シールズの基本理念の最後にあるのは「毎日トライデントを勝ち取れ」である。この言葉は、目的地がゴールではないと思い出させるものだ。

シールズの一員になると、今度はそこから、戦士とリーダーのスキルを追求し維持することが義務となる。訓練は終わりがなく、過酷を極める。ゴールとなる「あそこ」に立つことはけっしてないし、過去の栄光に安穏とすることはできない。これもまた、人生の力強い指針である。

世界が目まぐるしく変化する今、減速したり、現状に甘んじたりしているわけにはいかはない。そんなことをすれば、あっという間に後れをとって慌てるか、遠巻きにみんなを眺めながら、一体何が起きたのかと首をひねることになる。この10年、多くの企業や個人がこの誤りを犯し、そのせいで時代に取り残されたり、企業が姿を消したり、キャリアが終わったりしてきた。

現在フォーチュン500に名を連ねるアメリカのトップ企業のうち、半分近くは「技術的破壊(テクノロジーの大きな変化)」によって5年以内に姿を消すと広く考えられている。「変化」か「取り残される」かが新しい現実、ニューノーマルなのだ。

(本記事は、マーク. ディヴァイン氏(著)、露久保由美子氏(翻訳)の『アメリカ海軍が実戦している「無敵の心」のつくり方』(クロスメディア. パブリッシング)の中から一部を抜粋. 編集しています)

牧羊犬とはどういう存在であるのか

セルフマネジメント
(写真=PIXTA)

シールズ時代に私は、変化を受け入れながら、脅威を避けつつ、攻めの考え方でつねにチャンスをうかがっておく方法を学んだ。これを私は「牧羊犬の強さ」と呼んでいる。今日の世界は危険で混沌としているように見える。牧羊犬の強さを手に入れれば、危機のときにも自分や愛する人を守ることができ、この強さは、変化を受け入れて毎日トライデントを勝ち取るために欠かせないものである。

『「戦争」の心理学―人間における戦闘のメカニズム』(二見書房)の共著者であるデーヴ. グロスマン博士は、戦闘中の戦士の心理について研究している元陸軍士官である。

博士は世界の大多数の人を、脅威に気づかずのほほんとし、自分を取り巻く状況を気にも留めずに草を食んでいる羊と比喩的に表現している。だが、割合としてはずっと少ないものの、世の中にはその羊を食い物にすることをビジネスにしているオオカミもいる。

オオカミは暴力的な傾向があり、自分のものでないものでも、良心の呵責もなく平然と奪う。そんなオオカミが弱い羊を引き裂く横で、その他の羊や世の中全体はあまりそのことに注意を払っていない。だが幸いなことに、あなたや私のような人間もいる。羊とオオカミの境界線にまたがる、人口にしてごくわずかな者たちだ。

これこそ、グロスマンが熱心に研究しているグループである。彼はその私たちを「牧羊犬」と呼んでいる。私たちは羊を守るためにオオカミに目を光らせている。牧羊犬とは、戦士であり、水兵、海兵隊員、沿岸警備隊員、警察官、倫理的指導者、善きサマリア人(憐れみ深い人)のこと。

『アメリカ海軍が実戦している「無敵の心」のつくり方』クロスメディア. パブリッシング(インプレス) (2016/11/21) 画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
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牧羊犬としてとるべき行動規則の一部とは

  1. 受け身であることをやめる。
  2. 内なるレーダーを起動する。 a.何も気づいていないのは白。内なるレーダーがオフ状態。 b.受動的な警戒は黄色。内なるレーダーがオンで、受動的に脅威を調べている。 c.気づきが極度に高まっているのはオレンジ。 d.迎撃態勢は赤。レーダーがフル回転の状態。 3. 牧羊犬の戦術を開始する。 a.人前ではつねに黄色状態でいること。 b.歩行中、運転中(当然)、他の人との会話中にはスマートフォンを使わない。 c.公共の交通機関では、周囲の状況を素早く見わたし、全体がよく見える後部に 座る。 d.レストランや屋外の公共スペースに入るときには、その周辺と内部を素早く見 わたし、潜在的な脅威がないか確認する。 e.偏執的になってはいけない。

牧羊犬のように強くあるには、他人の目を気にするのをやめる必要がある。多くの人は、あなたの訓練や準備をやりすぎだと思うかもしれない。だが、あまりかまうことはない。その同じ人たちが、何か困ったことになれば、必死に腕を振りながらあなたのところに走ってくるのだ。

精神力を使って強いリーダーとしてのスキルを身につける

あなたが多国籍企業を率いているのであれ、元気のいい子どもたちのクラスを率いているのであれ、リーダーとして将来に最善の決断を下すためには、持てるすべての精神力を使っていく必要がある。

精神的に強いリーダーに必要な最後のスキルは、体系的な視覚化によって心の中身とエネルギーを変えることである。視覚化はとてつもなく効果的なテクニックで、精神力を高め、その力をさらにうまく活用して、より難しい任務を遂行できるようにしてくれる。

メンタルタフネスを身につけるための最後のスキルは、プラス思考である。1章と2章で見てきたとおり、心は、人生経験を通じて前向きで勇敢になれと命じられることも、後ろ向きで怯えるようになれと命じられることもある。内なる対話や信念が思考パターンを左右し、パフォーマンスに影響をおよぼすのだ。

すべてのリーダーは、自分とチームの士気を預かる「応援団長」となるべく、精神を鍛えることが必須である。そのためにはつねにポジティブでいるように訓練しなければならない。ポジティブさは普遍的な引き寄せの法則と合致している。ポジティブな精神状態は、目標を達成するときに、それを助けようとする積極的な支援や仲間を引き寄せる。

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