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NISAは、年間100万円までの投資の配当や売買益を、最大5年間(6年目に初年度投資分のうちの100万円をロールオーバー、つまり繰り越して最大10年間)にわたって非課税にする、という制度です。一般的な富裕層が証券会社で購入する株式や投資信託の金額の規模は数千万円から億単位といいますから、100万円でも「少額」なのです。これまでは証券優遇税制で株式等の売買益や配当に対する税率が暫定的に20%から10%に軽減されていましたが、25年で終了します。その代わりに、という意味合いもあって導入された制度です。既に英国ではISAという同様の制度があり、その日本版として設けられた制度です。


①長期投資を始めるなら若い時から

株式や投資信託は、短期間では大きく変動します。しかし、長期的な視点で見れば、経済成長とともに投資した資産が増えていくのが通例です(投資先や社会状況によって、必ずしもそうとは限りません)。我が国ではこの20年ほどにわたり長期の経済的な低迷が続いてきました。東証株価指数の20年移動平均線が、現在の株価の天井になっている(つまり、過去20年間の平均的な経済状況を上回ることができない)そうですが、こうした状況がいつまでも続く可能性は低いでしょう。ようやく、世界経済とともに、わが国経済も上昇気流に乗り始めたようです。最悪期を経験したこの20年、特にここ数年を考えれば、これ以上悪くなるということも考えにくいものです。むしろこの先30年を見据えて、若い世代のうちから自分、そして社会に向けた投資を始めるのが好ましいのではないのでしょうか。こつこつと、30年を見据えて長期投資を薦めているコモンズ投信という独立系の投信もあります。30歳代から30年の投資を続ければ、60代になっても安心でしょう。
NISAは今後10年間の時限的な制度ですが、こうした長期投資を始めるきっかけになるのではないでしょうか。


②可処分所得が最も多いのは実は30代

人生で最も収入に対する可処分所得が多いのは、実は30代なのです。独身であれ、新婚であれ、子供の教育費の心配も要らず、マイホームもまだ持たずに借家暮らしで住宅ローンの負担がないかもしれません。資産形成のチャンスなのです。給料や事業所得で謳歌するのもいいのですが、資産形成も大切です。その際、生活費支出や貯蓄や保険とのバランスを考えましょう。貯蓄はもしものときの「備え」や目的のある支出のための「積立て」です。一方、保険は万が一の時のための「リスクヘッジ」です。それらとのバランスを考えて、将来に向けた「投資」がどれだけできるか設定して、年間100万円の枠か、あるいはそれ以上、以下というように、自分のライフスタイルや環境、人生設計に応じてNISAを活用しましょう。


③人生で最大の出費を迎える40代の生活に備えて資産形成を

30代とは逆に、40代を迎えると、人生最大の出費の時期を迎えます。マイホーム購入、ローン返済、子供の教育費などなど、この時期は収支的に一番厳しい時期であるという説もあります。そのためにも30代からの資産形成が重要です。NISAを活用すれば、年間100万円、最大10年間にわたって、合計500万円の資産を無利息で運用できます(貯金の利子すら源泉課税されるのですから、NISAのメリットは大きいでしょう)。もし、500万円の投資が大きな利益を生んでいたら、40代を安心して迎えることができます。マイホームの頭金になったり、ステップアップして、独立開業する資金として活用することができるかもしれません。ただし、投資にはリスクとリターンがつきものです。必ずしもキャピタルゲインを得ることができるとは考えるべきではありません。それでも、できるだけ堅実に長期的に信頼して投資できる商品(例えば成長株に厳選した株式投資や、国内国外の株と債券など分散して組み入れた投信、あるいはインデックス型の投信など)を選べば、将来的な安心につながるでしょう。

NISAは、目下、銀行や大手証券会社、ネット証券やネット銀行で、さかんにキャンペーンを行っています。しかしどの金融機関も、どの商品を扱うのかは検討中のところが多いのが実情です。また、銀行では(税法上の)株式投資信託しか販売できず、株式は証券会社しかあつかえないというような点にも注意が必要です。NISA自体の制度の細目も、まだ、検討中のところが多い様子です。キャンペーンにつられてNISA口座を慌てて開設する必要はありません。NISA口座は1人1口座しか開設できず、開設後少なくとも4年間は、金融機関を変更することはできないのですから。じっくりと調べて検討してから、NISA口座を開設しましょう。また、NISA口座が開設できるのは平成35年までの10年間の時限的な制度ですが、10年後、20年後は、どのような制度が設けられるかはわかりません。その時はその時で、制度やライフスタイルに沿った、投資のあり方を検討しましょう。

photo credit: JD Hancock via photopin cc

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