スイスUBSは、毎年「不動産バブル指数」を発表しています。2015年の1位はイギリスのロンドンでした。さて、最新版の2016年はどんなランキングだったのかみていきましょう。
不動産バブル指数ってなに?
不動産バブルとは、不動産の価格が高騰することをいいます。日本でも、1986年から1991年まで、地価が上昇し好景気に沸くバブルの時代がありました。1990年代にバブル景気がはじけ、地価や株価が下落していきます。日本経済は不況に陥り、有名企業が多数倒産しました。
不動産バブル指数とは、スイスの大手銀行であるUBSがまとめた指数です。バブルの兆候があるかどうかを示すもので、毎年レポートとして発表されます。単に不動産の価格が高いというのではなく、経済成長に見合った動きをせずに過剰な価格高騰がみられることなどを指数として表します。指数が高ければバブルがはじけてしまう危険性が高いことを示します。
不動産バブルが起こると、一般人が不動産を手に入れにくくなってしまいます。また、実態にそぐわない価格の暴騰により、バブルがはじけてしまったときに資産価値が目減りしてしまうことになります。
2015年のレポートでは、イギリスのロンドンと香港の2都市にバブルの兆候があるとされました。今回、2016年9月にUBSが最新版を発表しています。
気になる「不動産バブル指数」ランキングは?
2016年版の「不動産バブル指数」算定によれば、バブルの兆候がある都市は6都市となっています。
● 6位 香港(中国)
2015年は第2位だった香港は若干指数が下がりましたが、2016年もバブルの兆候がある都市とされています。
● 5位 ミュンヘン(ドイツ)
商業都市であるミュンヘンはドイツでもっとも不動産価格が高い場所となっています。
● 4位 シドニー(オーストラリア)
アジア・太平洋地域では最上位となっているものの、不動産価格の上昇は減速傾向にあります。
● 3位 ストックホルム(スウェーデン)
新築物件の建築、高騰が続き、一般市民にはマイホームを手に入れることも難しい状態です。
● 2位 ロンドン(イギリス)
2015年に第1位だったイギリスのロンドンですが、EU離脱などの影響により下落傾向にあります。
● 1位 バンクーバー(カナダ)
バンクーバーは世界一住みやすい都市ともいわれていますが、UBSによると2007年以降過大評価傾向にあり、ここ10年間価格の高騰が続いています。
この6都市は、1年間で住宅価格が平均50%上昇しています。
日本はどのくらいの位置?
日本では東京が第12位に入っています。バブル期に不動産投資がブームとなりましたが、現在ではそれほど盛んではありません。不動産投資は、借り手がいることで成り立つ投資ビジネスです。とくにオフィスが入る高層ビルは、不景気によって会社自体の数があまり増えていないこと、コスト削減で賃料の高い高層ビルなどに入居しないことなどの理由から盛んな投資は行われていないのが現状です。
一般住宅の場合も、人口減少により借り手の数が減少しています。そのため、不動産投資を気軽にするという傾向はあまりなくなってきています。
不動産投資をはじめようとする人が少なければ全体的に不動産の需要が伸び悩み、価格もそれほど上昇せずに済むということになります。もちろん、会社も一般の人も一定数の借り手は存在するため、一定の需要はあります。
ニーズを的確につかみ、それに応えるような不動産を提供することができれば、十分なリターンを得ることにつながるかもしれません。
不動産バブル指数で景気を先読みすることも
不動産バブルがはじけてしまうと景気が落ち込んでしまう傾向があります。また、不動産投資信託であるリートに投資する場合も不動産バブル指数が参考になりそうです。不動産投資を考えている人も不動産投資による投資信託を考えている人も不動産バブル指数をチェックして参考にしてみましょう。(提供: 不動産投資セミナー )
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