2006年に約25億ウォン水準だった納豆の市場規模が2016年には250億ウォンと10年で10倍に拡大している。毎日経済新聞2017年4月19日付けで伝えた。2015年の市場規模は157億ウォンで、1年で59.4%増と急激に拡大している。

健康志向と手軽さで人気

ブーム,日韓関係
(写真=PIXTA)

健康やヘルシー志向の「ウエルビン」ブームと食品業界の関係者は指摘する。納豆は腸の健康はもちろん、肌の美容、免疫力増進などに良い食品として知られるようになり、購入する消費者が増えているという。

韓国では、納豆は大豆を発酵させた伝統食品のチョングクチャン(清麹醤)と比較されることが多い。チョングクチャンと納豆は、いずれもゆでた大豆をバチルス菌という微生物で発酵させて作るが、納豆菌のみで発酵させる納豆と違い、チョングクチャンは多様な菌が混入する。多様な菌の混入で多様な味に加えて、刺激的な臭いを発する。

仁済大学食品生命科学部のキム教授は健康食としての納豆とチョングクチャンを分析した。納豆やチョングクチャンに含まれる酵素は、大豆のたんぱく質を細かく分解して消化されやすいアミノ酸に変えるが、血栓を溶かす作用もあり、心臓病・脳卒中など血管疾患患者に良いという。

便泌・下痢の予防や病気に対する免疫力の増加、アルコールの分解促進による二日酔いの解消や骨粗しょう症の予防に良いというが、チョングクチャンは作る過程で有益な菌やビタミンB2などが破壊されるうえ、塩分も多く含まれることから、栄養素・健康成分の補填は納豆の方が良いという。

韓国大手のイーマートが2016年の売上を分析したところ、納豆とチョングクチャンの売上合計を100とした場合、納豆が67.3%でチョングクチャンは32.7%と納豆がチョングクチャンの2倍に達していた。 2015年はチョングッチャンが52.9%で納豆が47.1%だった。チョングクチャンは調理に手間がかかり、調理の際に出る強烈な臭いを好まない若者も増えている。納豆はチョングクチャンと比べて臭いが少なく、煮込まなくても手軽に食べることができることから、1人世帯の購買率が高いという。

市場のさらなる拡大を狙う