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投資の応用
Written by 安東隆司 20記事

元プライベートバンカーが語る(15)

「年収が高い人」ほど投資に積極的 富裕層は何を選ぶのか?

年収が高い人ほど投資に積極的と聞いてどう感じるだろうか。
QUICK資産運用研究所が2016年12月に行ったアンケート(回答者5104名)によると、年収200万円未満の層のリスク性商品の運用経験者は22.9%、年収300万円未満は27.6%、年収400万円未満は29.7%、年収500万円未満は29.7%となっている。年収500万円未満ではリスク商品への投資経験者はいずれも3割未満ということである。

しかし年収の増加に伴って、リスク性商品の運用経験者の比率もなだらかに増加している。年収600万円未満は34.9%、年収800万円未満は35.9%、とリスク性商品への投資経験は年収増加と共に更に増加し続け、年収1000万円未満では46.1%となっている。そして年収1000万円以上では53.1%がリスク性商品への投資経験がある。

金融資産3000万円以上では60%以上が経験者

富裕層,年収,ETF
(写真=Thinkstock/Getty Images)

同様に金融資産の保有額の階層別での分析でも、金融資産保有額の増加と共にリスク性商品への投資比率の増加傾向が見える。

保有金融資産が100万円未満の層でリスク性商品の運用経験者は15.1%、300万円未満は26.3%、500万円未満は28.0%、1000万円未満は38.4%、2000万円未満は47.6%となっており、保有額が増えているほどリスク性商品の運用経験が増加している。

そして3000万円未満は60.5%と6割を超え、5000万円未満では63.5%、1億円未満では75.7%となり、1億円以上では初めて比率が下がるが64.9%となっている。

年収が増えると投資経験がなぜ増えるか

なぜ、収入や金融資産が増えるとリスク性商品の投資経験が増えるのだろうか? 筆者は5つの要因があると見ている。

1)投資に回す余裕の有無

収入が少ない層では生活以外に使用できる余剰資金が少ない。投資に回す余裕が無いとも言える。

2)年収増加による、本人のリスク許容度の増加

年収の増加によって生活以外に使用できる資金も増加する。「少しやってみよう」という気持ちの増加が考えられる。別の側面で捉えるならば「少しなら損しても大丈夫」というリスクに対する危機意識が薄れ、リスクを取って運用する「リスク許容度」が増加したとも考えられる。

3)営業目線での「適合性」リスクマネジメント

投資家保護の観点から「販売しても良いお客様かどうか」という適合性の原則を守ることが金融機関には求められている。

適合性の原則とは、顧客の知識、経験、財産の状況、商品購入の目的に照らして不適当な勧誘をしてはならない、というルールである。営業員が「年収200万円の顧客に200万円のリスク商品を勧誘」した場合を仮定する。管理部門担当者としては、リスクが高すぎると考えられる場合は、ストップをかけないと管理者としての資質の危機となる。顧客の年収も資産も高い方が高いスク許容度と考え易い。

4)営業担当者の「見込み客比率」の増加

リスク性商品を顧客に勧誘するために、1件あたりにかかる事務手続き時間はあまり変わらない。投資金額2000万円と、投資金額200万円で説明時間が変わらないとすれば、2000万円は効率が良い。200万円顧客の10件分だ。

年収が高い顧客、保有金融資産が多い顧客は結果として、営業担当者の積極的なアプローチ先・見込み顧客「ターゲット」として浮上する可能性が上がってくるわけだ。

5)「おカネに働いてもらう」意識の上昇

賃貸アパートを多数保有している地主は、特別に自身で働かなくても毎月の賃料だけで生活が成り立っている場合がある。「おカネに働いてもらう」意識が高いのだ。金融資産でも同様に「おカネに働いてもらう」、投資を活用しようとする意識が徐々に高まっていると考えられる。

リーマンを経て富裕層が注目し始めた金融商品とは?

営業員がこぞってセールスを行う富裕顧客には、おのずと様々な情報が集まってくる。営業員のセールストークを鵜呑みにしない金融知識が身についてくる。QUICK資産運用研究所によると、金融知識が高いほど「換金性」「手数料」重視の傾向がみられるという。

1)流動性(換金性)を重視する

リーマンショック時点では多くのヘッジファンドが解約停止という状況に追い込まれた。不動産もすぐに換金ができるわけではない。そこで換金性の高いETFなどの商品に注目する投資家が増加するといった傾向もみられた。

2)コスト(手数料)を重視する

リーマンショックで投資を見直した投資家は、高い手数料を支払っているアクティブ・ファンドの成績が、市場平均に比べて低い事実に直面した。支払う手数料が高いために、投資家リターンが低くなっているのでは、と考えたとしても不思議はない。販売手数料がゼロ、信託報酬が低くコストの安いETFはここでも商品性の優位で注目を浴びた。

リーマンショック後の2008年9月から2009年3月の間に、日本の投資家が購入・契約した金融商品を調査した野村総合研究所のアンケートによると、金融資産5億円超の「超富裕層」は海外ETFを挙げていた。しかしその他の階層の投資家は海外、国内ともにETFを挙げていなかった。

事実、ETFの残高は驚くスピードで増加しているのだ。2008年に6820億ドルであったETFの残高は、2016年には3兆5480億ドルと、わずか8年で5倍規模になっている。しかしこの状況を知るのは富裕層を中心とした、金融知識の高い層に限られていることもまた事実である。

安東隆司(あんどう・りゅうじ)この筆者の記事一覧
RIA JAPANおカネ学株式会社代表取締役。CFP®ファイナンシャル・プランナー、元プライベート・バンカー。日米欧の銀行・証券・信託銀行に26年勤務後、独立。お客様サイドに立った助言を実践するためには高い手数料は弊害と考え、証券関連の手数料を受け取らない内閣総理大臣登録の「投資助言業」を経営。著書に『iDeCo おしえてあげる 1時間でわかる版

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