インスタグラムやフェイスブック、ツイッターといったSNS上で影響力を持つ人からの口コミを通じて自社製品の認知度向上を狙うマーケティング手法「インフルエンサーマーケティング」は、大企業ですら無視できない存在となりつつある。

日本を代表する自動車メーカーのトヨタ自動車も力を入れる企業のひとつだ。上海・天馬サーキットで4月6日に開かれた高級車レクサスの試乗会では、トヨタの豊田章男社長が自らレクサスLCを運転し、同ブランドを熱心にアピールする様子が報じられた。同社の狙いは招待した現地著名人によるSNS上での拡散だ。実際、現地のSNSでこれを即座に発信したという。

中国上海モーターショーが4月末まで10日間に渡って行われた。今年は世界18カ国、地域より、1000社を超えるメーカーが集い、約1400台の車が出品された。今回のモーターショーでは、新商品のレクサスNXが、世界に先駆けて中国で先行出品された。

中国メディアの中国汽車報網によると、2016年の中国国内におけるトヨタの販売台数は121万4000台と対前年比8%増だったのに対し、レクサスは初めて販売台数が10万台を突破、対前年比25.6%の伸びを示しているという。中国でのレクサス販売強化のために、インフルエンサーマーケティングを活用するということだろう。

インフルエンサーマーケティングの目的とは?

インフルエンサーマーケティングは「発言力のある人からのお墨付きを得る」のが目的だ。ネット上の情報には信憑性が低いと感じている利用者でも、「自分が一目置いている人からの、消費者目線での意見なら」信用するという人も多い。

あからさまな広告的内容を発信してしまうと、かえってファンから嫌がられたり、発言者の信用を傷つけたりしかねないといった一面がある。また、金銭等の見返りがあればファンへの裏切り行為として激しく非難されることもあるため、発信の仕方や運用には注意が必要だ。

個人メディアが生き残るために