おそらくあなたは、対人関係やらチームやらが複雑に交錯するなかで動いているだろう。そのなかには肉親や親戚、仕事上のネットワークを築いている仲間、スポーツのチームメートや運動仲間、友人の輪もあるだろうし、他にもまだあるはずだ。

だがチームリーダーシップチームメートがたがいのために尽くし、けっして諦めず、すばらしい態度で臨み、何度も勝利を収めているチームにはどのくらい加わってきただろう。きっとあったとしても、めったにはないはずだ。それを変えていこうではないか。

「アンビータブル・マインド」式は、チームマスタリーを自己マスタリーと同じレベルに重視するものである。なぜなら両者は密接に関連しているからだ。チームを「アンビータブル・マインド」の哲学と訓練の枠組み―ともに訓練するチームは、ともにより良いパフォーマンスをあげる―にはめるように努めなければならない。

(本記事は、マーク. ディヴァイン氏(著)、露久保由美子氏(翻訳)の『アメリカ海軍が実戦している「無敵の心」のつくり方』(クロスメディア. パブリッシング)の中から一部を抜粋. 編集しています)

リーダーは常にチームの訓練に対して考え、真剣であること

セルフマネジメント
(写真=PIXTA)

チームの訓練はさまざまな形をとりうる。プログラムは、目指すゴールやかけられる時間(いくらあっても十分ではない)、予算(なんの効果もないくだらない訓練にかなりの予算が無駄に使われている)、職場環境の性質(とくに関係するリスク要因)によって変わってくる。あなたが毎日、あるいは週に一度のペースで身体を鍛えている人であれ、現実にもとづくシナリオや任務の勉強会にランチ持参で参加する人、または年に一度アウトドアの冒険に出かける人であれ、チームの訓練について真剣に考えることを勧める。

私がシールズにいた頃、訓練はつねに誰もがしていた。だが、どこよりも訓練を真剣にとらえていた部隊は、他とくらべて格段に高い能力を発揮していた。チームの訓練は組織全体に支持されなければならず、リーダーの目から見て、行きあたりばったりで、生産性が奪われたり、迷惑なものであったりしてはならない。

兵士や緊急救援隊員、電気の架線作業員、石油採掘労働者など、肉体労働に依存するチームであれば、スキルを磨く他にも、綿密に練られた日々のファンクショナル・フィットネスのプログラムに過酷なチャレンジトレーニングを定期的に組み合わせて採り入れることがおおいにプラスになる。チームでのワークアウトは仲間意識が高まり、チームに対する責任感や尊敬の念が増すことになるはずだ。

『アメリカ海軍が実戦している「無敵の心」のつくり方』クロスメディア. パブリッシング(インプレス) (2016/11/21) 画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
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リーダーとしてチームを強くするトレーニングのポイントとは

最高のチームトレーニングとは、シンプルであること。シンプルとは、簡単という意味ではない。これまであなたは、コンピュータで3Dシミュレーションしてみたり、最近式のモニタリング設備を使ってみたりすることにやたらと時間をつぎ込み、それでいてチームの有効性にはほとんど効果をあげてこなかったかもしれない。私なら重たい石でも使ってチームを鍛え、〈ゴールドジム〉の1万ドルのマシンを全部合わせたよりも効果をあげてみせる。

シンプルなツールや手法のほうがより独創的な解決法を生み、機能面で効果をあげることにつながるものだ。複雑なエクササイズを使った複雑なトレーニングやワークアウトは、チームを混乱させ、下手をすれば怪我をさせることにもなる。ツールやワークアウト方法、指示、組織については、シンプルを心がける。うってつけの丸太と、ウェイトジャケット、鉄棒のある広いスペース、ダンベル一式があれば文句はない。必要であれば創造力を発揮し、トレーニング用具を自作する。

なにより大切なのは、雑念を最小限にとどめることだ。チームの自信を育て、強靭な精神力を養うために、指標にもとづいて成果を測る。チームがタフになるにつれてあなたもタフになり、ひとりの人間として、またリーダーとして、マスタリーに向けて前進することになるはずだ。

5つの高原を超えて自己を結合する

私たちの誰もが生涯に経験するかもしれない発達段階は、いくつかの分野の専門家によって地図化されてきた。心理学、ヒューマンパフォーマンス、ヨガや仏教などのスピリチュアルな教えは、どの分野も人の発達段階についてそれぞれ考えを持っている。ユダヤ教やイスラム教、キリスト教の奥儀を記した書物にさえ、意識のより高い状態や段階に関する表現があるほどだ。私はそうした段階を「高原(プラトー)」と呼んでいる。なぜなら、成長の5つの山を登っていくと、意識はあるレベルで停滞期に入り【「プラトー」は学習や作業の進歩が一時的に停滞する状態も意味する】、その後、それを打破して次のレベルへと進むからだ。新たな高原にたどり着くたび、意識的自己の「視野」は広がり、より開放的になっていく。

「第1の高原」
身体的・本能的自己。

「第2の高原」
感情主導の自己。

「第3の高原」
精神的達成者の自己。

「第4の高原」
気遣いの自己。

「第5の高原」
総合的自己。

自己マスタリーとは、あなたの5つの山を開発し、第5の高原で統合されて一体となったときに、到達できるところだ。最終的にその統合は、合理的精神、ハート、目撃する自己の結合として体験される。そしてこの統合に伴ってあなたは、「いる」という状態をいっそう体感しはじめ、精神全体を創造的で包括的な思考に使うようになる。そして行動はパワフルでポジティブになる。

無言で座っていようと、ワークアウトをしていようと、重大なプロジェクトで問題の解決をはかっていようと―あるいは、命がけで戦っている自分に気づいたときでさえ―存在していることを楽しめるようになる。

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