大型連休開けの5月8日、関東各地で30度を超える真夏日となるところ地域が相次いだ。関東甲信越の猛暑常連地では午後から気温がグングン上がり、熊谷市で30.9度、前橋市で30.3度、館林市で31.4度と25地点で真夏日となった。

東京では真夏日までは届かなかったが、練馬で29.6度を記録した。ビール、清涼飲料、アイスなどの売上が増えていそうだ。夏関連銘柄(サマーストック)を早めに注目しておきたい。

暖冬、エルニーニョで初夏日も早まる

サマーストック
(写真=PIXTA)

17年4月16日、東京都心の日中の最高気温は26.5度に達し、今年初の25度超えの夏日を記録した。平年より11日早く、昨年より2日早い。東京都心で初めて夏日が観測される日は早まる傾向にあり、13年は観測史上最も早い3月10日であり、14年は5月2日、15年は4月27日、16年は4月18日で、今年が4月16日と、13年は別格にしても毎年早まる傾向だ。

そもそも日本の16年の平均気温は、平年を0.88度上回り1898年の統計開始以降で過去最高となった。気象庁は、地球温暖化とエルニーニョ現象の影響だと分析している。気象庁の5月の予測もほぼ全国各地で平年より高温になるとの見通しだ。

麦わら帽子は冬に買え サマーストックアノマリー

例年、サマーストックがアノマリーで買われるのは7−8月が多い。ビール会社の四半期毎の売上と利益の傾向を見ると、やはり7−9月期の売上と利益水準が一番高い。

夏が暑いと業績的にも上向き、株価に追い風のニュースが増える。ビール各社の株価は、夏または年末に年の高値を付けることが多い。もともと年末高の銘柄は多いが、ビール3社は夏場に高値を付けることも多く、サマーストックの代表とされている。

「麦わら帽子は冬に買え」と言う株式格言がある。相場というものは誰も見向きもしない時に仕込んでおくものだという伝えなのだが、「ビール株は冬に買い夏に売れ」というアノマリーは成り立っている。

7−8月の夏枯れ相場となることが多く、材料難の時に「サマーストック」や「猛暑」をテーマにすることは市場関係者のお約束の行為である。

ビール株3社は年初来高値

直近のビール株の動きを見てみよう。

サッポロビール <2501> は4月19日に買い気配となり187円(6.3%)高の3165円で引けた。その後も堅調で5月8日には年初来高値の3250円を付けた。東京の初夏日が4月16日で、関東各地が真夏日になったのが5月8日。株価を見る限りは、すでにサマーラリーが始まっている。

もっとも、4月16日の買い気配はJPモルガン証券が格付けを「中立」から「オーバーウェイト」、ターゲットを3070円から3500円に上げたためのようだ。プレミアムビールが好調でビールのシェアが上昇傾向ということ。理由はまさにサマーストックそのものだ。

ビール業界トップのアサヒ <2502> も5月8日には年初来高値、2位のキリン <2503> は5月1日に年初来高値を更新している。ビール銘柄が買われているのは証券会社の格上げでだけではなさそうだ。

アイスクリーム関連の7社

日本の気温が上がり、暑い季節が長期化していることもサポートしているのか、アイスクリーム市場は拡大している。日本アイスクリーム協会によると15年度のアイスクリーム市場は4647億円と前年比6.4%増の高い伸びとなった。過去10年でもっとも高い伸びであるとともに、過去10年で市場は30.6%拡大している。アイスクリームは、成熟商品の多い食品業界において成長商品なのだ。

上場会社でアイスクリームのシェアが高いのはグリコ <2206> 、森永乳業 <2264> 、森永製菓 <2201> 、明治HD <2269> の4社だ。グリコはジャイアントコーンとパピコ、森乳はPINOとPARM、森菓はチョコモナカジャンボ、明治はエッセルスーパーカップなどがメインブランド。この5社とロッテ(韓国上場)の雪見だいふくと赤城乳業(未上場)のガリガリ君でコンビニのアイスストッカーの大半を占めている。

アイス専業では、B-Rサーティワンアイスクリーム <2268> 、サーティワン親会社で株式を43.28% 保有する不二家 <2211> も注目される。セイヒョー <2872> は氷菓で森永向けのOEMを行っている。

コンビニ3社と厨房機器も猛暑のメリット大

日本アイスクリーム協会よると15年度のアイスクリームを買う場所は、スーパーが84.7%、コンビニが58.5%。コンビニは、猛暑ならば、アイスだけでなく、ビールや清涼飲料の売上増の恩恵も受ける。

最大手のセブンイレブンを擁するセブン&アイHD <3382> 、2位のユニー・ファミリーマートHD <8028> 、3位のローソン <2651> も注目される。

ファミマでは、毎年ゴールデンウィーク後に販売開始する赤城乳業とのコラボである「フラッペ」を昨年より3週間早め4月23日からはじめた。ローソンもアイスを温めるという斬新な食べ方で人気を呼んでいるフローズンドリンクを早めの4月18日から開始している。

業務用厨房機器の大手ホシザキ <6465> も注目できる。ビールディスペンサー製氷機、業務用冷蔵庫では国内シェアトップ。

個人消費の好転がサマーストックを後押しするか?

内閣府の発表する消費総合指数は2月に105.7と前月比0.2%増となり、14年4月の消費税上げ後でもっと高いレベルに上昇している。消費総合指数は、月次で算出されるという迅速性を持ち、GDP統計の民間最終支出の先行指標として注目されている指標。長期低迷していた消費は確実に上向いてきている。

4月のユニクロを経営するファーストリテイリング <9983> の既存店は前年同月比6.2%増と2ヵ月ぶりに前年実績を上回った。無印良品の良品計画 <7453> の既存も8.6%増と高い伸びとなった。靴のエービーシー・マート <2670> も5.5%増とプラスに転じた。4月後半から天候に恵まれたことが押し上げた。 月次既存店の好転で各社とも株価は上昇した。

猛暑なら、ドリンクやアイスだけでなく、アパレルにおいても個人消費を後押しする。クールビズ関連として上記3社も注目だ。

今回とりあげた銘柄以外でも、エアコン関連、水不足関連、猛暑関連などが夏のシーズンストックの代表。個人消費が主導し、サマーストックが上がり、サマーラリーで日経平均も上昇する「熱い」夏を期待したい。(ZUU online 編集部)