2020年に東京オリンピック開催が決定しました。
昭和39年(1964年)の東京オリンピックから実に56年ぶりの日本でのオリンピック開催です。世界の平和を願うオリンピックが東京で開催されることは、とても誇らしいことであると思います。
この東京オリンピックの開催を経済や投資との関係で考えれば、オリンピック開催に伴う様々なインフラ整備の必要は、経済・投資への極めて大きな影響を与えるものとなることが予測されます(現に本文でご紹介する株式銘柄で2013年10月現在既に株価が上昇しているものもあります)。
一方、2014年からは少額の投資から生まれる利益を非課税とするNISA制度がスタートします。このNISA制度を利用して東京オリンピック開催決定に伴う注目銘柄に投資することで投資利益を得ることが期待できます。
今回は、東京オリンピック開催決定によって注目される株式銘柄とNISA制度の活用法について述べていきたいと存じます。
「オリンピック特需」とNISA(ニーサ/日本版ISA)の活用のメリット
東京オリンピックの開催が決定しましたが、オリンピック開催のためには様々な準備が必要となります。
例えば、会場の建設、選手村の準備など東京オリンピック開催のため、様々な設備を整えることが必要となります。そのため、東京オリンピック開催に伴い建設業や不動産業などが活性化することが見込まれます。いわば「オリンピック特需」の到来が期待できます。
ところで、NISA制度は、特定の口座(NISA口座)を設けて、100万円までの投資取引から生じた利益については非課税となるという制度です。NISA口座から生じた利益は、投資元本が100万円までであれば、そこから生じた利益に対しては税金がかかりません。
そこで、東京オリンピックの開催によって株価の上昇が見込まれる銘柄にNISA口座を通して投資することで、相当程度の高い確率で、非課税のメリットを受けつつインカムゲイン(投資収益・株式の売却益・配当利益など)を期待することができます。
また、NISAで非課税となるのは、投資元本100万円までが限度です。株式投資はハイリスク・ハイリターンの金融商品であることには是非ともご留意いただきたいポイントですが、(投資信託などと比べれば、極論すれば、「ギャンブル」的な要素があるということは否定できません)100万円という歯止めを意識すれば、投資にのめり込む危険も回避することができます。
100万円以下の投資で非課税の利益が出る状態と100万円以上の投資によって利益が出ても税金が課税される(20パーセント程度の課税は予測されます)のであれば、投資金額を100万円以下にした方が多くの場合、「お得」なのではないでしょうか。
ハイリスク・ハイリターンな株式という金融商品について、NISA口座を利用することで意識的に「歯止め」をかけることができます。そのため、NISA口座を開設して100万円以下の金額で、東京オリンピックで株価高騰が見込まれる株式銘柄に投資することがリスクの限界を意識しつつ利益を上げることが期待できるので、賢い資産運用方法としておすすめできます。
東京オリンピック開催で期待できる銘柄1・いわゆる第二次産業の株式
では、具体的に東京オリンピックの開催で株価上昇が期待できる銘柄をご紹介していきます。
東京オリンピック開催に伴い、株価上昇を期待することができる銘柄は、なんといっても、建設・不動産などのいわゆる第二次産業の株式銘柄です。東京オリンピック開催に伴って、建設や不動産業界が活気づくすることは容易に予測ができるのではないでしょうか。
さらに、東京オリンピックとクロスオーバーして、アベノミクスによる「国土強靭化計画」が現実味を帯びてきています。国土強靭化計画は、老朽化しつつある公共設備(橋や道路など)を補修することを主眼とする政策ですが、東京オリンピックの開催のためには国土強靭化計画を実行に移す必要性が緊急に高まっています。
そのため、東京オリンピックの開催と国土強靭化計画のクロスオーバーによって、相当高い確率で建設・不動産などの第二次産業の株式の価値は上昇することが予測されます。
