金等からiDeCoへ移管する」を選択すること。送付される必要書類が変わるので間違えないようにしよう。送られてくる書類は以下の通りだ。
・個人型年金加入申出書
・預金口座振替依頼書 兼 自動払込利用申込書
・掛金配分指定書
・事業所登録申請書 兼 第2号加入者に係る事業主の証明書
・個人別管理資産移換依頼書
・移換時配分指定書 など
被保険者区分ごとに提出書類は少し異なっているので、確認を怠らないようにしたい。
② 申込書類の記入・返送
加入申込書類が届いたら、必要事項を記入し同封された返信用封筒で返送する。
③ 手続き完了・通知書類の到着
加入審査が完了したら、以下の書類が届く。
・個人型確定拠出年金確認通知書
・個人型年金移換完了通知書
・口座開設のお知らせ
・コールセンター/インターネットパスワード設定のお知らせ
・お取引報告書
個人型確定拠出年金確認通知書と個人型年金移換完了通知書は国民年金基金連合会、残り3つはJIS&T社から封書で送付される。
松井証券以外の金融機関から乗り換える場合
① 松井証券のWEBサイトから申し込み書を請求する
他の金融機関から松井証券に移管する場合も、松井証券の公式Webサイトにアクセスし、iDeCoの申込・資料請求ページから手続きを行う。手続き内で「すでにiDeCoを利用しており、現在の金融機関から松井証券に取引を変更する」を選択する。送られてくる書類は以下の通りだ。
・加入者等運営管理機関変更届
・移換配分指定書
・掛金配分指定書 など
こちらも加入資格ごとに提出書類が異なるのでしっかり確認しよう。
② 申込書類の記入・返送
加入申込書類が届いたら、必要事項を記入し同封された返信用封筒で返送する。
③ 手続き完了・通知書類の到着
加入審査が完了したら、以下の書類が届く。
・移換完了通知書
・口座開設のお知らせ
・コールセンター/インターネットパスワード設定のお知らせ
・お取引報告書
書類はすべてJIS&T社から封書で送付される。
松井証券にiDeCo口座を開設したあとは?
iDeCoの申し込みを行った後は、積立を開始するための手続きを行わなくてはならない。口座開設後の手順について解説していく。
掛け金の引き落としを設定する
まずは掛け金の引き落としを設定する。松井証券の口座を開設している場合は「iDeCo口座情報登録」画面で、JIS&T社から送付された口座番号とパスワードを入力して設定しよう。松井証券の口座を開設していない場合でもJIS&T社のサイトにログインすることで掛け金の配分指定などを確認することが可能だ。しかし他の資産運用とのバランスを考えるためにも、松井証券で口座を開設し、一元管理することをおすすめする。
資産の運用状況を把握し、管理する
資産運用を開始したら、定期的に運用状況を確認し、状況に応じて配分比率などを見直していく。運用状況の「自価」の推移を定期的に確認し、投資の目標額にズレが生じていないかを確認することを「モニタリング」、資産配分を当初の割合に戻すことを「リバランス」、資産運用の方針を再検討することを「リアロケーション」という。
定期的なモニタリングと、適切なリバランス、リアロケーションを行うことでより効果的な資産運用を行うことができる。松井証券の口座を開設すると、投資信託画面でわかりやすくiDeCoの残高を確認することができるため、運用状況を確認しやすい。
モニタリングは毎日行う必要はないが、年に1、2回は必ず行っておくこと。忘れがちなため、誕生日やなにかの記念日など行う日にちを決めておくと良い。
松井証券でiDeCo口座を開設する際の注意点
iDeCo口座を開設する時に気をつけておきたい注意点について解説しておこう。
勤め先の事業主から許可をもらう
iDeCoに加入するには、勤め先の事業主から許可をもらう必要がある。加入者となる従業員を雇用している場合、事業所は国民年金基金連合会に事業所登録をする必要があるからだ。また事業所が規約でiDeCo加入できることを定めておく必要もある。
すでに規約がある場合はよいが、自分が初めてのケースとなる場合はiDeCoに加入したい旨を伝えて手続きを行ってもらうこと。
資産運用の一種なので元本割れのリスクがある
iDeCoで取り扱う投資信託は、投資の一種だ。元本は保証されておらず、運用状況によっては損失が出る場合もある。信託報酬などの諸経費も必要だ。
したがってiDeCoはあくまで投資であることを頭に入れておき、きちんと運用していくことが大切となる。株式投資やFXのように毎日市場をチェックする必要はないが、定期的にモニタリングを行い、自分の目標額に合わせてリバランスやリアロケーションを行うことでより効果的な資産形成を行っていこう。
iDeCoの仕組みを理解して将来の資産計画を立てよう
松井証券でiDeCoを始めるために必要な手続きや、手順について解説した。松井証券は運営管理手数料が無料となっており、iDeCoを始めるのにも適した証券会社となっている。
iDeCoはきちんと仕組みを理解して始めることで、老後資産形成にとても役立つ制度だ。公的年金制度の支給額に不安がある日本では、より積極的に行える老後資産形成としてiDeCoへの注目が高まっている。上手に制度を活用し、将来の資産計画を立ててほしい。