資金が1000万円にもなれば、さらにいろいろな戦略を取ることができます。まずは、私を億トレーダーに導いたIPO投資を紹介したいと思います。

(本記事は、JACK氏著『0円から2億円を稼いだJACKさんのお金の増やし方入門 単行本 』スタンダーズ (2017/4/27)の中から一部を抜粋・編集しています)

IPO投資とは何か その魅力とは

JACK
(写真=PIXTA)

IPOとは「initial(最初の)Public(公開の)Offering(売り物)」の略で、未上場企業が、新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることをいいます。

株式を証券取引所に上場させるとき、通常は新たに株を発行したり、上場前に株主が保有している株が売り出されたりします。IPOでは、これらの株が証券会社から個人投資家に配分されるのです。上場した会社は、より広く資金調達ができるようになります。また、知名度が上がり、社会信用を高めることができるのもメリットです。

以下、IPOのメリットを4つにわけて紹介します。

(1)応募や取得に際し、手数料がかからない

金融商品を買うときは、多くの売買手数料がかかります。株やETFは約定した金額によって売買手数料を支払っています。FXでも、売りと買いの価格差(スプレッド)がFX会社の収入になっています。投資信託にいたっては、購入時に3%近く手数料を取るものまであります。これでは購入した瞬間からマイナスのパフォーマンスを抱えてしまいます。

しかし、IPOで売り出される株(以下IPO株)の応募や獲得に際しては、手数料が一切かかりません。IPO株が買えるかどうかは、多くの場合抽選になりますが、抽選に当たろうが外れようが、手数料はかからないのです。ただし、抽選に当選後、買った株を売るときには手数料がかかります。

(2)公募価格は割安に設定される場合が多い

投資家が新たに買うIPO株の価格を公募価格といいます。公募価格は、証券会社が同業種の株価をその会社の財務諸表を参考にしつつ、機関投資家とのヒアリングを経て決定します。

この公募価格が、割安に設定されることが多いのです。あまりに割高に設定すると、投資家の投資熱が冷めてしまいます。市場の嫌気を避け、今後の株価上昇シナリオを描く意味で、ディスカウントされているのではと個人的には思っています。

(3)上場後、株価が大きく飛躍する銘柄が多い

市場に上場して、最初につく株価を初値といいます。この初値が、公募価格より高くなることが多くなります。つまり、IPO株を買って、初値で売る(成行で売る)だけで儲かる可能性が高い、というわけです。本稿執筆時点(2017年3月末現在)IPOを行った会社は27社あります。その27社中25社で、初値が公募価格を上回っています。

このすべての株を100株ずつ買って、初値で売ることができていたら、464万4500円が926万8500円になった計算です。わずか3カ月で投資資金がほぼ2倍!すさまじいパフォーマンスです。しかも、どの株も保有期間は1週間程度ですから、その資金効率の高さは類を見ません。

(4)銘柄によっては上場後、数カ月の間に配当金や株主優待の新設、株式分割などがある

好調な株価を背景に、配当金や株主優待の新設が行われることがあります。これによって人気が集まり、株価が上がることがあります。

また、人気銘柄で株価が高くなった株では、株式分割が行われることがあります。分割が行われても理論上、株の価値は変わらないのですが、購入単価が下がることで買いが集まり、株価が上昇することが多くあるように感じます。

もちろん、100%値上がりするとは限りません。私も経験がありますが、東日本大震災の2日後に延期せず上場した銘柄では、公募価格の40%近く安い初値となりました。リスクはゼロではありませんのでご留意ください。

IPO株を手に入れる方法とは?

IPO株がいくら魅力的だといっても、抽選に当たらなければ、単なるお金のかからない宝くじになってしまいます。どうすれば獲得できるのでしょうか。

基本は、主幹事証券会社に申し込むことです。会社の上場は、複数の幹事証券会社と相談しながら進めます。その幹事証券会社のなかで、中心となるのが主幹事証券会社です。IPO株は、最終的にこれらの幹事証券会社に割り振られます。その際、もっとも多くのIPO株が割り振られるのが、主幹事証券会社なのです。主幹事証券会社にIPOを申し込むということは、当選数が圧倒的に多い懸賞に応募するようなものだというわけです。

