各地の投資セミナーで講演を行うと、決まって「今すぐにお金を増やしたい」「早く値上がりする株を教えてください」という質問を受けます。しかし、残念ながら、それを実現しようとすると極端にハイリスク・ハイリターンになってしまうでしょう。これはもはやギャンブルで、運のような要素が関わってきてしまいます。
(本記事は、JACK氏著『0円から2億円を稼いだJACKさんのお金の増やし方入門 単行本 』スタンダーズ (2017/4/27)の中から一部を抜粋・編集しています)
投資の目標は「最低ライン」と「最高ライン」の2つをたてる
「お金を増やさないと」と焦る気持ちはわかります。しかし、だからこそ、確実に資産を増やしていくためにも、まずは時間を味方につけることからはじめましょう。私たち個人投資家は、時間を有効に使って、余裕をもって利益を狙うことができます。これが最大の強みとなることを、頭によく入れておいてください。
次に考えることは、投資の目標です。
今ある資金を、いつまでにいくらにしたいですか?
こう質問すると、色々な答えが返ってきます。この金額設定は、意外と難しいものです。というのも、投資に限りませんが、目標というものは、低すぎると簡単に達成でき、高すぎると達成できなくなってしまうものだからです。そしてどちらの場合も、モチベーションに影響がでるのが一般的です。したがって、ちょうどいい水準の目標を立てることが求められます。そこで提案したいのが、最低ラインと最高ライン、2つの目標を立てることです。
私は、「月に最低50万円、理想は月100万円の稼ぎ」、「年間で少なくとも500万円、あとは1000万円以上の稼ぎに近づける」といった具合に、目標の最低ラインと理想ラインを伝えるようにしています。こうすることでまずは最低ラインの達成を目指して努力し、それが達成出来たら次は理想ラインに向かっての取り組みをすることができるため、モチベーションも持続しやすいのです。
もっとも、種銭の金額が多いほど、目標の金額に近づくことは言うまでもありません。本書で紹介する投資法は、ローリスクでざっくり運用資金の5%を稼ぎ出すことを目標に設定しています。ここを最低ラインの目標にしていただき、理想ラインの目標を新たに設定し、その実現に向かって努力していただければと思います。
投資はあくまで余裕資金で 資金として最低10万円を捻出しよう
目標を決めたら、すぐに実践したくなるかもしれませんが、その前に1つだけ、肝心なことをお話しておきます。それは、投資はあくまでも余裕資金でするということです。
はっきりした定義はありませんが、余裕資金は当面使わないお金、損しても生活に困らないお金のことを指す言葉です。「命金(生活に必要なお金)には手をつけるな」という格言があるほどです。決して、日々の生活費を削ったり、教育費やお小遣いを削ったりしてまでやるものではありません。
「でも、そうでもしないと余裕資金なんてない……」という方もいらっしゃるでしょう。投資をするためには、最低10万円は必要だというのが私の考えです。その資金がない方は、第2章で紹介する節約術・小銭稼ぎ・不用品の処分などを行い、まずは何とかして10万円を捻出してください。
また、「時間を味方につけるならば、一刻でも早くはじめたほうがいい」と、特に若い方は思われるかもしれません。それは確かにそのとおりなのですが、投資は何も焦ることはありません。究極的な話になりますが、投資をしない間は、投資によるリスクはゼロです。もちろん、リターンもありませんが、投資の結果によって今ある資産が減ることはないという安心感はあるでしょう。
証券会社は手数料の安いネット証券を選べ!
10万円が用意できたら、いよいよ本格的な投資のスタートです。本書で説明する投資の大部分は証券会社ですることができます。ですので、まずは証券口座を開設しましょう。
証券会社には大きく分けて店舗証券とネット証券があります。店舗証券は文字どおり、駅前などに銀行のように店を構える証券会社です。担当者と直接対面したり電話したりして投資を行います。
対するネット証券は店舗を持たず、ネットで売買できる証券会社です。このうち、今回口座を開いていただきたいのはパソコンやスマートフォンで取引を行うネット証券の口座です。
その理由は手数料にあります。一般的に、店舗証券の手数料はネット証券の数倍から数十倍。とても高いのです。これだけ手数料が違うと、投資の成績にも大きく影響してきます。
また、注文から売買成立までの時間もネット証券の方が早いのです。今はスマートフォンやパソコンでいつでもどこでも、簡単に注文ができる時代なのです。「スマホやパソコンが苦手」「まだガラケーを使っている」という方も、ここは奮起してチャレンジしていただければと思います。
なお、口座開設の際に、2つほど注意していただきたいことがあります。
1. 口座の種類は「特定口座」の「源泉徴収あり」を選ぶ
証券口座には、一般口座と特定口座の2つがあります。1年間の投資で20万円を超える利益が出ると、確定申告をする必要があるのですが「特定口座」の「源泉徴収あり」にしておくと、確定申告が不要になります。8割以上の投資家が「特定口座」の「源泉徴収あり」を選んでいるといわれています。
2. NISA口座を開設する
NISAは「小額投資非課税制度」といって、年120万円までの投資で得られた利益にかかる税金をゼロにすることができる制度です。通常、投資で得られた利益には20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかります。しかし、NISA口座で売買して生まれた利益にはこれらの税金が一切かかりません。
極端な話ですが、100万円の利益が出た場合、通常の口座では20万円程の税金が引かれてしまいます。それがNISA口座ではゼロにできるのです。ただし、NISA口座は1人1口座のみ、どこか1つの証券会社にしか開設できません。さらに、開設に1カ月近くかかることに注意してください。
証券口座の開設と並行して、銀行口座も開設しましょう。証券口座に投資資金を入金するのは、銀行口座が必要です。すでにお持ちの口座でももちろん大丈夫なのですが、ぜひインターネットバンキングに対応したものにしてください。インターネットバンキングを利用すると、ATMにわざわざ出向かずともすぐに入金ができますし、出金もとても手軽だからです。
口座の新規開設キャンペーンを見逃すな!
証券会社や銀行では、顧客を獲得するために、さまざまなキャンペーンを実施しています。キャンペーンの期間や内容は会社ごとに異なりますが、口座開設や口座への入金、株や投資信託の売買をすることでいくらかのお金がもらえるようになっています。
また、投資関連のウェブサイトやポイントサイトなどでは、証券会社と提携した独自のキャンペーンを行っていることもあります。さらに家族や友人の紹介キャンペーンとして、紹介した家族・友人と自分の両方にプレゼントをしてくれる会社や、証券口座開設後の数カ月間は売買手数料が無料の会社もあります。
数千円の現金をノーリスクにて獲得することができるのですから、単に各社のウェブサイトから口座開設するのがもったいなく見えるでしょう。こうしたところからすでに投資資金作りは始まっています。その入り口と思って取り組んでみてください。
JACK(ジャック)
個人投資家
バーテンダー、予備校講師、サラリーマンと多彩な職歴を歩む傍ら、IPO(新規公開株)を中心に2億円近くまでの資産を稼ぐ。