2017年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比3.3%増(1)と、前期の同3.0%増から上昇したほか、Bloomberg調査の市場予想(同3.1%増)を上回る結果となった。

需要項目別に見ると、民間消費の持ち直しと在庫変動が成長率の上昇に繋がったことが分かる(図表1)。

民間消費は前年同期比3.2%増と、前期の同2.5%増から上昇した。所得環境の改善と消費者マインドの回復を背景に自動車や食料・飲料の販売が堅調だった。政府消費は同0.2%増(前期:同1.8%増)と低下した。医療関連支出が増加した前期からの反動で、1-3月期の政府支出は現物社会給付を中心に伸び悩んだ。

投資は同1.7%増と、前期の同1.8%増から若干低下した。投資の内訳を見ると、公共投資は同9.7%増(前期:同8.6%増)と、インフラ整備や住宅開発などの政府プロジェクトの進展で堅調だったが、民間投資は同1.1%減(前期:同0.4%減)と、商業施設や工場の建設投資の落ち込みとオフィス設備機器などの設備投資の不調を受けて低迷した。

純輸出は、まず輸出が同2.7%増(前期:同1.1%増)と上昇した。うち財貨輸出は同2.6%増(前期:同1.4%増)と上昇した。中東向けの乗用車の輸出が落ち込んだものの、中国向けのゴムの輸出が改善したほか、オーストラリア向けの商用車やベトナム向けのエアコン、電子製品などの工業製品の輸出も拡大した。またサービス輸出も同3.2%増(前期:同0.4%増)と、訪タイ外国人観光客数の増加を受けて上昇した(図表2)。

一方、輸入は同6.0%増(前期:同3.4%増)と上昇した。うちサービス輸入(同0.8%増)は鈍化したものの、財貨輸入(同7.3%増)が原油などの原材料、電気電子製品・同部品や航空機などの資本財を中心に上昇した。その結果、外需の成長率への寄与度は▲1.6%ポイントと、前期の▲1.4%ポイントから減少した。