インドネシアの2017年1-3月期の実質GDP成長率(1)は前年同期比(原系列)5.01%増と、市場予想(2)の同5.10%増を若干下回ったものの、前期の同4.94%増から僅かに上昇した。

需要項目別に見ると、政府支出の持ち直しと輸出拡大が成長率の上昇に繋がったことが分かる(図表1)。

民間消費(対家計民間非営利団体含む)は前年同期比4.99%増(前期:同5.03%増)と、概ね5%の堅調な伸びを維持した。食料・飲料や保健・教育、ホテル・レストランが堅調に推移する一方、輸送・通信とアパレルが伸び悩んだ。

政府消費は前年同期比2.71%増(前期:同4.05%減)と3期ぶりに増加した。過去2四半期は歳入不足に伴う予算削減の影響で落ち込んでいたが、新年度予算に入って執行が正常化した。

総固定資本形成は前年同期比4.81%増と、前期の同4.80%増から僅かに上昇した。建設投資が持ち直すとともに機械・設備が5期ぶりのプラスに転じたほか、自動車の大幅増加が続いたことが追い風となった。

外需については、輸出が前年同期比8.04%増(前期:同4.24%増)と一段と上昇した。輸出の内訳を見ると、サービス輸出が同7.33%増(前期:6.28%増)と上昇するとともに、財輸出が同8.13%増(前期:3.99%増)と非石油・ガスを中心に上昇した。一方、輸入も同5.02%増(前期:同2.82%増)と上昇した結果、外需の成長率への寄与度は+0.73%ポイントと、前期(+0.34%ポイント)から拡大した。