日本電産 <6594> が4月25日に発表した2017年3月期連結決算によると、売上高は前年同期比1.8%増の1兆1993億円、営業利益は同19.3%増の1403億円、税引前純利益は同21.4%増の1423億円、純利益は同24.2%増の1117億円となった。
同社は2017年3月期より国際会計基準(IFRS)を採用しているが、単純比較で純利益は4期連続の過去最高益となった。
家電向けモーターが過去最高益をけん引
業績を支えているのは、「車載及び家電・商業・産業用」製品グループの伸びである。同グループの売上高は前年同期比3.1%増の5721億円、営業利益は同27%増の581億円となっている。内訳を見ると、家電製品用モーターを中心とする家電・商業・産業用分野が売上高で前年同期比9.7%増と大きく伸びている。一方、車載用モーターを中心とする車載分野の売上高は同3.8%減となった。
もう一つの主力事業である「精密小型モーター」製品グループは伸び悩んだ。HDD用モーターが中心となる同グループの売上高は前年同期比2.4%減の4371億円、営業利益は同5.0%減の679億円となっている。
車載分野やHDD用モーター分野は為替の影響を大きく受けた。対米ドル、ユーロ共、前期比約10%の円高となっている。為替の影響は全体の売上高で約1074億円、営業利益で約167億円の減収減益要因となった。
同社は2018年3月期の連結業績予想について、売上高は前期比12.6%増の1兆3500億円、営業利益は同14.0%増の1600億円、税引前純利益は同11.1%増の1580億円、純利益は同11.9%増の1250億円としている。想定為替レートは1ドル=105円、1ユーロ=110円と足下の水準と比べ、保守的に見積もった。