まずはIPOの新規情報を調べましょう。

・東証開示情報( https://www.release.tdnet.info/inbs/I_main_00.html
・フィスコ( http://www.fisco.co.jp/
・トレイダーズ・ウェブ( http://www.traders.co.jp/

といったサイトが役に立つでしょう。日経新聞の財務短信を見たり、IPO関連の個人ブログをチェックしたりしてもいいでしょう。

これらの情報源から申し込みのスケジュールと主幹事証券会社を確認し、IPOの申し込み(ブックビルディング)を行います。ブックビルディングでは、IPOの仮条件が「500円~1000円」などと示されます。その中のいくらなら買いたいかを伝えて申し込みます…というのは建前で、実際に最高値でもほとんどの場合抽選になりますので、最高値で申しこまなければ買えないということになっています。当選の確率を上げるために、主幹事証券会社だけでなく、他の幹事証券会社にも申し込んでおきましょう。

前述のとおり、申し込みは無料ですが、申し込みには各証券会社への口座開設が必要です。必然的に10社・20社の証券口座を開設することになります。また、主幹事証券会社はネット証券よりも店舗証券のほうが多い傾向にあります。ですので、主だった店舗証券会社にも口座を開設しておきましょう。

抽選に申し込む際に注意したいのが、抽選の申し込みの際に資金が拘束される証券会社があるということです。確かに、当選したIPO株を買うまではお金はかからないのですが、抽選の申し込みにはお金が「ある」ことが必要になるのです。

うまくIPO株を手に入れることができたら、あとは上場日の取引開始前に成行の売り注文を出しておけばOKです。銘柄によっては、公募価格の数倍の利益を得ることも、決して夢ではありません。

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1億円に向けて勝負できる王道銘柄2つのポイント

億トレーダーの方々によく共通する手法に、とにかく爆謄する1銘柄だけで勝負するというものがあります。株価は、ときには数倍、数十倍という上昇を見せる銘柄もありますし、自分が着目して売買した後でもひたすら上昇する銘柄もあります。後から振り返ってみると、その銘柄で儲けた人が「○○長者」と呼ばれることがあります。

たとえば、いわゆるアベノミクスによる株価上昇の旗印となったのは、ガンホー・オンライン・エンタテイメント(3765)でした。2012年2月に配信をはじめた「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)というスマホのゲームアプリが爆発的にヒットし、業績も株価も変貌を遂げました。

パズドラの配信が始まった2012年2月の株価は17.87円(1株→10株の株式分割2回、1株→100株の株式分割1回を考慮)でしたが、2013年5月の高値時には1633円まで急上昇しました。わずか1年3カ月で株価は91倍に跳ね上がったのです。当時1株約18万円投資した人は、高値時には約1630万円となったのです。これによって億トレーダーも多数誕生し、ネット上も「ガンホー長者」という言葉でにぎわいました。

また、2015年~16年にかけて著しく株価がアップした銘柄にそーせいグループ(4565)があります。2015年10月には3600円程度だった株価が、2016年5月には高値2万6180円と、すさまじい上昇を見せました。

そーせいグループはバイオ株で、基本的に赤字体質です。成長性が読み切れないことや開発の成否で株価が乱高下すること、短期の投資スタンスが必要だと感じたことなどを理由に私は敬遠していました。

今だから言えることですが、結果から見れば最小単位でも投資すべきでした。このような銘柄をどう発掘するのか、投資スタンスはどうするのか、私なりのポイントを記載します。

◯勝負銘柄の選択ポイント

・時価総額が小さめの中型株・小型株に着目
…時価総額大きい銘柄の株価が数倍、10倍になるとは考えにくい

・過去の急騰銘柄の流れをくむなら、ゲーム銘柄・バイオ銘柄
…または成長性が高い銘柄、旬なモノ(VR、AI)で多数の投資家が注目している銘柄

◯投資スタンス

・打診買い(試しに少し買うこと)から実行。もし下がったら3回をめどにナンピン買い(それでもさらに下がるようなら最初に買った分からロスカット)
・高値を超えたら株数を増やす。上場後の新高値を超えたらさらに株数を増やす

JACK(ジャック) 個人投資家
バーテンダー、予備校講師、サラリーマンと多彩な職歴を歩む傍ら、IPO(新規公開株)を中心に2億円近くまでの資産を稼ぐ。