日本は米国に次いで富裕層が多い国といわれており、今、国内外の金融機関が富裕層向け金融サービスの顧客争奪戦が激化しています。なお 調査によりますが、概ね100万ドル以上の金融資産の保有者を富裕層と定義することが多くなっています。
参考: 日本での家計の富や富裕層の特徴とは?〜グローバル・ウェルス・レポート2012より〜

以前、 1000万円以上預けると優遇を受けられるプレミアムバンクの比較 という記事をお届けしました。一般的に1000万円以上の預け入れは大金です。しかし本場の富裕層向け金融サービス、「プライベートバンク」や「ウェルスマネジメント」と言われるようなサービスでは、最低預け入れ資産100万ドル(1億円)以上が必要という所が多く、場合によっては10億円以上というような所も存在します。今回は、そんな富裕層向け金融サービスの世界をのぞいてみたいと思います。

【参考:預け入れ資産1億円以上を対象としたプライベートバンク関連】
現代富裕層の悩みと金融機関の4つの課題〜
プライベートバンクへの期待
「プライベートバンクサービス」≠「プライベートバンク」?

富裕層向け金融サービスの特徴


プライベートバンクやウェルスマネジメントのような特別な呼称を冠している
伝統的な富裕層向け金融サービスといえば、スイス系のプライベートバンクがあげられます。プライベートバンクという言葉は、元々は、無限責任をとるパートナーによる個人出資によって運営される銀行を指すものでした。無限責任制や個人出資である事から、過度のリスクを取らず(取れず)、自己勘定で証券の引受業務なども行わない為、顧客に無理に商品を勧めるということがなく、富裕層の信頼を得やすい金融機関でした。そんな由来が、富裕層向け金融サービスの代名詞となるまでにそのブランドを高めた理由です。

現在は、正式なプライベートバンクでなくとも、富裕層向け金融サービスを行う金融機関、またはサービスは、プライベートバンクを名乗ることが多いです。

オーダーメイド型の金融商品の提供が可能
私募投信やテーラーメイド型の債券など、顧客のニーズに合わせた特別な金融商品も提供できる体制があります。ただし、近年は一般の方でも買える公募投信なども充実しているため、オーダーメイド型の金融商品の提供の意味は薄れてきているかもしれません。

社内でも優秀な人材によるコンサルティング
公募投信などの充実により、金融商品をオーダーメイドで作る意味は薄れました。しかし、同時に多種多様な金融商品から、自分にとって望ましい商品を選ぶ難しさは増しています。そんな中、信頼できる専門家に相談ができるのなら、心強いと感じる人も多いかもしれません。

例えば国内系のプライベートバンク部門やウェルスマネジメント部門には、社内でもトップクラスの人材のみが配置されていると言われています。顧客を担当する人材の優秀さは、富裕層向け金融サービスの特徴といえるでしょう。

高い入会基準と割安な手数料率
上記のように、プライベートバンクのような富裕層向け金融サービスの最低預け入れ額は1億円を超えます。
ただし、運用額が多いため、手数料率そのものは一般の金融商品よりも低めに設定されている場合が多いようです。

相続対策や事業継承など、金融関連のサービスも充実
金融商品が充実しているだけではなく、相続税などの節税対策、企業オーナーのための事業承継サービスなど、付加的なサービスが充実していることも特徴です。また、提供企業よりも担当者(いわゆるプライベートバンカー)の力量による面が大きいのですが、顧客のビジネスのサポートや、人脈のマッチングなどを行う場合もあるそうです。特に近年は、先進国にて富裕層に対する課税を強化する流れがあり、節税に関するコンサルティングの需要は高まっています。参考: 所得税75%の衝撃〜フランスの富裕層脱出にみる日本の将来〜

非金融分野での数々のサービスの提供
富裕層向けの金融サービスの強みや特徴は、金融やその周辺領域に留まりません。このようなサービスを提供する会社は豊富なネットワークを持っている例も多く、子女の海外留学や進路相談、一般的には手に入りづらい高級品の手配、家族間の揉め事の調停など、様々な付加サービスが充実している例も多いのです。