具体的な株式銘柄としては、スーパーゼネコン(売上1兆円超の建設会社)である大成建設・日本道路・太平洋セメントなどが期待できる銘柄です。東京オリンピックまであと7年(本稿は2013年10月現在で執筆しています)ありますので、NISA口座のロールオーバー(移管・口座を移すこと。最長で10年間非課税)制度もセットで利用すれば、東京オリンピックまで非課税で配当利益などを期待することができます。
なお、過去の諸外国のオリンピック傾向を見ると、オリンピック終了後は、建設などの株価は下落する傾向にあるので、東京オリンピック開催が近くなったら株式を売却して売却益を望むという方法もおすすめできます。NISA口座であれば、もちろん売却益にも税金はかかりません。
東京オリンピック開催で期待できる銘柄2・エネルギー関連株式
次に、期待できる株式銘柄として、エネルギー関連の株式が挙げられます。東京オリンピック開催決定にあたって、最後までネックとなっていたポイントとして東日本大震災から生じた、原発事故による安全性への懸念です。
東日本大震災に伴う原発事故は、住み慣れた土地を捨てなければならないなど大変悲惨な事故でした。また、同時に原発というエネルギーについての安全性について世界中から疑問を投げかけられています。
このような状況で脱原発によるエネルギーが模索されだしています。
原発以外のエネルギーとして最近、非常に熱い注目を集めているのが石炭エネルギーです。石炭は、二酸化炭素を放出して温暖化を促進させてしまうなどの理由から、久しく主要エネルギーの座を原子力に奪われていました。しかし、原発に代わるエネルギー模索と二酸化炭素排出を抑える技術の進歩により、再度大きな注目を集めています。
実際、震災前は原発によるエネルギー供給率は、全エネルギーの30パーセント程度でしたが、現在(2013年10月現在)では、すでに3パーセントとなっており、脱原発・エネルギー転換は実現しています。その中で現在、最も注目を集めているのが石炭エネルギーです(なお、風力エネルギーなどは日本の風土・気候では現時点では難しいとしてあまり利用されていません)。
石炭エネルギーは「古くて新しいエネルギー源」として現在注目の的であり、石炭エネルギー技術を持つ会社の株式も株価上昇が見込まれます。具体的には、三菱重工業などが石炭エネルギーを持つ会社として注目されます。
このようにエネルギー関連株も注目されており、NISA口座で購入することがおすすめできる株式です。
株式投資はNISA(ニーサ/日本版ISA)によって始めることがおすすめ
以上述べましたように、東京オリンピックの開催によるインフラ整備の必要性から、第二次産業やエネルギー関連株の株価の高騰を見込むことができます。しかし、株式投資は、投資信託などと比べれば、どうしてもハイリスク・ハイリターンという性質を持つ商品であることは避けられません。
この記事をご覧になられた時点では、既に株価が高騰していたり、何らかの理由で値崩れしているということも否定はできません。株式は様々な要因ですぐに値段が急変しますので、資産運用の方法として、株式ばかりに投資することは、私はあまり得策ではないと思っています。投資は余剰のお金を利用して長い年月をかけてコツコツと行っていくことが得策です。
そのため、投資限度額に一定の目安を設けるためにNISA口座の100万円をひとつの目安とすることがいいのではないでしょうか。
先程も述べましたが、100万円を越す金額を株式に投資して、利益が出ても税金でひかれてしまうのであれば、高いリスクを負ってまで投資することはないはずです。投資はリスクを最大限抑えて資産を増やすことで生活をより豊かにすること(また、資産を社会に投資して社会の発展に貢献すること)が目的です。
そのために100万円という基準があるNISA口座は、わかりやすい目安なので、NISA口座を開設して、東京オリンピックに向けて株価向上を見込むことができる株式へ投資をすることがひとつの賢い方法としておすすめできます。
東京オリンピックというビックイベントの到来を楽しみに待ちつつ、NISA口座でじっくりと投資も楽しむという姿勢が一つの姿勢としておすすめすることができます。